塩野義製薬が「ゾフルーザ顆粒2%分包」を発売~小児も服用しやすい顆粒タイプが新登場~
インフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」の新しい選択肢
2025年11月12日、塩野義製薬株式会社は、抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ®顆粒2%分包」を新たに発売すると発表しました。この新製剤は従来の錠剤に加わる形で、小児への投与をさらに容易にする目的で開発されたものです。これにより、これまで錠剤の服用が難しかった低年齢の小児にも、安心してインフルエンザ治療を行うことができるようになりました。
顆粒タイプの特徴とメリット
- 服用しやすい形状: 顆粒タイプは、錠剤の服用が難しい小児や高齢者にも飲みやすく設計されています。
- 幅広い体重・年齢に対応: 年齢や体重に応じて用量を調整でき、体重10kg未満の小児にも使用できるようになりました。
- 治療・予防両方に適応: A型・B型インフルエンザウイルス感染症の治療および予防の両方に使用可能です。
ゾフルーザ顆粒2%分包の製品概要
- 発売元:塩野義製薬株式会社
- 一般名:バロキサビル マルボキシル
- 薬価:1包1666.20円
- 効能・効果:A型またはB型インフルエンザウイルス感染症の治療および予防
- 用法・用量:体重・年齢に応じた適切な投与が可能(体重20kg未満にも用量が追加)
小児向け治療の進化と医療現場への貢献
従来のゾフルーザは主に錠剤として提供されていましたが、小さなお子さまにとって錠剤の服用は困難な場合も少なくありませんでした。新たな顆粒製剤は水や飲み物などに混ぜて服用できるため、小児への投与が格段に簡単になりました。これにより、保護者や医療現場においても治療の負担軽減が期待されています。
特に体重10kg未満の小児にも適用可能となったことは大きな前進です。インフルエンザは乳幼児に発症すると重症化のリスクが高いこともあり、安全に投与できる選択肢が増えたことは、家族にとっても安心材料と言えるでしょう。
ゾフルーザ顆粒2%分包の用法・用量(一例)
- 体重10kg未満:適切な量の顆粒分包を投与
- 体重20kg以上40kg未満:20mg錠1錠または顆粒2包
- 体重40kg以上80kg未満:20mg錠2錠または顆粒4包
- 体重80kg以上:20mg錠4錠または顆粒8包
このように、患者一人ひとりの体格に合わせたきめ細やかな治療が可能となっています。
新たな治療選択肢による社会的意義
インフルエンザは毎年多くの人が罹患する感染症で、特に小児や高齢者の重症化予防が重要視されています。ゾフルーザ顆粒2%分包の登場によって、小児にも服用しやすい治療方法が追加されたことは、インフルエンザの流行抑制や早期回復の促進につながると考えられています。
加えて、家庭内でのインフルエンザウイルスの伝播リスクを低減する効果も臨床試験で示されており、家族全体の健康維持にも貢献できる薬剤として注目されています。
医療現場の声と今後の展望
医療従事者からは、「錠剤が飲めない子どもにも迷わず処方できる」「体重や年齢に合わせた柔軟な投与が可能になり、治療計画が立てやすくなった」といった肯定的な意見が多く寄せられています。今後は、インフルエンザ治療において家族全体の安心感を高める医薬品として、ゾフルーザ顆粒2%分包の普及が期待されています。
また、塩野義製薬では薬剤耐性についての情報提供や臨床現場での使用報告なども進めており、より安全で効果的なインフルエンザ治療を目指しています。
患者と家族へのメッセージ
インフルエンザは予防や早期治療が大切です。今回発売された「ゾフルーザ顆粒2%分包」は、特に小児でも安心して治療できる新しい選択肢です。発熱や体調不良などの症状があれば、自己判断せず医療機関を受診し、医師と相談の上、適切な治療を受けましょう。
家族みんなが元気で冬を過ごすために、日頃からの手洗い・うがい、十分な睡眠、栄養バランスの取れた食事もぜひ心がけてください。
まとめ
「ゾフルーザ顆粒2%分包」は、現在のインフルエンザ治療において新たな可能性を広げる注目の薬剤です。特に、小児への安全で服用しやすい投与が実現したことは、日本のインフルエンザ対策に大きな進歩をもたらしました。今後も多くの患者さんとご家族の安心を支える医薬品として、医療現場で広く利用されていくことでしょう。


