PayPayが海外進出を本格化、韓国での利用が9月下旬から開始
日本国内で圧倒的なシェアを誇るQRコード決済サービス「PayPay」が、ついに海外展開に乗り出すことが2025年9月16日に発表されました。第一弾として、9月下旬から韓国でPayPayの各種サービスが利用可能になります。
この海外展開により、日本のユーザーは韓国旅行中でも普段と同じようにPayPayを使用できるようになり、キャッシュレス決済の利便性が大幅に向上することが期待されています。
「海外支払いモード」の新機能
PayPayは今回の海外展開にあたり、「海外支払いモード」という新機能をアプリに追加します。この機能により、これまで日本国内でしか利用できなかったPayPayの主要サービスを、海外でもシームレスに使用することが可能になります。
海外支払いモードでは、決済機能はもちろん、個人間送金や残高チャージなども利用できるため、旅行先での友人同士の割り勘や、急な現金不足の際のチャージなど、様々なシーンで活用できます。
韓国を皮切りに始まる海外展開
PayPayが韓国を最初の海外展開先に選んだ理由として、日本人出国者数ランキングで韓国が1位であることが挙げられています。これは、多くの日本人にとって最も身近な海外旅行先である韓国でのニーズが高いことを反映しています。
韓国でのPayPay利用は、Alipay+加盟店で可能となります。Alipay+は中国のアリババが展開する決済プラットフォームで、アジア各国で広く普及しており、多くの店舗で利用できる環境が整っています。
決済方法と利用環境
海外でのPayPay決済は、日本国内と同様に2つの方式に対応しています。
ストアスキャン方式では、店舗側がPayPayアプリに表示されるバーコードやQRコードを読み取って決済を行います。一方、ユーザースキャン方式では、ユーザーが店舗に設置されたQRコードをPayPayアプリで読み取って支払いを完了させます。
海外での支払い時には、日本円と現地通貨の両方で残高が表示されるため、利用者は常に支払い金額を把握しやすくなっています。また、PayPayアプリ内で為替レートも確認できるため、リアルタイムでの換算率を知ることができます。
ポイント還元と各種機能
特に注目すべき点として、海外での決済でも日本国内と同様にPayPayポイントが付与されることが挙げられます。これにより、海外旅行でのお得感をさらに高めることができ、ユーザーにとって大きなメリットとなります。
さらに、海外利用時でも決済履歴の確認、支払い方法の切り替え、利用可能額の設定など、日本国内と同等の管理機能が提供されます。これにより、海外旅行中でも安心してPayPayを利用できる環境が整えられています。
利用条件と今後の展開
ただし、海外でPayPayを利用するためには、本人確認済み(eKYC済み)のユーザーである必要があります。これは、海外での金融取引におけるセキュリティ要件を満たすための措置と考えられます。
今回の韓国での展開は、PayPayの海外進出における重要な第一歩となります。韓国での実績と経験を積んだ後、他のアジア諸国や欧米への展開も期待されています。特に、日本人観光客の多い台湾、タイ、シンガポールなどへの展開が注目されています。
キャッシュレス決済の国際化
この動きは、日本のキャッシュレス決済サービスが本格的に国際展開に乗り出すという点で、業界にとって画期的な出来事です。これまで日本国内に特化していたPayPayが海外展開を開始することで、日本人の海外旅行における決済体験が大きく改善されることが期待されます。
また、海外でのPayPay利用データは、今後のサービス改善や新機能開発にも活用される見込みです。異なる市場での利用パターンや需要を分析することで、より使いやすく便利なサービスの提供が可能になるでしょう。
利用者への影響と期待
韓国旅行を計画している日本人にとって、この新サービスは大きなメリットをもたらします。従来は現金の両替や現地のカード利用が必要でしたが、普段使い慣れたPayPayで決済できることで、より快適で安心な旅行体験が可能になります。
特に、Language Barrierがある海外での決済において、使い慣れたアプリのインターフェースで支払いができることは、多くの旅行者にとって心強いサポートとなるでしょう。
PayPayの海外展開は、日本のフィンテック企業の国際競争力向上という観点でも重要な意味を持っています。今回の韓国展開が成功すれば、アジア太平洋地域における日本発の決済サービスの地位向上に大きく貢献することが期待されます。