SBI新生銀行が東京証券取引所の上場承認を取得、約4000億円規模のIPOが決定
日本市場における2025年最大級のIPO案件として期待されていたSBI新生銀行が、東京証券取引所の上場承認を取得しました。11月12日に発表されたこのニュースは、金融業界と投資家から大きな注目を集めています。
SBI新生銀行は、2023年9月にSBIホールディングス傘下に入ったことで上場廃止となった後、約2年間の非公開期間を経ての再上場となります。今回のIPO規模は約4000億円と見込まれており、国内募集の発行総額は約1281億円とされています。
IPOの背景と経緯
SBI新生銀行は、2025年7月に株式上場申請を行い、その後の審査を経て今回の承認に至りました。親会社のSBIホールディングスは2021年12月に新生銀行の約5割の株式を取得し、その後経営統合を進めてきました。
非公開期間中、SBI新生銀行は構造改革と経営の効率化を進めてきたとされています。特に公的資金の返済完了が上場実現の重要な条件となっており、今回の上場により残存する公的資金の返済も加速するものと予想されます。
時価総額と企業価値の評価
今回のIPOに伴う想定時価総額は1.5兆円規模と報じられており、2023年9月に上場廃止となった際の時価総額(約5,600億円)から大幅に増加しています。この大幅な増加は、SBIグループによる経営改善とシナジー効果の実現が市場で高く評価されていることを示唆しています。
投資家の関心は、このバリュエーション水準が妥当かどうかという点に集中しています。特に注目されているのは、旧新生銀行が抱えていた「PBR(株価純資産倍率)0.5倍の呪縛」から脱却し、メガバンク並みの「PBR0.8倍~1.0倍」の水準を市場に納得させられるかという課題です。
SBIシナジーと成長戦略
SBI新生銀行の再上場は、単なる株式公開ではなく、SBIグループ全体の金融統合戦略の重要な一環と位置づけられています。非公開期間中に推進された「解体的新生」により、資産圧縮と構造改革が進められ、同時にSBIグループとの連携による収益源の多様化も図られました。
特に重要なのは、ROE(自己資本利益率)の持続的改善です。上場後の株価パフォーマンスは、こうした経営指標の改善がどの程度実現されるかに大きく左右されることが予想されます。
市場への影響と投資家の期待
SBI新生銀行のIPOは、日本銀行界における大型案件として位置づけられ、上場時には大きな市場評価が見られるものと予想されます。同時に、今回のIPOは日本経済全体の回復基調を示すシグナルとしても受け止められています。
IPO引受主幹事については、複数の大手証券会社が携わるものと見込まれており、上場に向けた準備が着々と進められています。個人投資家の間では、IPO抽選での当選を目指す動きや、上場後の株価推移を注視する関心が高まっています。
今後のスケジュール
SBI新生銀行の上場時期については、2025年12月中旬が想定されています。東京証券取引所の上場承認取得により、この計画が大きく前進したことになります。上場に向けた最終準備が現在進行中であり、プロスペクタス(目論見書)の作成や投資家向けのロードショーなどが予定されています。
今回の上場承認は、日本金融市場における重要なマイルストーンとなるとともに、SBIホールディングスの経営戦略における大きな成果を示すものです。投資家、金融業界、そして日本経済全体から、その動向が注視されることになるでしょう。
まとめ
SBI新生銀行のIPO承認取得は、日本市場における大型案件の実現を意味しており、12月中旬の上場を控えて市場の期待が高まっています。約4000億円のIPO規模と1.5兆円の想定時価総額は、SBIグループの経営改革による企業価値向上を反映したものであり、金融業界全体の活性化にも寄与するものと期待されています。



