さくらインターネット、クラウド学習を無償支援「さくらのクラウド検定ラボ」を12月1日より開設

デジタルインフラサービスを提供するさくらインターネット株式会社は、クラウドサービスの学習環境を1か月間無償で利用できる学習支援プログラム「さくらのクラウド検定ラボ」を、2025年12月1日より開設すると発表しました。このプログラムは、これまでクラウド技術を学ぶ際の高いハードルを取り払い、学生を含むより多くの人々がクラウドに触れて学べる環境を提供することを目的としています。

クラウド学習の新たな形「さくらのクラウド検定ラボ」とは

「さくらのクラウド検定ラボ」は、クラウドサービスの設計・構築・運用に関する知識を体系的に学び、DX推進に貢献できる人材を育成することを目的とした認定制度「さくらのクラウド検定」の学習支援プログラムとして開設されます。毎月約50名を対象に、「さくらのクラウド」の学習用環境を1か月間完全に無償で提供し、実際のクラウド操作を通じた実践的な学習を可能にしています。

これまで、クラウドサービスを学ぶ際には「実際に触れる機会が少ない」「試すにはハードルが高い」といった課題が指摘されていました。特に学生や経済的に余裕のない個人学習者にとって、本格的なクラウド環境を触れることは困難でした。さくらインターネットはこうした要望に応える形で、本プログラムを開設することを決定しました。

実務に近い環境での学習が可能

本プログラムの特徴は、座学だけではなく、実際に「さくらのクラウド」を使いながら学習できる点にあります。参加者は学習過程で、サーバー構築や冗長構成など、実運用に近い設定を取り入れたインフラ環境の動作を試すことができます。これにより、クラウドの理論的知識だけでなく、実践的なスキルを同時に習得することが可能です。

さらに、他社のクラウドサービスを利用している人にとっても、「さくらのクラウド」ならではの操作感や構成の自由度を体験できる貴重な機会となります。座学だけでは得られない、実際に動かして学ぶ体験を通じて、より深い理解が得られるでしょう。

利用のハードルが低く、学生・未成年者も対象

本プログラムの大きな特徴の一つが、利用のハードルの低さです。クレジットカードの登録が不要であり、さくらインターネットの会員IDさえ持っていれば誰でも申し込むことができます。特に学生や未成年者にも利用しやすい設計になっており、経済的な制約を受けることなくクラウド技術を学べる環境が実現しました。

利用条件は非常にシンプルで、以下の3点を満たしていることが求められます:個人利用であること、さくらインターネットのIDを所持していること、そして最新のシラバスに基づく「さくらのクラウド検定」の合格を目指して学習していることです。これらの条件さえ満たせば、年齢や職業を問わず誰もがこのプログラムを利用することができます。

申し込み方法と利用開始日について

「さくらのクラウド検定ラボ」の申し込みは、2025年12月1日(月)の12時より開始されます。申し込みは「さくらのクラウド検定」の公式サイトで受け付けられます。利用開始日は毎月1日または15日から選択でき、初回の提供は12月15日に開始される予定です。

1か月間の無償提供期間は十分な学習時間を確保できるように設計されています。さくらのクラウド検定に合格するために必要な勉強時間の目安が25~30時間程度とされていることを踏まえると、1か月あれば多くの学習者が十分な学習を進めることができるでしょう。

「さくらのクラウド検定」について

「さくらのクラウド検定」は、経済産業省・IPAが策定したスキル標準に準拠し、IPAの審査を通過した講座のみが掲載される、信頼性の高い認定制度です。難易度は情報処理技術者試験のITパスポートよりもやや難しいレベルとなっており、クラウド技術の基礎から応用までを幅広くカバーしています。

当初は基礎的な検定1つを提供する予定ですが、将来的にはより専門的な検定も導入される可能性があります。また、認定に有効期限は設けられていませんが、シラバスのバージョンに応じて認定が行われます。シラバスが更新された際には、再受検の負担を軽減するためのアップデート試験が実施されるため、常に最新の知識を確認できるしくみになっています。

対象者と学習への活用

本プログラムの対象者は、ITインフラの初心者、さくらのクラウドの利用を検討している方、または既に利用している方でさらに技術を深めたい方となっています。企業の従業員だけではなく、学生にも受検が奨励されています。

特に、これからのDX時代において、クラウド技術の基礎知識を持つ人材の育成は急務です。さくらインターネットは本プログラムを通じて、そうした人材育成に貢献しようとしています。学生のうちからクラウド技術に触れることで、将来のキャリア形成に大きなメリットをもたらすでしょう。

実運用に近い環境での実践的な学び

提供される学習用環境は、一部機能制限とリソースの作成上限が設定されているものの、実運用に近い設定が取り入れられています。これにより、実務で必要とされる知識やスキルを効率的に習得することができます。単なる理論的な学習ではなく、実際の業務で直結する実践的な経験が得られる点が、本プログラムの大きな利点です。

クラウド技術教育の民主化

今回のプログラム開設は、クラウド技術教育の民主化を象徴する取り組みです。これまで、クラウドサービスを実際に試すには相応のコストが必要でしたが、このプログラムによってそのハードルが大きく下げられました。経済的な理由でクラウド学習を諦めていた学生や個人学習者にとって、大きな追い風となるでしょう。

さくらインターネットのこのような取り組みは、日本全体のクラウド人材育成に貢献し、DX推進の加速につながることが期待されています。誰もがクラウドに触れて学べる環境が実現することで、より多くの優秀な人材がクラウド技術を習得し、日本のデジタル競争力の強化につながるでしょう。

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