モンスターラボ、2025年12月期第2四半期決算を発表――赤字幅大幅縮小と事業の現状

決算発表の概要

モンスターラボ(証券コード:5255)は、2025年8月14日、2025年12月期第2四半期(1-6月)決算を発表しました。
今回は注目の「赤字幅の大幅縮小」に焦点が当たっています。昨年度の決算からの改善点、そして今後に向けた会社の取り組みについて、わかりやすく解説します。

2025年12月期第2四半期の業績速報

  • 連結最終損益は2.5億円の赤字(前年同期は58.9億円の赤字)と、赤字幅が大きく縮小しました。
  • 税引前損益は-3億5800万円となりました。
  • 主力の4-6月期(第2四半期)も1.1億円の赤字(前年同期は55.5億円の赤字)と、こちらも赤字縮小傾向が続いています。
  • 売上営業損益率は、前年同期の-239.9%から1.8%へと急回復しています。

この結果、会社が掲げていた「黒字転換への計画」に向かって着実に歩みを進めていることがわかります。特に営業損益率が大きく改善されたことは、事業運営の効率化やコスト管理が成果をあげている証です。

背景とこれまでの課題

2024年までのモンスターラボは、売上は出せていたものの、大型の赤字が続き、株主や投資家から不安の声もあがっていました。そこで、2025年12月期は売上をあえて前期比約15%減の85.17億円に調整し、営業利益3.6億円・純利益2.06億円の黒字化を目指す「量より質」路線に舵を切っています。

案件を無理に増やすよりも、「しっかり利益を残す体質づくり」に舵を切り直したことが大きな特徴です。従業員の安定した働き方や、長期的に持続可能な企業運営をめざす姿勢がこの決算にも表れています。

経営指標にみる現状

  • 実績ROA(総資産利益率)は-90.22%で、依然として収益性改善が必要な状況。
  • 自己資本比率は-62.4%で、財務健全性向上が今後の大きな課題と言えます。
  • 配当利回りは0.00%と、株主還元よりも事業の立て直しを優先しています。
  • 予想PER(株価収益率)は51.7倍と高めですが、これは将来利益への期待感も含まれています。

財務指標から見ると、現時点では厳しい数字が並びます。しかし、今期は「利益重視」の経営方針により、筋肉質な事業体へと変化を目指している最中といえるでしょう。

今期の経営方針と今後の見通し

モンスターラボは今期、売上縮小を覚悟のうえで「利益の確保」「赤字幅の徹底縮小」に集中しています。これは無理な事業拡大を控え、経費削減と利益率向上に全力を注ごうとするものです。

実際、今回の決算でも第1・第2四半期ともに赤字ながらも、その幅は着実に縮小しています。経常利益も第1四半期では-171百万円でしたが、通期で黒字計画を維持しています。

投資家からは「黒字転換の確実性」を期待する声が多く、企業側も「予想通りのペース」で着地しているとアピールしています。今後は下半期(7-12月期)に4.5億円の黒字計画を掲げており、これが実現すれば前年同期の40.5億円の赤字からは劇的なV字回復となります。

モンスターラボの事業内容と強み

  • ITコンサル・システム開発企業として世界各国と連携し、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援を主力としています。
  • グローバル展開を強みとし、日本国内外で幅広い顧客を持ちます。
  • 今期は「利益を残せる受注体制」へと再編中。
  • 同業他社との比較でも、独自のグローバルネットワークや提案力に一定の評価があります。

投資家向けメッセージ

会社の発表にもあるように、今期は「計画通りの赤字縮小」「下期黒字化」に期待が集まっています。投資家からは「予想に沿った着地」「通期黒字転換の実現可能性」が大きな注目を集めています。もちろん、今後の経営安定化には売上拡大と財務健全性の改善が不可欠ですが、今年は「利益重視」の経営転換期として前向きな見方が多いです。

株価動向と市場の反応

2025年8月14日の株価は245.0円(前日比+2.08%)と、決算発表を受けて小幅上昇しています。市場では「赤字幅縮小」のインパクトが好意的に受け止められた模様です。引き続き通期の業績見通しや財務健全性、DX支援事業での成長性に注目が集まります。

モンスターラボに関連する銘柄比較

  • エニマインド(5027)
  • テクミラ(3627)
  • フュージック(5256)
  • クレスコ(4674)
  • チェンジHD(3962)

これらの関連銘柄も「利益重視」の転換やDX関連事業の成長性が共通テーマとなっており、今後の市場比較材料となります。

まとめ――今後の期待と注意点

  • 2025年上期は大幅赤字縮小(2.5億円の赤字)、下期は黒字化計画。
  • 利益重視・財務健全化への意識改革が鮮明。
  • 投資判断では通期黒字転換の確度と、財務安定化、今後の成長戦略がカギ。
  • 株価は決算発表直後は安定的な推移、今後の業績開示にも注目が必要。

今後の注目ポイント

  • 下期(7-12月)の黒字転換が実現できるかどうか。
  • 財務健全性改善と成長投資のバランス。
  • グローバル事業での新規大型案件獲得。
  • 人材・組織体制強化による業績の持続的改善。

今回の決算は「量よりも質」「利益を残す企業体質」への転換期として、株主・投資家にとって非常に重要な意味合いを持っています。今後も四半期ごとの業績開示を通じて、企業の変化と成長を見守りましょう。

参考元