札幌のビル開発がクライマックスへ オフィス床供給は今後5年で6万坪、今世紀最大級に

北海道の中心都市・札幌では、現在、かつてないほどの規模での再開発プロジェクトが進行中です。札幌市が推進する「第2次都心まちづくり計画」により、札幌駅周辺から大通エリアにかけて、複数の大型ビルプロジェクトが同時進行しており、今後5年間で大量のオフィス床が供給されることになります。2038年度の北海道新幹線札幌開業や冬季オリンピック・パラリンピックの招致を見据えた、今世紀最大級の都市再開発として、業界からも大きな注目を集めています。

札幌駅周辺で次々と誕生する超高層ビル

札幌駅周辺エリアでは、複数の大型再開発プロジェクトが予定されています。その中でも特に注目されるのが、駅南口前の「北4西3地区第一種市街地再開発事業」です。地上43階、地下4階の超高層オフィスビルが2028年度の竣工を予定しており、延べ床面積は約388,500㎡に達します。このビルは2029年秋の供用開始を予定しており、札幌の都心部の景観を大きく変える存在となるでしょう。

一方、札幌駅北側エリアでも開発が進んでいます。「アーバンネット札幌リンクタワー」は地上35階、地下6階の規模で、2028年度竣工予定です。延べ床面積は約210,200㎡で、オフィスと商業施設を備える複合施設として計画されています。これらのビルは地下鉄やJRの各駅と直結する交通利便性の高い立地にあり、多くの企業の関心を集めています。

大通エリアの再開発も本格化

札幌の中心地である大通エリアでも、大規模な再開発プロジェクトが進んでいます。その筆頭が「大通西4南地区第一種市街地再開発事業」です。2025年10月1日に起工式を執り行い、新築工事が着工されたこのプロジェクトは、2029年8月の竣工を予定しており、地上36階、地下3階、最高高さ約185mの規模で計画されています。

このプロジェクトの特徴は、単なるオフィスビルではなく、商業・業務・交流機能に加えて、国際的なラグジュアリーホテル「パーク ハイアット 札幌」の導入が予定されている点です。ハイアット ホテルズ コーポレーションのラグジュアリー・ポートフォリオに属する同ホテルは、札幌の国際競争力を大きく高めるものとして期待されています。延べ床面積は約99,800㎡で、大通以南初となるエネルギーセンターも整備される予定です。

2026年に竣工を迎える複数のプロジェクト

再開発の波は2026年の竣工予定のプロジェクトにも及んでいます。大通駅北側エリアでは、複数のビルが2026年中に竣工予定となっています。地上26階、地下2階のビルは2月竣工予定で、延べ床面積約60,916㎡の規模です。また、「S-BUILDING 札幌大通北」は2月竣工予定、地上8階、地下1階の建物として計画されています。

さらに、地上8階・地下1階、延べ床面積約6,228㎡のビルは2026年10月竣工予定であり、地上9階、延べ床面積約1,802㎡のビルは2026年8月竣工予定と、複数の中規模ビルも同時期に完成予定です。これらは西11丁目駅や大通駅、札幌駅へのアクセスに優れた立地条件を備えており、オフィス需要の堅調さを反映しています。

2027年から2029年にかけての大型プロジェクト

中期的には、2027年から2029年にかけてのプロジェクトが札幌の再開発の完成へ向けて重要な役割を果たします。大通駅南側エリアの「札幌ダイビル再開発プロジェクト」は2027年4月竣工予定で、地上19階・地下2階、延べ床面積約42,000㎡の規模で計画されており、商業施設とオフィスが統合された複合施設となります。

これらの複数の大型プロジェクトが時系列で完成していくことで、札幌の都心部は大量のオフィス床を獲得することになります。今後5年間での新規オフィス床供給が6万坪規模に達するとされており、これは札幌の経済圏の拡大と産業集積の強化を意味しています。

札幌駅前にも最新施設が誕生

すでに完成している施設としては、ヒューリックが開発した「HULIC SQUARE SAPPORO」が2025年9月に竣工しています。地上20階・地下1階建てで、商業施設、オフィス、ホテルを備える大型複合施設であり、同社グループ直営の「ザ・ゲートホテル札幌 by HULIC」が2025年12月20日に開業予定です。JR札幌駅前という最高の立地条件にあり、地下鉄さっぽろ駅や「チ・カ・ホ」との直結など、交通利便性が極めて高いことが特徴です。

オフィス市場の活況と企業誘致効果

これだけの規模でのオフィス床供給が進む背景には、札幌の経済的ポテンシャルの高まりがあります。2038年度の北海道新幹線札幌開業により、札幌は首都圏との時間距離が大幅に短縮されることになり、企業の進出やオフィス需要が増加することが見込まれています。また、冬季オリンピック・パラリンピックの招致活動も、札幌の国際的な認知度向上に貢献しており、国際企業や大規模企業の誘致にも有利に働いています。

こうしたビル開発の活況は、単なる不動産投資としての側面だけでなく、札幌の都市競争力の強化と経済圏の拡大を意味しています。多くの企業がこれらの新しいオフィスを選択することで、札幌への人材流入や産業集積が進み、地域経済全体の成長へとつながることが期待されています。

今後の札幌の展望

札幌市では、これらのビル開発プロジェクトを通じて、人々を惹きつける場づくりを推進しており、札幌の都市としての機能と魅力の大幅な向上を目指しています。2026年から2029年にかけて続々と竣工するこれらのビルは、札幌の都心部の景観を劇的に変えることになるでしょう。

オフィス床の大量供給により、札幌への企業進出がさらに加速することが見込まれます。これにより、雇用の創出、人口の流入、地域経済の活性化などの好循環が生まれることが期待されており、札幌が北海道経済の中核都市として、さらなる発展を遂げる可能性が高まっています。今後5年間は、札幌の都市発展にとって極めて重要な時期となるのです。

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