川越の変化を見つめて——「ペペ」閉店と街のこれから
埼玉県川越市。その象徴的な商業施設である「西武本川越ペペ」が、2026年1月をもって閉店することになりました。多くの市民や訪れる人々に親しまれてきたこの施設が歴史に幕を下ろすのは、多くの人にとって大きなニュースです。でも同時に、それは新しい開店やお店の移転、新たな出会いが生まれるタイミングでもあります。
「西武本川越ペペ」——34年間の歴史に幕
西武本川越ペペは1991年9月5日に開業し、西武新宿線の本川越駅に直結する地元最大級の商業施設として市民の生活に密着してきました。幅広い年代向けのファッションブランド、地域発祥の食品や日用品、飲食、ビューティー、健康関連など多様なニーズに応える約55店舗が入居し、「本川越駅=ペペ」と呼ばれるほど、駅の顔とも言える存在です。
2026年1月(予定)で閉店することは運営会社・西武リアルティソリューションズからも公式発表されています。
- 住所:埼玉県川越市新富町1-22
- 開業:1991年9月5日
- 店舗数:55店舗
- 閉店予定:2026年1月
- 隣接:川越プリンスホテル(営業続行)
閉店理由について運営会社は「老朽化が主因ではない」と説明しつつ、今後は沿線価値の向上や不動産価値の再開発を検討しているとされています。実際、本川越駅を含め、川越駅、川越市駅と、徒歩圏に3駅が密集する川越市の中心地は、近年インバウンド観光客の増加やタワーマンション開発など再注目されています。
閉店を前に、店舗の動きが加速
ペペの閉店が決まった今、館内店舗の一部はすでに移転や閉店の動きが始まっています。2025年9月時点で、1階で営業していた時計修理の「五十君商店(いぎみしょうてん)」がクレアモール沿いに移転したことが報じられました。移転先はかつて「ヤマト運輸」があったスペースです。
- 五十君商店 本川越店:2025年8月31日でペペ内の営業終了。9月以降はクレアモールへ移転。
- テナント撤退とともに、ペペ館内には営業中の店舗数も徐々に減少し、現地での看板も少なくなってきました。
これにより、今後もペペ閉店までさまざまな店舗が移転や新展開を発表していくと予想され、クレアモール沿いをはじめ川越中心市街地での新しい店舗の誕生や再編が加速していくことでしょう。
クレアモール、東松山に続く「歴史あるお店」の新たな船出
注目すべきは、川越駅前から続くクレアモール商店街の活況です。今回、長年地元に根付いてきた店舗(20年以上の歴史を持つお店)がクレアモールから東松山へと移転したというニュースも届いています。
新天地として東松山を選んだ背景には、地元顧客の新たなニーズへの対応や、少し落ち着いた環境の中で再スタートしたいという思いがあるようです。移転先の店舗ではこれまでと変わらぬサービスに加え、新地元向けの限定メニューや商品を展開していることも特徴です。
- 長年愛されたお店の移転:単なる閉店ではなく、新しいチャレンジとして積極的な移転・新規開店が目立っています。
- 移転理由の多様化:顧客層拡大/家賃・立地/街の再開発など、さまざまな理由で「歴史あるお店」たちは新たな地へ。
こうした動きは、川越の老舗や地域密着型店舗が「守り」から「攻め」へと姿勢を転換し、新鮮な空気をまちにもたらしている証です。
美容・健康を支える川越の専門店特集
一方で、川越市内の美容・健康系の専門店も進化を続けています。「編集工房水夢」のレポートをベースに、注目のサービスや取り組みをご紹介します。
- 日常に寄り添うサービス:ヘッドスパ専門店やオリジナル枕の専門店など、お客様一人ひとりに合わせたカウンセリングやオーダーメイドが人気。
- 店舗の個性化:自社ブランドの商品開発、地域食材を活用した健康ドリンク、マッサージやリラクゼーション技術の磨き上げなど。
- 地域連携:飲食店や雑貨店、医療福祉事業者と連携し、健康づくりイベントや情報発信にも積極的。
たとえば、ペペ内唯一の「まくらぼ 川越店」は、オーダーメイド枕による快眠サポートを続け、移転あるいは新たな地で再スタートする予定とも言われています。専門店ならではの「お客様の声を直接聞ける」距離感は、これからも川越のまちの魅力の一つとして残り続けるでしょう。
「閉店」がもたらす、まちへの新しい可能性
今回の西武本川越ペペ閉店や、商店街店舗の新たな動きは、一見すると「川越から馴染みの風景が消えゆく」ように感じられます。しかし、実際には既存の店舗や新規参入店舗が、変化の波に柔軟に応じながら、生活者にとってより良いサービス・場所を作り出そうと工夫を凝らし始めています。
- 閉店跡地の再開発が地元経済・暮らしをさらに活性化する可能性
- 移転・新規開店による商店街や周辺エリアの魅力向上
- 歴史と革新が交差する川越らしいまちづくり
寂しさだけでなく、「新しい川越が始まる」予感とワクワクもまた、今、まちを歩いて感じられる空気なのです。
まとめ:これからの川越はどう変わる?
本川越の象徴「ペペ」閉店のニュースは、確かに大きな変化となります。一方で、その変化を受けて、川越のまちは—クレアモールを中心に新しいお店が生まれ、老舗が挑戦し、美容・健康分野では地域密着のサービスも進化しています。
「まちづくり」を支えるのは、建物だけでなく、店舗とお客さん、そして地域に関わる一人ひとりの想いです。変化のきっかけとなる今、川越に「行きたい」「住みたい」と思う理由が、きっとまた新たに生まれていくことでしょう。