京都駅の新たな取り組み:床面案内サイン導入で乗継ぎ・乗換えをもっとわかりやすく

京都市最大の交通結節点であるJR京都駅では、毎日多くの市民やビジネス客、そして国内外からの観光客が行き交い、日々大きな賑わいを見せています。その一方で、さまざまな交通機関が複雑に入り組むことから、駅構内では「どちらの改札口へ向かえばいいのか」「タクシー乗り場はどこか」といった混乱や迷いがしばしば発生していました

このたび、JR西日本・京都市・京都駅ビル開発の協力のもと、新幹線・バス・タクシー・地下鉄のりばへの床面案内サインが設置されることとなりました。2025年9月25日からの利用開始を予定しており、観光客をはじめとする多くの利用者が、これまで以上にスムーズに目的地へ移動できるよう改善が進められています

なぜ床面案内サインが必要だったのか?―京都駅の背景と現状

  • 京都駅は市内最大の交通ハブ:新幹線、在来線、地下鉄、市バス、観光バス、タクシーが全て集まり、1日あたり数十万人が利用する拠点です。そのため、駅構内の混雑や道に迷う利用者が多く、特に観光シーズンには乗換えのストレスが大きな課題でした。
  • 複雑化する交通動線:観光客にとっては日本語だけでなく、視覚的な誘導がないと分かりづらいという声も多く寄せられていました。
  • 円滑な移動と混雑緩和の必要性:効率的な案内は駅全体の流れを円滑にし、混雑対策に直結します。さらに、多言語化・バリアフリー推進の中で「誰もが安心して利用できる駅」を目指す一環でもあります

床面案内サインの特徴と導入内容

  • ピクトグラムと色分けによる視覚的誘導:

    新幹線・バス・タクシー(烏丸口)・地下鉄烏丸線、主要4つの交通機関について、それぞれ異なる色(新幹線は青、バスはオレンジ、タクシーはグレー、地下鉄は緑)とピクトグラム(国際的に認知度が高い視覚記号)を連動。これにより、外国人観光客や色覚に不安のある方にも配慮しています

  • 床面へのライン表示・大型案内:

    駅構内の主要な動線には、それぞれの目的地に合わせたカラーラインが床面に直接貼付されます。足元を見るだけで方向がわかり、案内板の位置を探す手間が省けます。また、途中地点にも「ここは新幹線方面」「バスはこちら」などの分岐案内が丁寧に設置され、迷いにくい設計です

  • 案内設置場所の工夫:

    案内は中央口・西口改札出口や改札内など、多くの利用客が交差する場所を中心に展開。改札外・館内の各階・地下鉄連絡口など、合計で20か所以上にわたって案内サインが新設されます。

  • バリアフリー・多言語配慮:

    ピクトグラムやカラーラインは、視覚的につかみやすいだけでなく「見えやすさ」「分かりやすさ」を重視し、バリアフリー基準に準拠しています。今後は英語・中国語・韓国語など多言語での案内表示も順次拡充予定です

期待される効果―駅全体の利便性向上と混雑緩和

  • 迷わず移動できる安心感:

    利用者は、床面のラインに沿って歩くだけで簡単に目的地・改札・乗り場に到達できます。特に初めて京都駅を訪れる方や、移動に不安のある方、高齢者・外国人にも大きな安心材料です。

  • 駅構内の混雑解消:

    人の流れがスムーズになれば、案内を求める行列や立ち止まる人、逆流による「歩行渋滞」も減少します。全体の導線が整うことで、駅スタッフの案内業務負担も軽減されます。

  • 観光都市・京都の「おもてなし」向上:

    多くの観光客が玄関口として通過する京都駅で、分かりやすく快適な案内を実現することは、京都全体のイメージアップや再訪意欲にも寄与します。

  • 今後の観光・まちづくり戦略への貢献:

    京都市が推進する「京都観光振興計画2025」でも、混雑対策・バリアフリー・デジタル化等による受入環境改善が盛り込まれており、この床面案内サインの整備はその実践モデルのひとつと位置付けられています

現地利用者・関係者の声

  • 現地をよく利用する市民の声:

    「床のラインが目立つので、スマホを見なくても目的地がひと目で分かる。お年寄りや子ども連れの家族にもやさしい」と好評です。

  • 観光客から:

    「大きな荷物がある時や急いでいる時、簡単な目印は本当に助かる」「地下鉄やバスへの乗り継ぎも安心」といった好意的な反応が多数寄せられています。

  • 駅関係者:

    「導入後は、案内スタッフへの基本的な質問が大幅に減り、利用者からの迷い、立ち止まりが目に見えて減った印象」と話しています。

床面案内サインの今後―発展への展望

  • デジタル連動や多言語案内の拡充:

    観光案内アプリやデジタルサイネージとの連携検討、また昨今増えている外国人観光客向けに、多言語化も強化予定です。

  • 他の主要駅への展開:

    京都駅の成功事例をモデルにして、大阪や神戸など他エリア主要駅への拡大も検討されています。

  • ユニバーサルデザインへの配慮:

    今後さらに誰もが利用しやすい設備改良が進められ、点字や音声案内との組み合わせも積極的に取り入れられる予定です。

まとめ:京都駅の床面案内サインがもたらす安心と利便性

新幹線・バス・タクシー・地下鉄という京都駅の主要な乗り場全てへの道案内が、床面に連なる分かりやすいカラーラインとピクトグラムで、2025年9月25日から一斉にスタートします。この整備は、駅構内の案内レベルを劇的に向上させ、初めて訪れる方にも分かりやすく、移動ストレスを大きく減らすものです。京都を訪れるすべての人びとの「安心・快適な旅」を、足元から実現する新しい取り組みに、今後も注目が集まります。

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