宮城県が決めた!5年間の稲作方針で高温耐性米を1万2000haへ拡大 地球温暖化にしっかり対応
宮城県で、農家のみなさんが安心して米作りを続けられるよう、大きなニュースがありました。2月2日、宮城県やJA(農業協同組合)のみなさんが集まって、2026年度から5年間の稲作基本方針を決めました。この方針の目玉は、地球温暖化による猛暑に対応した高温耐性品種の作付面積を、現在の2倍の1万2000ヘクタールに広げることです。スマート農業の推進も合わせて、宮城のお米作りがさらに強くなりますよ。
なぜ高温耐性品種が必要なのか? 猛暑の影響をみんなで振り返ってみよう
最近の夏は、毎年記録的な高温が続いていますよね。宮城県でも、気温が上がるとお米の品質が落ちてしまう問題が深刻です。例えば、出穂後(お米の花が咲く頃)に気温が26~27℃以上になると、玄米が白く濁る白未熟粒が増えたり、最高気温が32℃を超えると胴割れ粒が発生したりします。これらは収量や品質を下げて、農家さんの苦労を増やしてしまいます。
全国的に見ても、2024年産のお米では高温耐性品種の作付面積が20.6万ヘクタールに達し、前年比で2.5万ヘクタールも増えました。これは主食用米全体の16.4%を占めるほどです。特に「つや姫」などの品種が宮城でも人気で、高温耐性品種のお米は1等米比率が80.2%と、一般品種の75.9%より高く、品質が安定しているんです。
宮城県では、水管理や施肥、適期防除などの対策を続けていますが、それだけでは限界があります。そこで、高温に強い品種をどんどん増やしていく方針が決まったのです。この基本方針は、農家さんが安定した収穫を得て、消費者にもおいしいお米を届けられるようにするための大事な一歩です。
具体的な目標は? 1万2000haへ2倍拡大で未来のお米を守る
今回の基本方針では、2026年度から2030年度までの5年間で、高温耐性品種の作付面積を1万2000ヘクタールに引き上げる目標が掲げられました。これは現在の約2倍の規模です。2025年産からすでに倍増をスタートし、2030年までにしっかり達成する計画です。
宮城県内で注目されている品種の一つが、JA新みやぎが推進する「にじのきらめき」です。この品種は高温に強く、多収性(たくさん収穫できる)で耐倒伏性(倒れにくい)も備えています。現在は業務用米として使われていますが、食味値を重視して家庭用出荷も増やす予定です。来年度は本年産の約4.6倍となる600ヘクタールを目指します。
栗原市では、今年度すでに52人の生産者が130ヘクタールで「にじのきらめき」を栽培。石川和彦部会長さんは「他品種が高温で苦しむ中、このお米は高い品質を保てて驚きました。高温の救世主です」と話しています。種もみ代は「ひとめぼれ」より少し高いですが、栽培しやすく、収穫時期が他の品種と重ならず作業が平準化されるメリットもあります。
JA新みやぎの取り組み 生産者と実需者が手を取り合う
2日、栗原市で開かれた研修会では、生産者約70人が参加。「にじのきらめき」で作ったカレーライスを試食したり、石川部会長さんの圃場を見学したりしました。卸売業者の住商フーズの畑清政部長さんは「1000ヘクタール分の販路を確保しています。安心して作ってください」と生産者を励ましました。
カレーチェーン「CoCo壱番屋」を運営する壱番屋は、今年7月から東北6県の店舗で宮城産「にじのきらめき」と「ひとめぼれ」のブレンド米を使っています。購買部の坂田光昭部長さんは「将来は100%にじのきらめきにしたい」と意欲を語りました。また、山田屋本店の秋沢毯衣専務さんは「安定した収量が魅力。JA新みやぎのブランド力が消費者に支持されます」と期待を寄せています。
こうした実需者との連携が、生産拡大の後押しになっています。宮城のお米は、業務用から家庭用まで幅広く活躍しそうです。
新品種開発も進む 古川農業試験場の「東北247号」
一方、宮城県大崎市の古川農業試験場では、2018年から新しい高温耐性品種「東北247号」を開発中です。2025年度の試験栽培で、猛暑でも白濁が少なく収量も安定。おいしさの試食では「つやがあって甘みがあり、バランスの取れたおいしい食味」と高評価でした。
増田秀平研究員さんは「近年、高温障害が課題ですが、この品種でクリアできる手応えがあります。宮城の農家さんに早く届けたい」と話します。2026年度も試験を続け、県の優良品種登録を目指します。この開発が、基本方針の高温耐性品種拡大をさらに支えます。
スマート農業で作業を楽に 未来志向の稲作へ
基本方針では、高温耐性品種の拡大だけでなく、スマート農業の推進も大事なポイントです。ドローンやセンサーを使った精密農業で、作業負担を減らし、効率を上げます。例えば、土壌の状態をリアルタイムでチェックしたり、水管理を最適化したりすることで、高温時の品質低下を防げます。
宮城県米づくり推進本部は、以前から高温登熟対策として湛水管理や間断かんがいを呼びかけてきました。間断かんがいでは土壌が酸化的に保たれ、根の活性が高まり、夜間の稲体温度が下がりやすいため、乳白粒や胴割れ粒が減るんです。熱中症対策も忘れずに、農作業時の水分補給を徹底しましょう。
全国の動きと宮城の強み 高温耐性米が16.4%に
全国では42府県で高温耐性品種が作られ、「きぬむすめ」(2万2980ha)、「こしいぶき」(1万8400ha)、「つや姫」(1万7966ha)が上位です。佐賀県では作付の56.3%が高温耐性で、宮城も負けていません。宮城の強みは、JAの組織力と新品種開発の伝統です。
- 高温耐性品種の利点:白未熟粒・胴割れを抑え、1等米比率が高い
- 宮城の具体例:「にじのきらめき」600haへ拡大、家庭用も
- 新開発:「東北247号」でさらなる耐性強化
- スマート農業:効率化で農家負担軽減
これらの取り組みで、宮城のお米は猛暑の時代でもおいしく安定供給されます。農家さん、消費者さん、一緒に支えていきましょう。
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