赤澤経済産業大臣がサウジアラビア・UAEを歴訪、エネルギー安全保障と経済連携を強化
赤澤亮正経済産業大臣は、2026年1月10日から1月15日までの6日間、サウジアラビア王国とアラブ首長国連邦(UAE)を訪問し、両国との経済関係強化とエネルギー安定供給に向けた重要な協議を実施しました。今回の歴訪は、日本のエネルギー安全保障において極めて重要な意味を持つものとなっています。
原油供給の約8割を依存する戦略的パートナーとの関係強化
日本はサウジアラビアとUAEから原油輸入の約8割を依存しており、両国はエネルギー安全保障上の最重要国です。赤澤大臣は、ベネズエラの事案など国際情勢が不安定な中での訪問となりました。大臣からは、日本への原油の安定供給と国際市場の安定化に向けた協力を改めて働きかけたほか、経済産業省とアラムコとの戦略的備蓄協力の延長についても協議されました。
これまで日本とロシアの関係が注視される中で、両国との連携強化は日本の重要なエネルギー戦略となっています。日本は2021年と2024年の実績を比較すると、ロシア産原油および石炭の輸入を9割以上削減し、LNG(液化天然ガス)についても1割以上削減させており、ロシア産エネルギーへの依存を着実に低減させているのです。
日・サウジ閣僚投資フォーラムで宇宙分野など先進技術での連携を合意
サウジアラビアでは、1月11日に日・サウジ閣僚投資フォーラムが開催されました。赤澤大臣はサウジアラビアのファーレフ投資大臣とともに、両国ビジネス関係の進展について民間企業代表者とともに議論しました。
大臣の冒頭挨拶では、ルールに基づく自由貿易体制の維持が重要であることを強調し、「ハイブリッドな通商戦略」を展開する旨が述べられました。これは、米国や中国への対応と併せて、自由貿易と法の支配の取組を進めるというもので、世界の課題解決を日本とサウジアラビアの経済成長に繋げていく重要性が指摘されています。
重要な成果として、赤澤大臣とファーレフ投資大臣は相互投資の拡大に合意しました。特に注目されるのは、宇宙分野やコンテンツ分野における日本とサウジアラビア両国の企業間連携を加速させることが合意されたことです。日本政府が「危機管理投資」として17戦略分野への積極的な投資を受け入れていることが紹介され、宇宙分野を始めとする分野での相互投資の加速の必要性が強調されました。
UAE訪問でエネルギーと経済協力の新展開
赤澤大臣はUAEでは、World Future Energy Summitに参加しました。この会議では、エネルギーの未来的な取組について国際的な議論が展開されています。
UAEとの関係では、石油・ガスという既存の協力分野を超えて、重要鉱物のサプライチェーン、宇宙、ヘルスケアなどの先進技術分野での連携加速を目指すことが重要な方針として定められました。特にUAEが最重視する日UAE・EPA(CEPA)の合意を目指すことで一致しています。
1月13日のゼイユーディ対外貿易大臣との会談では、日UAE・EPAが単なる貿易投資の拡大だけではなく、信頼できる国同士の関係をさらに強化し、両国の産業発展を実現するという戦略的観点から取り組まれるべきことが確認されました。両者は早期妥結を目指すことで一致しています。
グローバルな課題への対応と今後の展望
赤澤大臣の今回の歴訪は、単なるエネルギー確保に留まらず、AI、宇宙分野などの先進技術分野での国際的な協力体制構築が目指されていることが特徴です。これは、グローバルなサプライチェーンの課題に対応するための戦略的な取組と位置づけられています。
中国による重要鉱物の輸出管理措置など、国際的なサプライチェーンへの深刻な影響が既に生じている中で、日本とサウジアラビア、UAEとの多層的な経済協力の強化は、日本のエネルギー安全保障と産業発展にとって極めて重要な意味を持っています。
赤澤大臣は記者会見で、関係国との情報・意見交換、連携を通じた必要な対応を行う方針を示しており、今後も両国との関係強化が継続される見通しです。
経済的影響と日本企業への期待
このような日本政府の積極的な外交活動と経済連携の強化により、日本企業のサウジアラビアおよびUAEでのビジネス機会拡大が期待されています。特に宇宙分野やコンテンツ分野、重要鉱物、ヘルスケアなどの先進技術領域での企業間連携が促進される可能性が高まっています。
エネルギー安全保障の確保と同時に、こうした先進技術分野での協力は、両国の長期的な経済成長と産業発展に貢献するものとなるでしょう。


