三菱UFJ銀行設立20周年 中部地方への貢献と最新の成長が話題に
三菱UFJ銀行は、2025年10月に設立20周年を迎えました。この節目に、中部地方での存在感を強め、預金・貸出残高が過去最高を記録するなど、着実な成長を続けています。特に、名古屋の伝統劇場である御園座の再建支援が大きなエポックとなりました。一方、追加利上げの影響で小規模地銀との差が鮮明になる中、メガバンクの強みが際立っています。
MUFGグループの20年を振り返る
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、2005年に三菱東京フィナンシャル・グループとUFJホールディングスの経営統合により誕生しました。当時は総資産約190兆円規模の総合金融グループとしてスタートし、20年間で世界15万人を超える社員を抱えるグローバル企業に成長しました。設立20周年のテーマは「感謝」と「変革」で、ステークホルダーの皆さまへの感謝を込めつつ、次の20年への変革を誓っています。
MUFGの歴史は、360年以上前に遡ります。1656年に大阪で鴻池両替店が創業され(後の三和銀行)、1880年に三菱為替店(後の三菱銀行)が始まりました。また、1941年に東海銀行が設立されるなど、中部地方に根ざした源流があります。2005年のMUFG誕生後、2006年に三菱東京UFJ銀行(現・三菱UFJ銀行)が登場し、投資銀行業務を強化。2008年にはモルガン・スタンレーとの提携、2010年に三菱UFJモルガン・スタンレー証券が誕生しました。
さらに、2016年のフィリピンセキュリティバンク提携、2019年のインドネシア・ダナモン銀行子会社化、豪州のFirst Sentier Investors子会社化と、グローバル展開を加速。2021年にはMUFG Wayを制定し、2023年にモルガン・スタンレーとの「アライアンス2.0」を強化。2024年には三菱UFJアセットマネジメントを完全子会社化し、2025年にはウェルスナビとauカブコム証券(現・三菱UFJ eスマート証券)を完全子会社化しました。
中部地方への強い思い入れと御園座再建の功績
三菱UFJ銀行は、中部地方に特別な思い入れを持っています。東海銀行の流れを汲むUFJの伝統が背景にあり、設立20年で中部での存在感を着実に高めています。預金残高と貸出残高は過去最高を更新し、地域経済の支柱となっています[ニュース内容1][ニュース内容2]。
特に象徴的なのが、名古屋の御園座再建支援です。御園座は中部の文化遺産として知られる歌舞伎劇場で、火災後の再建プロジェクトに三菱UFJ銀行が深く関わりました。この取り組みは、銀行の地域貢献のエポック(画期的な出来事)として語られ、中部のお客様との絆を強固にしました。御園座再建は、単なる資金支援にとどまらず、地域文化の保存と活性化に寄与し、銀行の存在意義を体現しています[ニュース内容1][ニュース内容2]。
全銀協の半沢会長(三菱UFJ銀行頭取)も、2025年9月の記者会見で、MUFGの20周年を「3メガバンク体制20年」と位置づけ、金融環境の変化を指摘しました。20年前と今では、地政学リスクやインフレ、デジタル化の進展が異なり、メガバンクの役割がより重要になっています。
最新の成長指標:預金・貸出の過去最高更新
MUFG Report 2025によると、設立以来の企業価値向上は3つのフェーズで進みました。2005〜2012年は基盤構築、2012〜2021年はグローバル強化、2021年以降はビジネスモデル変革です。数字で見る20年の成長は顕著で、預金・貸出残高の過去最高は、中部を含む国内事業の成果です。
トップメッセージでも、2025年10月の20周年を機に、社会・経済の構造変化に対応すると強調。国内ではインフレ順応と新政権の経済政策が進行中です。中部地方では、この成長が地域企業や個人への融資拡大につながり、存在感を高めています。
追加利上げ下での「優勝劣敗」とメガバンクの優位性
最近の追加利上げで、金融業界に「優勝劣敗」が鮮明になっています。小規模地銀は恩恵を受けにくく、資金調達コスト増で苦戦。一方、三菱UFJ銀行のようなメガバンクは、強固な基盤とグローバルネットワークで優位に立ちます[ニュース内容3]。
例えば、預金基盤の強さと貸出ポートフォリオの多様化が利上げ環境で利益を生み、中部での過去最高実績を支えています。この差は、20年の歴史で築いた信頼と変革の賜物です。
新型店舗開設:個人向けサービス進化の象徴
2025年9月、三菱UFJ銀行は約20年ぶりに個人向け新型店舗「エムットスクエア」をJR高輪ゲートウェイ駅直結の商業施設に開業しました。これは現役世代をターゲットに、デジタル化が進む中でも有人相談の場を提供する取り組みです。
これまで店舗を減らしてきた銀行が、新たな形で個人顧客との接点を増やすのは、20周年の変革の一環。エムットスクエアは、外観から内装までモダンで、資産運用や住宅ローンの相談に特化。こうしたイノベーションが、中部を含む全国のお客様の信頼をさらに高めています。
20周年ロゴに込められた未来への想い
MUFGは20周年を記念し、特別なアイコンを制作。赤い円はこれまでの「感謝」と右肩上がりの「変革」を表し、グラデーションで未来への力を表現しています。言葉は「20 years」を使い、点ではなく線として次なる20年を意識。
MUFGのパーパス「世界が進むチカラになる。」は、お客様・社会と共に課題解決を進める決意です。360年の信頼を基に、デジタル化やグローバル化を推進し続けます。
業界全体の動きと三菱UFJ銀行の役割
全銀協の活動では、マネーロンダリング対策のAI活用やインベストメントチェーンの活性化が進められ、三菱UFJ銀行も貢献。2026年5月施行の法令整備に向け、パブリックコメントを提出しています。
Japan Weeksでのイベント「MUSUBU! JAPAN DAY」も、市場接続を促進。中部地方の成長を支える銀行として、今後も地域に寄り添います。
三菱UFJ銀行の20年は、感謝と変革の歴史です。中部への思い、御園座再建、過去最高の預金・貸出、利上げ下の強み、新型店舗開設。これらが今、話題のニュースとなっています。お客様と共に歩む姿勢が、未来を照らします。



