三菱電機、FA事業の好調と米関税対策で株価が急伸 上場来高値を更新

三菱電機の株価が2025年7月31日の決算発表を受けて急騰し、一時前週の上場来高値を大幅に更新しました。4~6月期の営業利益は前年同期比91%増の1119億7200万円となり、史上最高益を記録。ファクトリーオートメーション(FA)関連事業の復調と米国の関税対策が好業績を支えています。

FA事業の復活が収益を押し上げ

FA(ファクトリーオートメーション)関連部門が前年から大きく改善し、三菱電機の収益増加に大きく寄与しました。これに加え、米国でのトランプ政権時代に課された関税の恩恵を受け、価格転嫁が進んだことも好材料となっています。2025年度の価格転嫁を中心に収益構造を強化する方針が示されており、今後の業績の安定に期待がかかっています。

2025年4~6月期決算で営業最高益達成

三菱電機が発表した2025年4~6月期の決算では、営業利益が前年同期の約1.9倍に急拡大しました。市場関係者の間ではこの好調な決算を好感し、一気に買いが入ったことで株価は一時11%近い上昇を記録。これにより、株価は3700円台目前まで値を伸ばし、過去最高値を大きく超えました。

株価の動きと市場の反応

決算発表後、株価は窓を開けて急騰しましたが、その後は短期的な利食い売りに押され、一時陰線を形成。専門家からは短期的には下値リスクも念頭に置く必要があるとの見方も出ています。しかしながら、FA分野の復活や米関税特需の影響を背景に、長期的な業績好調期待は根強いものがあります。

米関税対策による価格転嫁の効果

三菱電機は米国向け製品について関税引き上げの影響を受けましたが、2025年度に入ってからは価格転嫁を中心とした対策を強化。これによりコスト増部分を製品価格に反映させることで、利益率が大幅に改善されました。これが今回の営業利益の大幅増加に繋がった重要な要因となっています。

今後の展望

業績好調が株価に好影響を与えている三菱電機ですが、株価の短期的な急騰後の調整にも注意しつつ、中長期的な成長戦略の遂行が注目されます。FA分野のさらなる拡大とグローバルな価格転嫁対応が引き続き重要になるでしょう。

  • 2025年4~6月期の営業利益は前年同期比91%増の1119億7200万円
  • FA(ファクトリーオートメーション)事業の復調が収益押し上げの主因
  • 米国関税に対し価格転嫁を進め、利益率が改善
  • 株価は一時11%近く上昇し、上場来高値を大幅更新
  • 短期的に利食い売りの動きもあり、株価の調整に注意必要

このように、三菱電機は2025年夏に入りFA事業の復調と米国関税対策の成果が顕著になり、業績・株価ともに存在感を強めています。機械・電子機器分野における同社の競争力強化が今後も注目を集めそうです。

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