信越化学工業が2026年3月期第3四半期決算を発表、経常利益は13%減益で着地

化学大手の信越化学工業(東証プライム:4063)は、2026年1月27日に2026年3月期第3四半期(4月~12月)の決算を発表しました。発表によると、第3四半期累計の連結経常利益は5574億円となり、前年同期比で13.5%の減益となっています。

第3四半期の業績概要

信越化学工業の2026年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結経常利益は557,414百万円(約5574億円)に減少しました。この減益は、市場環境の変化や業界全体の需要調整の影響を受けたものとみられます。

しかし、同社の通期計画7000億円に対する進捗率は79.6%に達しており、過去5年間の平均進捗率76.1%を上回る堅調さを見せています。これは、第4四半期(1月~3月)に向けた業績改善の期待感を示唆するものとなっています。

直近3ヶ月の実績と利益率の推移

直近3ヶ月となる2025年10月~12月期(第3四半期単体)の連結経常利益は1900億円で、前年同期比で5.6%の減少にとどまっています。この数字から、減速テンポは緩やかになりつつあることが読み取れます。

一方、売上営業利益率については注視が必要です。直近3ヶ月期間の売上営業利益率は前年同期の26.9%から25.3%に低下しており、収益性の圧縮が進んでいます。この利益率の低下は、製造原価の上昇や販売価格の調整が背景にあると考えられます。

通期見通しと第4四半期の想定

同社は発表した第3四半期累計の実績と据え置いた通期計画に基づき、第4四半期(1月~3月期)の連結経常利益は1425億円に減少すると試算されています。これは前年同期比で19.1%の減益となる見通しです。

通期経常利益の予想は700,000百万円(700億円)で、前回予想から据え置きとなっています。この予想値はIFISコンセンサスを3.7%下回る水準となっており、市場予想よりも慎重なスタンスを保っている状況です。

市場環境と今後の課題

信越化学工業は、化学産業における主要なプレイヤーとして、グローバルな需要動向に左右される立場にあります。本決算における減益傾向は、世界経済の不確実性や特定産業の需要調整を反映しているものと見られます。

ただし、進捗率が過去平均を上回っている点や、直近3ヶ月の減速テンポが緩やかになっている点は、業績の底打ちが近い可能性を示唆しています。第4四半期の結果次第では、2027年3月期に向けた回復基調への転換も期待される状況です。

投資家向けのポイント

本決算において注目すべき点は以下の通りです:

  • 第3四半期累計で通期計画の約8割の進捗を達成している点
  • 直近3ヶ月の減益率が5.6%にとどまり、減速が緩和している点
  • 売上営業利益率の低下傾向に対する経営判断と改善策
  • 通期予想が据え置かれ、見通しの堅調性を示している点

信越化学工業は化学大手として、景気循環型産業の特性を持ちながらも、グローバル展開による安定性を保持しています。今後の決算発表では、第4四半期の業績推移と経営陣による市場見通しコメントがより一層重要になってくるでしょう。

同社の次回の決算発表は、第149期(2026年3月期)通期決算で、2026年4月下旬に予定されています。市場参加者は、それまでの間、化学産業全体の需要動向やドル円相場などの為替変動に注視することが重要です。

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