オムロン、2025年4~6月期の決算発表で黒字浮上を達成
オムロン株式会社(証券コード:6645)は2025年8月6日、大引け後に2026年3月期第1四半期(4月~6月)の決算を発表しました。前年同期の赤字から一転、税引き前利益で87億円の黒字を計上し、黒字浮上を果たしたことが話題となっています。
黒字転換の背景と業績の概要
2025年4~6月期の連結業績は、売上高と営業利益が前年同期を上回りました。中でも制御機器事業や電子部品事業が好調で、特に半導体関連の需要回復を着実に捉えたことが収益改善の大きな要因です。一方でヘルスケア事業は前年同期比で大きく減少しましたが、全体として売上は前年同期比で増加しています。
営業利益率は前年同期の3.4%から変わらず3.4%となり横ばいでしたが、構造改革プログラム「NEXT2025」による固定費削減効果も効いています。さらに、前年同期に計上された人員最適化関連の一時費用がなくなったことも、税引前利益の黒字化に寄与しました。一方で、米国の関税政策の影響や将来に向けた開発投資の実施が一部利益を圧迫しています。
通期計画に対する進捗状況
オムロンは2026年3月期通期での税引き前利益目標を535億円(中央値)と設定していますが、第1四半期の85億円はこの計画に対して16.3%の進捗率にとどまり、過去5年平均の29.0%を大きく下回りました。これは通期目標達成に向けて今後の事業動向が重要となることを示しています。
今後の展望と投資家向け説明会
オムロンは2025年8月6日に投資家向け説明会も開催し、詳しい業績解説や今後の成長戦略を説明する予定です。今回発表された第1四半期の結果は、おおむね同社の想定通りに進んだとされていますが、引き続き市場環境や米国関税など外部要因の変化に注意が必要です。
まとめ
- オムロンは2026年3月期第1四半期で税引き前利益87億円の黒字に浮上、前年同期の125億円赤字から大幅改善
- 売上は制御機器・電子部品事業の半導体関連の回復で前年同期比増加、ヘルスケア事業は減少
- 営業利益率は前年同期とほぼ横ばいの3.4%、固定費削減効果が見られる
- 通期税引き前利益535億円計画の進捗は16.3%で、5年平均の29.0%を下回る
- 今後の成長には米国関税影響の対策や開発投資の成果が鍵
今回の決算発表は、オムロンが厳しい経済環境の中で黒字に復帰した点を示しており、株主や投資家にとっては前向きな材料となりました。今後も注目を集める中で、同社の動向に関心が高まっています。