日産「リーフ」3代目が示すEVの未来。ハッチバックからクロスオーバーへの大転換

日産自動車が満を持して発表した第3世代となる新型「リーフ」は、電気自動車市場における日本勢の意地を見せるモデルとなっています。最大の変化は、従来の5ドアハッチバックスタイルからクロスオーバースタイルへの劇的な刷新です。このデザイン変更は単なる外観の改変ではなく、EV性能向上のための戦略的な決断として注目されています。

ボディサイズと取り回し性能の最適化

新型リーフの日本仕様のボディサイズは、全長4,360mm×全幅1,810mm×全高1,550mmとなっています。先代モデルと比較すると、全長は120mm短縮され、全幅は20mm拡大、全高は10mm低下しました。ホイールベースは2,690mmを確保しており、室内の広さを犠牲にすることなく、立体駐車場への対応も実現しています。

注目すべき点は、これらのサイズ最適化により最小回転半径が5.3mに縮小されたことです。従来モデルの16インチ仕様では5.2m、17インチ仕様では5.4mでしたので、より小回りが効く設計になりました。フロント・オーバーハングも1,040mmから840mmへと短縮され、狭い駐車場での取り回しがさらに向上しています。

最新プラットフォームと3-in-1パワートレイン

新型リーフは、「日産アリア」と同じCMF-EVプラットフォームを採用しています。このBEV専用プラットフォームにより、空力性能の大幅な向上と効率的なエネルギーマネジメントが実現されました。

パワートレインでは新開発の3-in-1 EVパワートレインを採用。52kWhと75kWhの2つのバッテリサイズを用意し、52kWh仕様の最高出力は130kW(174HP)、最大トルクは345Nmです。一方、75kWh仕様は最高出力160kW(214HP)、最大トルク355Nmを発生します。新しい高剛性モーターマウントにより、モーターの振動を従来比で75%低減し、高遮音カーペットの採用と合わせて高い静粛性を実現しています。

実用性を高める機能と装備

新型リーフの荷室容量は、北米仕様と日本仕様で最大420L、欧州仕様では437Lを確保しています。後部座席を立てた状態でもこの容量を保持できるため、ゴルフバッグなど大型荷物の積載も容易です。一部の仕様ではルーフレールも装備され、クロスバーの装着も可能になっています。

注目の機能として、米国仕様には「V2L(Vehicle-to-Load)」機能が備わります。室内と荷室にそれぞれ120Vのコンセントが搭載され、合計最大1,500Wの電力を利用できます。これにより、外出先での電源確保が可能になり、EVの実用性が大きく向上します。

さらに、19インチのアルミホイールとパノラミックガラスルーフを電気自動車として初めて採用。電子調光式ガラスルーフにより、後席でも十分なヘッドクリアランスが確保されています。

充電インフラとネットワークの拡大

北米仕様車にはNACS充電ポートが搭載され、日産のEVとして初めてテスラスーパーチャージャーネットワークへのアクセスが可能になります。これは充電インフラの利便性を大きく高める施策です。一方、日本仕様ではチャデモ、欧州仕様ではCCS規格の急速充電に対応しています。

ボディ剛性と走行性能の向上

ボディ剛性の向上により、横方向の剛性は従来モデル比で66%向上しました。この改善は、走行安定性と乗り心地に直結する重要な要素です。Cd値(空力係数)も0.26を実現し、ガソリン車並みの空力性能により、航続距離の大幅な改善が見込まれています。

日本市場での展開と販売予定

新型リーフの生産は、日本の栃木工場とイギリスのサンダーランド工場で行われます。北米市場では2025年秋の販売開始が予定されており、その後各地域で順次展開される予定です。

日本仕様では、78kWhバッテリを搭載した「B7 X」「B7 G」グレードの受注が2025年10月17日に開始され、デリバリーは2026年2月ごろを予定していました。価格は「B7 X」が518万8,700円、「B7 G」が599万9,400円です。

EV市場における日産の反撃

新型リーフは、電気自動車市場で日本勢が存在感を示すための重要なモデルとなります。ハッチバックからクロスオーバーへのスタイル転換は、世界的なSUV・クロスオーバーニーズに対応した戦略です。同時に、ほぼすべての性能が向上した量産EV先駆者として、市場での競争力を大きく高めています。

往復600kmのロングドライブにも対応する実用性、V2L機能による新しいライフスタイルへの対応、テスラネットワークへのアクセスなど、新型リーフは実用面でも先進面でも大きな進化を遂げています。日本が誇るEVの代表モデルとして、これからの市場拡大が期待されるモデルと言えるでしょう。

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