第79回赤い羽根共同募金全国一斉スタート~キャッシュレス時代の新たな福祉支援~
2025年10月1日、全国各地で「赤い羽根共同募金運動」が一斉にスタートしました。今年で第79回を迎えるこの募金活動は、地域福祉や子ども・高齢者支援など、さまざまな分野で困難に直面する人々を支える大切な取り組みとして日本全国で根付いています。
今年の赤い羽根では、時代の変化に合わせた新しい募金のかたちが話題となっています。特に注目されているのは「キャッシュレス募金」の導入です。スマートフォンや電子マネーを使った募金も可能となり、より多くの人が気軽に福祉活動を支えることができるようになりました。
赤い羽根共同募金運動とは?
赤い羽根共同募金は、戦後間もない昭和22年から「じぶんの町を良くするしくみ」として続けられてきた民間による福祉活動のための募金運動です。各地域の社会福祉協議会やボランティア団体、子ども食堂、障がい者支援施設など、身近な団体が必要とする資金を地域の皆さんから集め、地元に還元するしくみが特徴です。
- 街頭募金や募金箱設置による寄付
- 自治会・町内会を通じての募金
- キャッシュレス募金(スマートフォン・電子マネー等)
この運動期間は、2025年10月1日(水)から12月26日(金)までとなっています。期間中は各地で様々なイベントやキャンペーンが実施され、福祉の現場で活躍する方々や地域住民との交流も活発に行われます。
話題のキックオフイベント~著名人とともに街頭募金
東京都台東区・浅草寺では、赤い羽根共同募金会が主催するキックオフイベントが盛大に開催されました。NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』出演俳優前野朋哉さん、大相撲九月場所技能賞受賞の安青錦関など、多数の著名人をゲストに迎え、地域のこども食堂や支援団体とペアになって街頭募金を実施しました。子どもたちやボランティアのみなさんが元気に参加する姿に、多くの人が足を止め、福祉活動への関心を寄せる姿が見られました。
全国に広がる支援の輪~各地の様子
今年の赤い羽根共同募金は、全国津々浦々で地域の特色を生かした活動が展開されています。例えば、新千歳空港では「赤い羽根」第一便の到着を記念し、空港内で伝達式が行われました。また、新潟市西蒲区のかたひがしこども園では、園児たちも参加する開始セレモニーが開催されるなど、子どもたちが社会参加するきっかけづくりとしても注目されています。
- 兵庫県:街頭募金とキャッシュレス募金の両立による広範な協力呼びかけ
- 福島県会津地方:地元スーパー7店舗で小中高校生がボランティア参加。親子での募金活動が地域全体の連帯感につながっている
- 東京都町田市:駅前・ショッピングモールでの街頭募金、自治会経由や郵便振込、PayPay対応など多様な寄付方法が浸透
各地域の募金は、そのまま地元に還元され、「地域福祉向上」「孤独や経済的困窮へ寄り添う支援」「地域住民による見守り活動」など、多岐に渡って活用されています。地域ごとに使途や寄付目標も定められ、町内会・自治会など、地元密着型の運営も大きな特徴です。
今、なぜ「キャッシュレス募金」が注目されているのか?
従来の街頭募金や現金寄付に加え、スマートフォンアプリや電子マネーを活用した「キャッシュレス募金」が急速に拡大しつつあります。
PayPayなどのQRコード決済を使った寄付やオンライン決済は、「現金を持ち歩かない」ライフスタイルにフィットし、若い世代や忙しい人々にも気軽な福祉参加を提供しています。また、募金の透明性向上、寄付の流れが分かりやすい、ポイント還元を活用した寄付促進など、現代ならではのメリットもあります。
- 街頭募金所に「キャッシュレスQRコード」設置
- インターネットを通じた募金受付
- キャッシュレス決済サービス(PayPay等)での寄付
この変化は、今まで募金に参加できなかった層の参画を促し、支援の輪を広げる重要な役割を果たしています。一方、「募金にお金そのものが不要」の流れには、現場で直接人々と交流する従来型の温かさとの共存が求められています。
募金の使い道~地域の未来を支える力
皆さまから寄せられた募金は、各地域の福祉活動に幅広く活用されます。
- 子ども食堂や学習支援、居場所づくり
- 障がい者や高齢者の生活支援、孤独防止
- 子育て世帯への支援、ひとり親家庭への応援
- 災害時の緊急支援や復興活動
例えば、喜多方市では「子ども・障がい者・高齢者の福祉向上」など、地元のニーズに沿った多彩な事業に活用されています。東京都町田市の場合は、昨年度3,691,166円もの募金が集まり、地域の各種福祉プロジェクトに充てられました。
寄付の使途は公開されており、寄付した人にも結果や成果が伝わるよう配慮されています。福祉への直接的サポートだけでなく、「つながりをたやさない社会づくり」の理念が大切にされています。
参加方法~あなたの力が地域を支える
赤い羽根共同募金への参加方法は、従来の街頭募金だけではありません。生活スタイルや価値観の多様化にあわせて、誰でも気軽に「福祉支援の輪」に参加できるしくみです。
- 街頭募金所で直接寄付する
- 自治会・町内会を通じて寄付する
- 市民センターや福祉協力店の募金箱に寄付する
- 郵便振込やインターネットでの寄付
- スマートフォン、電子マネーでキャッシュレス募金
また、活動に参加するボランティア、自分の地域の福祉団体との協働、イベントの手伝いなど、多様なかたちで誰でも関わることができます。募金の金額が少なくても、「参加すること」「関心を持つこと」自体が、地域福祉の大きな力となります。
赤い羽根共同募金が育むやさしさ~困難とともに生きる社会へ
赤い羽根共同募金運動は、経済的に苦しむ人たちへの支援だけでなく、「人と人が寄り添う社会」の実現を目指しています。私たち自身や身近な人が困難に直面したとき、地域で支え合う文化があることは、心の豊かさに繋がります。
- 「あなたが誰かを支え、誰かがあなたを助ける」つながりの循環
- 子どもたちが社会参加できる温かな経験
- 団体同士の連携による新たな福祉モデルの創出
今年度の赤い羽根共同募金には、各界から多くの応援が寄せられ、地域住民・団体・行政が協力しながら「より良い町づくり」に力を注ぎます。困っている人のために自分のできることを選び、共に歩む社会の実現を一緒に目指しましょう。
最後に~未来へつながるやさしい一歩
赤い羽根共同募金は、長い歴史を持ちながらも常に進化を続けています。キャッシュレス化やイベントの多様化など、時代の変化に合わせた新しい挑戦が、地域福祉をさらに豊かにしています。「小さな善意」が、誰かの大きな力になる――そんな循環を、私たち一人ひとりが支えています。
ぜひあなたも、身近な赤い羽根共同募金運動に参加し、「じぶんの町を良くする」活動の輪の中に加わってみませんか?