ソフトバンクグループ、株価がPTSで急騰 —— 2026年3月期第1四半期決算の黒字転換が背景
話題の背景と注目ポイント
ソフトバンクグループ(SBG)の株価が、2025年8月7日の決算発表後、PTS(私設取引システム/時間外取引)市場で大きく動いたとして大きな注目を集めています。このタイミングでPTS市場の銘柄材料として取り上げられ、マスコミ各社が速報で伝えました。市場参加者や投資家の間では「過去の赤字を覆す黒字転換が、今後の成長の大きな期待につながる」との見方が広がっています。
決算発表の主な内容
- 2026年3月期第1四半期(2025年4月〜6月)は、連結最終損益4218億円の黒字。
- 前年同期は1742億円の赤字であり、1年で約6000億円規模の収益改善。
- 投資利益は4869億円。SVF(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)事業における投資利益が6602億円と好調。
- 一方、持株会社投資事業では2565億円の損失を計上。
- 税引前利益は6899億円、親会社株主に帰属する純利益は4218億円。
- 財務面では有利子負債の増加を確認しつつも、自己株式の取得も継続中。
この好決算の内容が直近の株価やPTS市場に熱い注目を集めた主要因となっています。
8月7日終値・8日値幅制限
- 決算発表当日の東証終値は12,560円(8月7日付)。
- 8月8日の値幅制限は「9560円〜15560円」と設定され、700円超の値上がり幅が広く意識されました。
株価の推移と売買動向
8月7日の取引では終値が12,560円となり、 前日比プラス505円(+4.2%) という堅調な上昇を記録しています。この背景には、決算発表による業績改善期待が強く反映されました。
信用取引の状況を見ると、8月1日時点の
- 信用買い残(買いポジション)は4,485,700株
- 信用売り残(売りポジション)は3,330,300株
- 信用倍率は1.35倍
となっており、市場参加者の期待感の高さも示されています。
ソフトバンクグループの事業構造と市場の評価
これまでのソフトバンクグループは、SVF(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)関連銘柄や米国・中国を中心とした大型投資案件の成否で業績が大きくぶれる特徴がありました。特に2024年や2025年初頭は、相場環境や為替、IPO(新規上場)市場の動向など外部要因の影響を強く受けた時期でもありました。
今回は、SVF事業の投資利益が大幅に改善したことに加え、米国が新たに発表した「対中関税措置」などのニュースが市場心理に影響を与えたと考えられます。関税措置によってグローバルな投資環境に不透明感が高まった一方で、そのリスク回避資金の一部が、日本の有力グループであるソフトバンク株へシフトする動きも見られたとされています。
市場関係者のコメントと今後の焦点
- 「黒字転換と投資部門の利益改善は、今後のM&Aや追加投資の布石となる。これまで手控えられていた海外投資家の参加も増える可能性がある」
- 「一方、有利子負債の増加や持株会社投資事業の損失など課題も多く、株価の持続的上昇には財務バランスの改善が求められる」
- 「AIや先端IT分野への積極投資姿勢は評価されるものの、世界経済や地政学リスクの影響は引き続き注視が必要」
他銘柄との比較・小型材料株への影響
この日のPTS市場ではソフトバンクグループ以外にも、木徳神糧やデリカフーズホールディングス、エフオンなど、短期材料株が物色されていました。しかし、市場参加者の最大の注目は「大型決算を発表したソフトバンクグループ」であり、その影響力の大きさが改めて浮き彫りになりました。
個人投資家へのわかりやすいアドバイス
- 株価は短期的な業績や材料で大きく動くことがありますが、長期で見た場合は企業の本質的な成長性や財務バランスが重視されます。
- 決算内容や信用倍率など複数の視点から企業を評価し冷静に投資判断を行うことが重要です。
- ソフトバンクグループは非常に著名な大型株ですが、株価変動も比較的大きいため、分散投資やリスク管理をしっかり意識してください。
まとめ
今回のソフトバンクグループの決算は、黒字転換と投資利益の大幅増加というポジティブなサプライズを与え、PTS市場での大幅な値上がりに直結しました。米国の関税措置など外部環境も相まって「安全資産」としての側面も強調されています。今後も世界経済の変化やグローバル投資の動向にしっかり注目しながら、冷静な投資姿勢を維持することが大切です。