大学入試センターが発表 2026年度大学入学共通テスト志願者は49万6,237人に

大学入試センターは、2026年度(令和8年度)大学入学共通テストの最終的な志願者数49万6,237人となったと公表しました。

志願者数は前年度より1,066人増加しており、これで2年連続の増加となります。
大学入学共通テストは、国公立大学の一般選抜受験者にとってほぼ必須であるほか、多くの私立大学も「共通テスト利用入試」を実施しているため、進学希望者にとって非常に重要な試験です。

志願者数の内訳と特徴:現役生は減少、既卒生は増加

大学入試センターが公表した資料によると、2026年度共通テスト志願者49万6,237人の内訳は以下の通りです。

  • 現役生:42万311人(前年より5,657人減)
  • 既卒生:7万1,310人(前年より6,336人増)
  • その他の出願資格:4,616人(前年より387人増)

ここでいう「その他の出願資格」とは、高等専門学校第3学年修了者や、海外の12年制学校修了者など、高校卒業以外の資格で出願している人たちを指します。

この数字から、現役高校生の志願者はやや減少している一方で、既卒生や多様な学歴背景を持つ受験生が増えていることが分かります。
大学入試に挑戦する層が、現役生中心から、社会人や海外経験者なども含めた、より多様な顔ぶれになってきているといえます。

共通テストを利用する大学は813校 私立大学はわずかに減少

2026年度大学入学共通テストの成績を入試に利用する大学・短期大学等の数は813校となりました。

  • 大学:687大学(国立81、公立95、私立511)
  • 専門職大学:12大学(公立3、私立9)
  • 短期大学:113大学(公立13、私立100)
  • 専門職短期大学:1大学(私立1)

私立大学に限ると、共通テストを利用する大学数は前年度より11大学減少しています。
とはいえ、全体としては800を超える大学・短期大学等が共通テストの成績を利用しており、共通テストが日本の大学入試の中核にある状況は続いています。

2026年度から出願手続きが「原則オンライン化」

2026年度の共通テストで、大きな変更点として話題になっているのが、出願手続きの電子化(原則オンライン化)です。

これまで現役生は、高校を通じて紙の願書をまとめて提出する形が一般的でした。しかし、大学入試センターは、2026年度の試験から受験生本人が直接オンラインで出願する方式へ移行することを予告しており、その仕組みが実際に動き始めています。

ベネッセの大学入試情報サイト「マナビジョン」によると、2026年度からの主な流れは次のように整理されています。

  • 6月中旬ごろ:受験案内などの公表
  • 7月上旬ごろ:受験生本人によるアカウント登録とマイページ作成
  • 9月下旬ごろ:マイページ上での出願・検定料のオンライン決済
  • 10月中旬ごろ:出願内容の確認や登録内容の変更
  • 12月中旬ごろ:受験票の取得(オンラインで交付)

このように、出願から受験票の取得まで、ほとんどすべての手続きがインターネット上で完結する形になります。
受験生にとっては、紙の願書のやり取りがなくなり、スマートフォンやパソコンから手続きできるようになる一方で、「アカウント登録」や「オンライン決済」など、新しく覚えることも増えています。

高校の先生に頼るだけでなく、自分で手続きの流れをしっかり把握しておくことがこれまで以上に大切になってきます。

2026年度共通テストの実施日と基本情報

2026年度(令和8年度)大学入学共通テストは、2026年1月17日(土)と18日(日)の2日間に実施される予定です。

共通テストの概要は、ベネッセの「マナビジョン」によれば、おおむね次のようになっています。

  • 出題形式:マークシート方式
  • 受験料:3教科以上 18,000円/2教科以下 12,000円(成績通知希望の場合は別途800円)
  • 試験日程:毎年1月中旬の土・日曜に2日間実施
  • 追試験:本試験の1~2週間後の土・日曜に実施

