任天堂、2025年4-9月期決算発表――好調な業績とスイッチ2の躍進
2025年11月4日、任天堂株式会社は2026年3月期第2四半期(2025年4月~9月)の決算を発表し、市場から大きな注目を集めました。今期は経常利益の大幅な上方修正、年間配当の増額、そして新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ2」の販売好調が際立った内容となっています。
売上・利益の伸長――急拡大を示す数字
- 売上高:前年同期比110.1%増の1兆995億円
 - 営業利益:前年同期比19.5%増の1,451億円
 - 経常利益:前年同期比60.5%増の2,360億円
 - 中間純利益:前年同期比83.1%増の1,989億円
 
売上高、利益いずれも大幅な増加となり、「ニンテンドースイッチ2」の投入を軸に、事業基盤の強化が端的に現れています。
通期見通し――業績予想は上方修正
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    通期の経常利益予想を21.1%上方修正
従来の予想3,800億円→4,600億円(前期は3,723億円) - 
    増益率見通しを拡大
2.1%増→23.6%増に大幅上昇 - 
    年間配当予想を52円増額
従来計画:129円 → 修正後:181円(前期は120円) 
特筆すべきは経常利益の21%上方修正です。期初計画時点より大きく利益見通しを引き上げる形となり、株主還元でも年間配当を52円増の181円へ増額修正しました。これは業績が想定以上に好調であることを反映したものです。
四半期ごとの業績――特に直近3ヶ月で急伸
- 7-9月期(第2四半期)の連結経常利益は前年同期比4.2倍の1,402億円
 - ただし、売上営業利益率は前年同期の24.2%→16.7%に低下
 
直近3ヶ月(7-9月期)は特に高い経常利益成長を記録していますが、売上営業利益率が低下している点には事業コスト・新規投入タイトル等の影響も考えられます。今後の費用管理や収益構造の変化にも注目が必要です。
主力新商品「ニンテンドースイッチ2」の業績貢献
- 「ニンテンドースイッチ2」は2025年6月5日に発売開始
 - 初年度販売目標1,500万台から1,900万台へ上方修正
 - 市場ではさらに2,000万台超も期待される動き
 
今期最大の注目点は新型家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ2」の躍進です。発売開始から好調が続いており、任天堂は当年度の販売計画を1,900万台へと上方修正しています。市場では2,000万台規模や、最大2,500万台生産計画への言及もあり、需要の拡大が期待されています。
『スイッチ2』の業績貢献は特に売上高・利益成長に直結しており、今期業績改善の主因となっています。また、各種ソフトウェアタイトルの拡充やグローバル展開も販売拡大を下支えしています。
編集者視点:決算のポイントと今後の注目点
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    新ハードが基幹事業の成長を牽引
スイッチ2関連の好調な販売が全体業績を底上げ - 
    株主への還元姿勢の強化
業績好調を背景に配当増額の対応 - 
    利益率動向に留意
好調な売上成長との裏側で、営業利益率の一時的な低下も観察 - 
    市場の期待
株価PERは高水準(51.0倍/2025年10月27日時点)であり、今後の事業成長シナリオへの関心が強い 
任天堂の2025年上期決算は、過去最高水準の売上高と利益成長、そして新しいゲーム機の投入による事業構造変化が色濃く現れた決算となりました。とりわけスイッチ2の業績貢献が大きく、今後も安定した成長が期待される一方、急速な市場変化に対応したビジネス戦略や収益構造にも目を向ける必要があります。
また、株主還元として配当増額を迅速に行う姿勢は、任天堂の安定性と成長性の両立を示すものといえるでしょう。今後の決算では、下期以降も新ハードウェア販売やソフトウェアタイトルの拡充による成長維持が注目されます。
任天堂の今後への期待
任天堂は今期業績の顕著な伸長を背景に、ゲーム業界内外からもトップ企業としての安定した成長力への期待が高まっています。新しい生活様式やエンターテインメントの変化に柔軟に対応しながら、世界中のファンに新たな体験を届ける企業として、これからも注目され続けることは間違いありません。
任天堂株式会社の会社情報(2025年度)
- 設立:1947年11月
 - 代表者:代表取締役社長 古川俊太郎/フェロー 宮本茂
 - 証券コード:7974(東証プライム)
 - 決算期:3月
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    直近業績(2025年3月期)
- 売上高:1兆1,649億2,200万円
 - 営業利益:2,825億5,300万円
 - 経常利益:3,723億1,600万円
 - 最終利益:2,788億600万円
 
 
まとめ
2025年4~9月期の任天堂決算は、売上・利益・配当・新型ハードの全てが好調という内容となり、グローバル市場・株式市場ともに注目度が極めて高いものとなりました。今後も消費者・投資家、そしてゲーム業界全体からの熱い期待が続くことは間違いありません。

            

