SBI新生銀行とトリニティ・テクノロジー──高齢者支援の新時代、「おひさぽ」による安心の提供

2025年9月1日、金融業界に新たな動きがありました。株式会社SBI新生銀行とトリニティ・テクノロジー株式会社が、おひとりさま高齢者向け支援サービス「おひさぽ」に関する業務提携を締結したのです。本記事では、この提携の背景や内容、そしてSBI新生銀行が描く今後のビジョンまで、分かりやすく丁寧に解説します。

「おひさぽ」とは何か?

まず、「おひさぽ」というサービスの概要から見ていきましょう。「おひさぽ」とは、高齢者の方が安心して暮らし続けられるように、家族の代わりとなって生活支援・財産管理・終身サポートを提供するサービスです。近年、「おひとりさま」と呼ばれる独居高齢者が増加し、生活上の不安や悩みを抱える方が少なくありません。トリニティ・テクノロジー株式会社は、そんな人々に寄り添い、<ずっと安心>な生活を実現することを目指し、全国20行以上の金融機関と連携しながら「おひさぽ」を展開してきました。

SBI新生銀行とトリニティ・テクノロジーの業務提携

  • 2025年9月1日、株式会社SBI新生銀行(代表取締役社長:川島克哉)
    トリニティ・テクノロジーが、「おひさぽ」を正式に業務提携サービスとして提供開始。
  • これにより、金融サービスと高齢者支援がシームレスに連携し、おひとりさま高齢者の生活全般のサポート体制が一層強化されました。

背景には日本の急速な高齢化と、「家族信託」の利用が難しい独居高齢者の増加があります。SBI新生銀行は、従来の金融機能に加え、相続・財産管理やコンサルティングを強化することで、より幅広いニーズに対応しようとしています。

業務提携の詳細──なぜSBI新生銀行なのか

SBI新生銀行は、伝統的な銀行の枠を越え、ノンバンクの機能も合わせ持つ「ハイブリッドな総合金融グループ」として知られています。単なる預金・融資だけでなく、相続、資産管理、コンサルティングサービスなど、高齢者を中心とした多様な顧客層のライフプラン全体をサポートする方向へと進化しています。

今回の業務提携により、「おひさぽ」の要となる3つの側面が強調されます。

  • 生活支援:急病やトラブル時の駆けつけ対応、買い物や日々の見守りなど。
  • 財産管理・手続き代行:本人に代わっての金融機関手続き、年金受取確認、支払い代行・確認など。
  • 終身サポート:生前の意思決定サポート、万一の際の葬儀や遺品整理、死後事務手続きなど。

これらの業務を、SBI新生銀行の高度な金融サービスと連携させることで、お客様にとっての「安心のインフラ」を構築します。

超高齢社会と独居高齢者の現状

日本は今、世界でも類を見ない速さで高齢化が進んでいます。

  • 65歳以上の人口はすでに総人口の約30%に迫り、2040年頃には4人に1人が75歳以上になると推計されています。
  • 「おひとりさま」高齢者が増加し、都市部を中心に家族の支援を得づらい人も多く存在します。
  • 財産の管理や相続が複雑化する一方、身寄りがなくても本人らしく生き、最期まで尊厳ある暮らしを実現したいというニーズが強まっています。

「おひさぽ」はこうした“おひとりさま高齢者”の不安・孤立感に対し、伴走型の生活サポートを提供することで、多様化する高齢世代の生き方に合わせた新しいセーフティネットを実現しています。

業務提携の社会的意義

今回の提携が生み出す主な社会的価値は次の通りです。

  • 社会的な孤立防止への貢献
  • 高齢者の持続的な地域生活の支援
  • トラブルや不安の未然防止──金融機関の相談窓口を活用しやすくなることで、詐欺や金銭的なトラブルを防ぎます。
  • 終活・相続の専門的支援──安心して資産承継や死後事務を任せられる体制を全国規模で整備。

特に重要なのは、高齢者が“自分らしく最後まで暮らせる社会”への礎を築くことです。金融機関のネットワークを生かした支援モデルは、行政単位では対応が難しい部分まで幅広くカバーします。

SBI新生銀行の「第4のメガバンク構想」への布石

業界全体に目を向けると、SBIグループは「第4のメガバンク」を目指し、新生銀行を中心に地銀との連携を急拡大させています。すでに全国で10行以上の地方銀行を傘下・提携し、“怪物銀行”と呼ばれる規模に成長。しかし規模の追求だけでなく、サービスの質や利用者目線の新たな金融商品開発にも力を入れています。

  • デジタル技術やAIを活用したサービス展開
  • 金融×福祉の融合──単なる金融取引だけにとどまらない、生活まるごとのサポート
  • 地域や個人にきめ細かくカスタマイズされたプラン提供

つまり、今回の「おひさぽ」導入は、SBI新生銀行およびSBIグループが今後進めていく「金融の未来像」を体現する象徴的プロジェクトといえるでしょう。

当事者や業界からの声

トリニティ・テクノロジー株式会社 代表取締役CEOの磨和寛氏は、今回の提携に対し、「家族信託の『おやとこ』に続き、『おひさぽ』でも業務提携を実現できたのは心強い。SBI新生銀行の金融グループとしての総合的な機能を活かし、今後ますます多様な高齢者の生活課題解決に貢献したい」とコメントしています。

提携銀行ネットワークの拡大により、「おひさぽ」を通じて一人でも多くの高齢者がずっと安心、安全な暮らしを享受できる時代が期待されています。

今後の展開と読者へのメッセージ

高齢社会の進行と共に、金融機関と高齢者支援事業者のパートナーシップは今後ますます重要性を増すと見られます。特にSBI新生銀行が主導するような「金融×福祉」のスマートな融合モデルは、今後のスタンダードとなる可能性が高いでしょう。

もし身近に「おひとりさま」となった高齢の方がいらっしゃれば、「おひさぽ」のようなサービスを知っておくことは大きな安心につながります。金融サービスの活用にとどまらず、人生のさまざまな局面で“ずっと寄り添う存在”を選択肢として持つことが、これからの時代にますます求められています。

まとめ

本記事では、SBI新生銀行とトリニティ・テクノロジーによる「おひさぽ」業務提携の内容や社会的役割、今後の金融業界と高齢者支援の動向について分かりやすくお伝えしました。超高齢社会を生きる私たちにとって、今回の提携は安心の社会インフラの大きな一歩となりそうです。

参考元