共通テストは、国語・地理歴史・公民・数学・理科・外国語・情報といった教科から構成され、国公立大学志望者は原則として6教科8科目の受験が求められます。

私立大学の場合は、各大学・各学部が共通テストのどの教科・科目を利用するかを独自に定めており、2~4科目程度を課すケースが多くなっています。

科目選択や時間割の一例

受験生にとっては、どの科目を選ぶかも大事なポイントです。マナビジョンでは、2026年度共通テストの時間割例を次のように示しています。

  • 国語:13:00~14:30(200点)
  • 外国語(英語):リーディング 15:20~16:40、リスニング 17:20~18:20(各100点)
  • 数学①:「数学I・数学A」「数学I」など 13:00~14:10(100点)
  • 数学②:「数学II・数学B・数学C」など 15:00~16:10(100点)
  • 情報I:17:00~18:00(100点)

理科や地理歴史・公民については、複数の科目の中から組み合わせて選択する仕組みになっており、志望大学・学部によって必要な科目が異なります。
そのため、志望校の入試要項を必ず確認したうえで、早めに科目選択を固めることが重要です。

河合塾「受験ガイド」も公開 持ち物や注意点を丁寧に解説

共通テスト本番が近づくと、受験生にとって気になるのが、当日の持ち物や会場での注意点です。

教育大手の予備校である河合塾は、2026年度共通テスト向けに「受験ガイド」を公開し、受験生が本番前にチェックしておきたい情報をまとめています(リセマムの記事で紹介)。
具体的には、次のような内容がわかりやすく整理されています。

  • 必ず持っていくべきもの(受験票、写真付き本人確認書類、時計、筆記用具など)
  • 持ち込み禁止物や注意が必要なもの(通信機能のある機器など)
  • 試験会場でのルール(机の上に出してよいもの、休み時間の過ごし方など)
  • 体調管理や防寒対策、昼食の準備といった生活面のアドバイス

このようなガイドは、大学入試センターが公表する公式の「受験案内」とあわせて読むことで、当日のイメージを具体的に持つうえで大きな助けになります。
不安を少しでも減らすためにも、直前期には一度しっかり目を通しておくと安心です。

2年連続の志願者増が示すもの

2026年度共通テストの志願者数は、前年度より1,066人増49万6,237人となり、2年連続の増加となりました。

少子化が進む中で、志願者が増加している背景には、次のような要因が考えられます。

  • 既卒生の増加:一度社会に出た人や、浪人して再挑戦する人が増えていること
  • 多様な出願資格の広がり:高専生や海外の学校出身者など、多様な学びの経路を経た受験生が共通テストに参加していること
  • 共通テスト利用大学の多さ:813校もの大学・短期大学等が共通テストを利用しており、私立大学でも利用機会が多いこと

数字だけを見ると小さな増加に見えますが、「一度きりではない大学進学」という選択肢が広がり、さまざまな立場の人が学び直しや進路変更に挑戦している姿が、志願者数の内訳に表れているといえるでしょう。

受験生へのメッセージ:準備は「情報」と「生活」の両面から

ここまで見てきたように、2026年度大学入学共通テストは、

  • 志願者数49万6,237人、2年連続の増加
  • 出願手続きの原則オンライン化
  • 813校が共通テストを利用

といった特徴を持ちながら、多くの受験生にとって大きな節目となる試験です。

受験生のみなさんには、

  • 大学入試センターの公式情報(受験案内、出願方法、試験当日のルールなど)を必ず確認すること
  • 志望大学の募集要項で、必要な科目や配点、スケジュールを早めにチェックすること
  • 河合塾など予備校がまとめた受験ガイドで、持ち物や当日の過ごし方を具体的にイメージしておくこと
  • 体調管理や生活リズムを整え、試験本番で力を出し切れるコンディションを作ること

といった点を意識して準備を進めてほしいところです。

共通テストは確かに大きなプレッシャーのかかる試験ですが、事前に情報を集めておくことで、不安の多くは軽くすることができます
大学入試センターや各大学、そして予備校などが発信する情報を上手に活用しながら、自分のペースで着実に準備を進めていきましょう。

参考元