名古屋の未来を描く新たなプラットフォーム「NAGOYA都心会議」が正式に発足
産官学民が一体となった大変革の始まり
名古屋鉄道をはじめとした名古屋の主要企業や行政、学術機関、市民団体が参画する「NAGOYA都心会議」が、2025年12月2日に正式に発足しました。このプラットフォームは、名古屋都心部の未来を共に描く産官学民の連携体制として、名古屋の大きな変革に向けた第一歩となります。
設立総会では、36社の正会員、6社の賛助会員、10団体の特別会員、そして8団体のサポーター会員が参画することが決定されました。会長には、名古屋鉄道の高崎裕樹代表取締役社長が就任し、名古屋財界の有力企業や五摂家といった名古屋を代表する機関が中心となって、都市魅力創出に向けた本格的な活動を展開していきます。
名駅と栄を一体としたまちづくりの推進
NAGOYA都心会議の主な活動対象は、名古屋の中心地である名駅(名古屋駅)と栄エリアです。これまで別々に発展してきた両エリアを一体としたまちづくりを推進することで、より一層の相乗効果を生み出そうとしています。
特に、リニア中央新幹線の開通を見据えた対応が重要とされています。リニアの開通により、名古屋への来訪者の増加が見込まれることから、都心部の求心力をさらに向上させ、国内外から「選ばれる都市」として認識されることを目指しています。
3つの柱で都市魅力を創出
NAGOYA都心会議は、次の3つの役割を軸に都市魅力創出に取り組んでいきます。
第一に「起こす」という役割では、産官学民連携による成長戦略の策定・提言から、新たなビジネス環境を創出します。企業、行政、大学、市民それぞれが持つ強みや知恵を結集し、名古屋都心の発展に必要な具体的な施策を打ち出していくことになります。
第二の「つなぐ」では、ヒト・コトをつなぐことでコミュニティを醸成し、新たな交流を創出します。多様な主体が参画するプラットフォームだからこそ、これまで接点のなかった人や組織、情報が結び付き、新しいビジネスチャンスや地域活動が生まれることが期待されています。
第三の「広げる」という役割では、名古屋の魅力を国内外に広く発信し、多様な人材と機能を都心部に呼び込みます。情報発信を通じて、名古屋都心の魅力を世界に知ってもらい、才能ある人材やビジネス、文化が集積することを目指しています。
設立記念シンポジウムで活発な議論が展開
12月2日の設立総会に続いて、設立記念シンポジウム「NAGOYA REVOLUTION Kick-off ―クリエイティブな都心への大変革、始動―」が開催されました。会場には、産業界、行政、学術機関、市民など多様な立場から約300名が参加し、名古屋都心部の魅力向上に対する高い関心が示されました。
基調講演では、株式会社日本総合研究所の主席研究員・藻谷浩介氏が登壇。最新データや都市比較の視点を交えながら、名古屋都心が持つ潜在力と、これから向き合うべき課題を多面的に分析し、今後の議論の基盤となる示唆に富んだ内容を提供しました。
その後のパネルディスカッションでは、幅広い分野の第一線で活躍する4名の登壇者が、「名古屋都心が『選ばれる都心』に向けて私たちが今できること」というテーマで活発に議論を展開。名古屋の課題と可能性について、多角的な視点から検討が行われました。
具体的な活動内容と今後の展開
NAGOYA都心会議は、今後、定期的な会合や公開イベント等を開催するとともに、都心戦略ビジョンの策定やその実現に向けた仕組みづくりを進めていきます。また、国内外への積極的な情報発信と政策提言も重要な活動となります。
産業界・行政・大学・市民の知恵と熱意を結集することで、名古屋都心部の魅力向上と発展に向けた本格的な施策が展開されることになります。このプラットフォームを通じて、名古屋が国際競争力を持つ都市として、さらに進化していくことが期待されています。
リニア開通を契機とした名古屋の再生へ
リニア中央新幹線の開通は、名古屋にとって大きなチャンスとなります。NAGOYA都心会議が立ち上がったことにより、名駅と栄エリアが一体となったまちづくりの推進、成長戦略の策定、そして国内外への魅力発信という戦略的な取り組みが、より組織的かつ効果的に進められることになるでしょう。
名古屋の有力企業や行政、学術機関、市民が心を一つにして、この大変革に向けて動き始めました。名古屋都心の将来は、このプラットフォームが生み出す新たな連携と創意工夫の中に秘められているといえます。




