フリマの売上金が“すぐ現金”に。「メルカリバンク」がスタート

フリマアプリ「メルカリ」で得た売上金が、これからは即時・手数料無料で銀行口座に移せるようになりました。
メルカリ傘下の決済サービス「メルペイ」と、デジタル銀行の「みんなの銀行」が連携し、新しい銀行サービス「メルカリバンク」の提供を開始したためです。

これまで「売上金を現金で使いたい」と思っても、出金手数料翌営業日までの待ち時間がネックになっていた方も多いのではないでしょうか。
メルカリバンクの登場により、「売ったお金をすぐに・ムダなく・かんたんに」使える環境が整いました。

「メルカリバンク」とは?

メルカリバンクは、フリマアプリ「メルカリ」内から利用できる、みんなの銀行の銀行サービスです。
メルカリアプリとメルペイ、そしてみんなの銀行の口座をAPI連携(システム連携)することで、アプリの中に銀行機能が自然に組み込まれています。

みんなの銀行は、銀行のシステムを他社サービスに提供するBaaS(Banking as a Service)という仕組みを採用しており、その仕組みを使って、メルカリアプリ内で口座機能を利用できるようにしたのが「メルカリバンク」です。

何がうれしい? メルカリバンクの主な特徴

  • 売上金を即時・無料で銀行口座へ送金
    「メルカリ」の売上金(メルペイ残高)を、みんなの銀行の普通預金口座(メルカリバンク口座)に即時で移動できます。
    このときの手数料は無料です。
  • ATMでの出金も手数料無料
    メルカリバンク口座に移したお金は、ATMから現金として出金することができます。
    対象ATMからの出金も手数料無料で利用できるようになり、「売上金をそのまま現金で使いたい」というニーズに応えています。
  • アプリ内で残高・口座情報を確認
    みんなの銀行の口座残高は、メルカリアプリの「おさいふ」タブから確認できます。
    わざわざ別の銀行アプリを立ち上げなくても、メルカリの中で残高をチェックできるのがポイントです。
  • メルペイへのチャージやメルカードの支払いにも利用可能
    メルカリバンク口座から、メルペイ残高へのチャージや、「メルカード」の清算(支払い)も行えます。
    売上金を銀行に移しても、再びメルペイの支払いに回せるため、メルカリ内外でお金をスムーズに行き来させることができます。

従来との違い:手数料200円と翌営業日の待ち時間がゼロに

これまで、メルカリの売上金(メルペイ残高)を一般的な銀行口座へ振り込む場合、所定の手数料が必要で、入金までにも最短でも翌営業日を待つ必要がありました。
一部報道では、これまで200円の出金手数料が必要で、着金は翌営業日だったと紹介されています。

メルカリバンクでは、みんなの銀行の普通預金口座を経由することで、次のように変わります。

  • 出金手数料:無料
  • 入金タイミング:即時

「売上金をできるだけ減らさずに受け取りたい」「すぐに現金が必要」というユーザーにとって、大きな改善といえます。

どうすれば使える? 利用までの流れ

メルカリバンクを利用するには、次のようなステップが必要です。

  • みんなの銀行の口座を用意
    メルカリバンクでは、みんなの銀行の普通預金口座を利用します。
    まだ口座を持っていない場合でも、メルカリアプリから口座開設の手続きが可能です。
  • メルカリバンクの登録
    メルカリアプリ上で、みんなの銀行口座とメルペイをAPI連携する形で登録します。
    これにより、みんなの銀行の口座情報や残高がメルカリアプリから利用できるようになります。
  • メルカリアプリの「おさいふ」から操作
    登録が完了すると、「おさいふ」画面にメルカリバンク(みんなの銀行口座)の残高が表示され、売上金の送金やチャージ、支払いなどが行えます。

なお、メルカリバンクはすべてのみんなの銀行口座で利用可能と案内されており、既にみんなの銀行の口座を持っている方は、メルカリアプリから連携するだけで利用を始められます。

アプリに銀行機能を組み込む「エンベデッドファイナンス」

今回のメルカリバンクは、「エンベデッドファイナンス」(組み込み型金融)と呼ばれる仕組みを採用しています。
これは、「銀行アプリを開いて振込する」のではなく、ユーザーが日常的に使っているアプリの中に、自然な形で金融サービスを組み込む考え方です。

メルカリバンクでは、メルカリアプリの中から、口座開設・残高確認・即時送金・ATM出金といった銀行機能をまとめて利用できます。
みんなの銀行は、メルペイに対して複数のAPI(参照系・更新系)を提供しており、それによりメルカリバンクのサービスが実現しています。

メルペイは“ウォレット”へ進化

メルペイはこれまで、「メルカリの売上金を使って支払えるスマホ決済サービス」として、メルペイスマート払いメルカードなどの後払いサービスを提供してきました。
ユーザーは「先に買い物をして、後から売上金で清算する」という使い方もできるようになっていました。

メルペイは今後、決済や与信サービスにとどまらず、よりシームレスな金融体験を提供する「ウォレット」への進化を掲げています。
メルカリバンクの開始は、その第一歩と位置づけられており、売上金の管理から決済、出金までを一つの流れで完結できる環境を整えています。

ユーザーにとってのメリットをおさらい

  • フリマの売上金をすぐに現金として使える(即時入金+ATM出金)
  • 手数料無料で出金できるため、売上金を目減りさせずに活用できる
  • メルカリアプリの中で、売上金・銀行残高・メルペイ残高をまとめて確認・管理できる
  • メルカリバンク口座からメルペイへのチャージメルカードの清算も行え、お金の出入りをスムーズに回せる
  • 別アプリを立ち上げる手間なく、普段使いのメルカリアプリだけで銀行サービスを利用できる

フリマアプリとして始まったメルカリは、メルペイやメルカードといった金融サービスを通じて、「売る・買う」体験だけでなく、「ためる・払う・引き出す」といったお金の動き全体を支える存在へと広がりつつあります。
今回のメルカリバンクは、その流れをさらに一歩進める取り組みといえるでしょう。

参考元