NTTデータ、2025年4〜6月期決算発表 円高の影響で純利益わずかに減少

株式会社NTTデータグループは、2025年4〜6月期(第1四半期)の連結決算を発表しました。売上高は約1兆1043億円、営業利益は577億円と前年同期とほぼ横ばいとなりましたが、純利益は1.0%減少し、金融面での円高進行が利益に影響を及ぼした形です。

売上高・営業利益はほぼ安定 クラウドやセキュリティ分野で受注拡大

売上高は1兆1043億円と、前年同期の1兆1120億円と比べてわずかに減少しましたが、大きな変動はありませんでした。営業利益も577億円で前年の586億円からほぼ横ばいの水準です。この安定した業績は、クラウドサービスや情報セキュリティ関連の受注が着実に積み上がっていることが背景にあります。特にデジタルトランスフォーメーション(DX)需要の高まりを受けて、IT投資は堅調に推移しました。

純利益は円高進行の影響で1%減少

純利益は前年同期比で1%減少しました。これは円高の影響が主な要因で、海外事業の収益が為替差損を被ったためと説明されています。NTTデータは世界各地で事業展開を行っており、特にドルベース収益の円換算時に為替変動リスクが生じています。金融収益が前年から減少し、金融費用も高止まりしている点が利益圧迫に繋がりました。

データセンター事業の成長と投資強化

海外のデータセンター事業は引き続き成長しています。売上高は増加し、営業利益率も上昇。2025年3月期から投資を強化している状況で、新たなデータセンターの拡充に向けて資本を投入しています。EBITDA(税引前、利払い前、償却前利益)は大幅に改善し、事業の収益性向上に貢献しています。

今後の見通しと課題

NTTデータグループは、今後もクラウドやセキュリティ分野の強化を図り、市場での競争力維持に努める方針です。一方で為替相場の変動リスクが依然として利益に影響を与える可能性があり、為替ヘッジの活用や事業ポートフォリオの多様化が課題として挙げられます。上期通期の業績予想は未発表ですが、安定した売上高と収益の維持を目指して経営を進めています。

まとめ

  • NTTデータの2025年4-6月期売上高は約1兆1043億円で前年同期とほぼ同水準
  • 営業利益は577億円で安定、クラウド・セキュリティの受注が堅調
  • 純利益は1%減少、円高進行による為替影響が主因
  • 海外データセンター事業は成長継続、積極的な投資を実施
  • 為替リスク管理と市場競争力の維持が今後の重要課題

NTTデータグループは、日本を代表するITサービス企業として、安定した基盤のもとにDX推進やグローバル事業拡大を進めています。今後も世界情勢や為替動向の変化を注視し、収益基盤の強化に注力していく見込みです。

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