ミズノ発「CFRP板バネフットギア」が描く未来のモビリティ——靴と自転車の間に生まれる新しい移動体験

ミズノ株式会社は2025年10月30日から11月9日まで東京ビッグサイトで開催される「Japan Mobility Show 2025」にて、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)板バネフットギアコンセプトモデル「MOBILARIA β(モビラリア ベータ)」を発表しました。この革新的なフットギアは、靴と自転車の間を埋める全く新しいモビリティとして、大きな注目を集めています

人が「楽に移動する」を叶える技術——CFRP板バネフットギアとは?

ミズノが今、未来の移動手段として着目するのは「履物=モビリティ」への進化です。従来の靴や自転車とも違う、自分の脚の力を最大限に引き出しながら、より楽に遠くへ移動できるフットギア——それが「MOBILARIA β」です。
「モビリティの進化は車や電動アシスト自転車だけではない、私たちは『人が自分自身の力で心地よく移動できる新価値』を目指したい」とミズノは語ります

CFRP板バネフットギア「MOBILARIA β」の開発背景と特徴

  • 開発拠点はイノベーションセンター「MIZUNO ENGINE」
    2022年11月に稼働開始した「MIZUNO ENGINE」では、開発サイクルの高速化を実現しています。CFRP板バネ製造では、従来28日かかっていた型製作を3Dプリンター活用で2日間に短縮、開発費も一般的な金属型と比較して約8分の1になりました。これにより、アイデアの具現化と試作テストが「はかる」「つくる」「ためす」を高速回転で実現しています
  • 義足研究をベースにしたカーボン技術の応用
    「MOBILARIA β」のブレード部(板バネ)は、競技用義足で培われたカーボン成形技術を活用。足裏に力が加わるとCFRP板バネがしなり、その反発力をパワーに変換することで、より効率的な推進力を得られます。下肢の運動メカニズムを変化させ、片足だけでなく両足がギアと一体化し、これまでにないラン&ウォーク体験を実現します
  • 着想は陸上スパイク、追求した履き心地
    アッパー部には陸上スパイクのデザインをヒントに、かかとと靴ひもが連動し安定したホールド感を追求。足とギアが一体化することで、板バネから得られる反発力を最大限活かします
  • デザインはカーデザイナー山本卓身氏との共創
    機能美と未来的なシルエットは、モビリティのデザインエッセンスを取り入れるため、著名なカーデザイナー山本卓身氏と共同開発。競技性と日常性、双方を融合した斬新な外観も注目ポイントです

「歩く」と「走る」を変える——CFRP板バネフットギアの実力

  • 走行動作におけるバネ特性が生み出す快適性
    足が接地する際、CFRP板バネがしなってエネルギーをため、蹴り出し時に反発力を解放。これによって、従来より少ない筋力で効率的かつ楽に移動できます。下肢への負担も軽減され、長距離移動や速歩き、ジョギングでも体感的に「楽さ」を享受できます
  • 義足アスリート技術を一般ユーザーへ還元
    オリンピック・パラリンピック競技用義足で積み上げた高度なカーボン板バネ制御技術が、市民ランナーやウォーカーにも「未来のモビリティ」として展開される画期的な取り組みです

話題沸騰の理由——「時代がDr.中松に近づいた」衝撃の反響

今回の発表に対し、ネットやSNS上では「箱根はOKだろうか」「時代があのDr.中松に近づいた」「仰天シューズ」といった称賛と驚きの声が続々。義足技術から生まれた先進ギアが一般向け靴の枠を超え、バネの力で軽快に移動できる未来が来ることへの期待が広がっています。一方で、「新しいモビリティとしてどのような価格、使い方、展開になるのか」「一般道での安全性や規制は」など、実用化への注目と課題も話題となっています

今後の展望——社会実装に向けた改良とフィードバック

  • 社会実装への一歩
    今回はコンセプトモデルとしての公開ですが、ミズノ説明員は「来場者の声やフィードバックを基に、さらに改良を重ね、多様なパートナーシップを築き、将来的な社会実装を目指す」と語っています。単に新しい靴や道具ではなく、「人の移動そのもの」を変える新価値の具現化を志向しています
  • 都市インフラやレジャーへの応用も期待
    今後は都市部での通勤、健康増進、登山やトレッキングなど、多様なシーンへ展開する可能性も示唆されています。「箱根駅伝で使えるのか」「通勤駅からオフィスまでが楽になるのでは」といった声も見られ、既存のモビリティとの共存や新しいライフスタイルへの波及にも注目が集まっています。

まとめ:ミズノの挑戦——「移動を楽しむ未来」への第一歩

CFRP板バネフットギア「MOBILARIA β」は、ミズノが義足技術やスポーツサイエンスで培った知見を活用し、デザイン・機能性ともに次世代モビリティを志向する画期的なプロダクトです。これからの「人の移動」は、靴と自転車の間、乗り物と歩行の間という新たなカテゴリーを生み出し、より楽しく快適な「移動を楽しむ社会」へと進化していくかもしれません。

ユーザーとしての期待と課題

  • 試してみたい・使ってみたい
    「時代の先端を体感できるギア」として多くの人から関心が寄せられています。
  • 安全性・価格・用途拡大への要望
    実用化にあたって歩行区域の安全確保や、価格帯についても市民目線で議論が始まっています。
  • 未来を感じる新提案
    ミズノのCFRP板バネフットギアは、日々の通勤・通学、運動、散歩、アウトドア体験に“新しい移動の楽しさ”をもたらすことが期待されています。

MIZUNOの公式情報および展示詳細

  • 「Japan Mobility Show 2025」会期:2025年10月30日~11月9日 場所:東京ビッグサイト
  • CFRP板バネフットギア「MOBILARIA β」コンセプト公開

今後もミズノの開発動向と、「人の移動」の新しい可能性に注目が集まっています。

参考元