日産、北米初のPHEV「ローグ プラグインハイブリッド」を発表! 三菱「アウトランダー」のOEMで2026年初頭に米国発売

2025年11月17日(現地時間)、日産自動車の北米法人は、北米市場で日産初となるプラグインハイブリッド車「ローグ プラグインハイブリッド」を発表しました。このモデルは、2025年11月21日から30日まで開催されるロサンゼルスモーターショー2025で一般公開され、2026年初頭から米国で販売される予定です。このニュースは、日産の電動化戦略と北米市場への本格的なアプローチを象徴するものとして、大きな注目を集めています。

三菱「アウトランダーPHEV」のOEMモデルとして登場

「ローグ プラグインハイブリッド」は、三菱自動車の「アウトランダーPHEV」をベースにしたOEM(他社製品を自社ブランドで販売)モデルです。日産と三菱はアライアンスを組んでおり、今回のモデルはその協力体制の成果として注目されています。日産は、このモデルを「Re:Nissan」再建計画の一環として位置づけており、電動化モデルの製品ラインアップ拡充に貢献するとされています。

「アウトランダーPHEV」は、日本や欧州市場で長年にわたり高い評価を得てきたモデルです。その信頼性と実績を活かし、日産は北米市場向けに「ローグ プラグインハイブリッド」としてリブランディングしました。デザインは日産らしいテイストに仕上げられており、グリルやフロントフェイスなどに「漆黒ネコヒゲ」グリルを採用するなど、重厚感をアップさせています。

スペックと性能

「ローグ プラグインハイブリッド」は、2つの電気モーター、20kWhリチウムイオンバッテリー、2.4リッターガソリンエンジンを組み合わせたシステムを搭載しています。このシステムは、モーターとガソリンエンジンの出力をシームレスに融合させ、ドライバーの要求に応じた効率的なパフォーマンスを実現します。

  • システム総出力:248馬力(185kW)
  • システム総トルク:332lb-ft(450Nm)
  • バッテリー容量:20kWh
  • EVモード航続距離:最大38マイル(約61km)
  • 総航続距離:最大420マイル(約676km)
  • 燃費:最大64MPGe(高速道路)

バッテリーの充電は、レベル2の家庭用充電設備により約7.5時間で満充電することが可能です。システム出力は、最高出力248hp、最大トルク322lb-ftを発揮し、ガソリンモデルの「ローグ」(日本名:「エクストレイル」)よりも速い加速を実現しています。

実用性と使い勝手

「ローグ プラグインハイブリッド」は、2列目がスライド、リクライニング、前倒し可能で3列目へのアクセスが容易な、7人乗りの3列シートを設定しています。レジャーやファミリーユースを想定し設計されており、荷室も柔軟性に優れています。3列目を格納するとゴルフバッグ4個を収納でき、背の高い室内によってマウンテンバイクも楽に積載可能です。

最大420マイルの総航続距離、7人乗りの実用性、標準AWDという特徴は、アメリカの大陸的な使用環境と大家族文化にマッチしています。日常の通勤は電気で、週末の遠出はガソリンエンジンの安心感という、PHEVならではの柔軟性が最大の魅力です。

価格とグレード

日産は正式な価格を発表していませんが、ベースとなる三菱「アウトランダーPHEV」が40,445ドル(税・諸費用別)からスタートすることを考慮すると、ローグPHEVも同等かやや高めの40,000〜48,000ドルのレンジになると予想されています。グレードは「SL」と「プラチナム」の2種類を設定しています。

日本市場への導入可能性

現行の日産「エクストレイル」(日本名)にはe-POWERハイブリッドが設定されていますが、プラグインハイブリッドモデルは存在しません。ローグPHEVが日本市場に「エクストレイル PHEV」として導入される可能性はありますが、現時点では不透明です。日産の米国市場におけるPHEV戦略の第一歩として重要な意義を持ちます。

まとめ

日産が北米初のPHEV「ローグ プラグインハイブリッド」を発表し、三菱「アウトランダーPHEV」のOEMモデルとして2026年初頭に米国で販売開始する予定です。このモデルは、日産の電動化戦略と北米市場への本格的なアプローチを象徴するものとして、大きな注目を集めています。実用性と使い勝手、そしてPHEVならではの柔軟性が最大の魅力です。

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