ソフトバンクグループとAI関連株が日経平均を押し下げ 5万円割れの衝撃
はじめに
2025年11月4日、東京株式市場で日経平均株価が一時大台の5万円を割れる展開となりました。AI関連株の売りが加速し、ソフトバンクグループを中心に大きな下落幅を記録しています。本記事では、市場動向とその背景、そして今後の見通しについてわかりやすく解説します。
日経平均株価、連日の高値から急反落
- 日経平均株価は11月4日、前週末比914円安の51,497円と約1.74%下落し、4営業日ぶりに反落。注目の節目である52,000円を割り込み、投資家心理に大きな影響を与えました。
- 先週末には、日経平均株価は史上初めて52,000円台の高値を付けていたものの、勢いが収まり、利食い売りが優勢となりました。10月の月間上げ幅は約7,478円と過去最大であり、大きな上昇相場の反動が出た格好です。
AI関連株の売り加速で市場全体が続落
- 今日の相場で大きな下落要因となったのはAI関連株です。これまで急騰していたソフトバンクグループなどテクノロジー銘柄に利益確定売りが集中し、日経平均株価を大きく押し下げました。
- 特にソフトバンクグループ(SBG)は日経平均に対するマイナス寄与度が384.85円でトップとなり、ひときわ大きな調整となりました。
- またアドバンテストやファーストリテイリングなど主要企業も大きく売られ、テクノロジー・成長株全般の調整圧力が強まっています。
急落の背景にある市場要因
- 急速な株価上昇の反動: 2024年初から徐々に上値を伸ばしてきた日経平均株価は、2025年10月に急速な値上がりを記録。半年間で2万円近くも戻したことが、短期的な過熱感につながりました。
- 新政権発足・米国市場との連動: 10月の国内政局安定や米国のインフレ沈静化、金利引き下げ期待など、複数の好材料が先月までの上昇を後押ししましたが、材料一巡後は利食いムードが強まっています。
- 外国為替の動向: 米ドル/円は一時154円40銭台まで上昇し、日本株のリスク回避の動きが見られました。その後の円安進行も一部投資家の資金移動に影響しています。
前場に注目された3つのポイント
- AI関連株の利食い売りの加速:これまで上昇をけん引してきた銘柄に利益確定売りが集中し、多くの投資家が一旦利益を確定するタイミングとなりました。
- 日経平均の急落による市場心理の悪化:節目の5万円割れは、国内外の投資家に根強い警戒感を与えています。
- 為替市場での円安進行:米ドル/円の上昇がリスク回避からリスク選好へと流れを変えるきっかけとなりつつある一方、一時的な混乱も見られました。
ソフトバンクグループの役割と今後の見通し
- ソフトバンクグループはAI関連事業への積極的な投資で、2025年の株価上昇をけん引してきました。しかし、急騰後の利食い売りが集まり、今回の急落局面で日経平均へのネガティブインパクトが最も大きい銘柄となっています。
- 市場関係者の間では、今後もAI関連株の値動きが日経平均に与える影響は継続する見通しです。ただし、短期的な調整を経て、AI技術やデジタル化の潮流そのものは中長期的に成長余地が大きいとの声も根強く、引き続き注目されるセクターです。
過去との比較から見る今回の相場の特徴
- 2024年2月にはバブル期以来の高値更新(39,000円台)、2025年3月には40,000円台突破、そして今年10月には50,000円の史上初の大台到達、と短期で劇的な値動きが続いていました。
- 過去の値上がり幅と比べても2025年10月の上げ幅は最大級であり、急速な相場の過熱が反動売りにつながった可能性があります。値動きの大きさに対して値上がり率は相対的に小さくなっている点も、現在の高水準相場の特徴です。
投資家へのアドバイスと今後の展開
- 今回のような急落時、慌てて行動することは避け、市場全体や個別企業のファンダメンタルズ、成長トレンドを冷静に見極めることが大切です。
- AI関連銘柄や成長株の調整局面は、将来的な再上昇の転機になる可能性もあります。中長期の視点では引き続き注目分野ですが、目先は相場の変動に注意が必要です。
- ソフトバンクグループのような大型銘柄の動向は、日経平均株価全体への影響力が強く、今後も要チェックです。
おわりに
2025年11月4日の日経平均株価は、ソフトバンクグループをはじめとするAI関連株の利食い売りが広がる中、久々の大きな下落となりました。5万円割れという節目に市場の動揺は強いですが、急激な上昇と同様に調整局面も相場の健全化には必要です。冷静な情報収集と、今後の新たな投資機会への備えが大切なタイミングと言えるでしょう。



