堀田丸正、米Bakkt傘下企業が筆頭株主に – 多国籍ビットコイン財務戦略の幕開け
2025年8月6日、日本の上場企業である堀田丸正が米国の暗号資産(仮想通貨)関連大手Bakkt傘下の企業に対して、株式約30%を譲渡し、新たな筆頭株主となったことが明らかになりました。この発表を受け、同社の株価はストップ高となり市場から大きな注目を集めています。
米Bakktが堀田丸正株式取得、筆頭株主へ
今回の株式譲渡は、堀田丸正の親会社であるRIZAPグループからBakkt Opco Holdingsへ行われました。譲渡株数は約1,686万株、譲渡単価は1株99円41銭で、総額約16.8億円の取引となりました。これにより、RIZAPの持株比率は従来の約57.26%から約27.26%へ大幅に低下し、堀田丸正はもはや連結子会社ではなくなります。
Bakktはこの取得を通じて、堀田丸正を拠点とした多国籍のビットコイン及びデジタル資産に関わる財務戦略を開始する方針です。将来的には会社名を「bitcoin.jp」に変更し、デジタル資産向けの企業向け金庫(カストディ)など新たな事業領域に注力する見込みで、その際は株主の承認が必要となります。
取引の背景とRIZAPの戦略変更
RIZAPグループは近年、健康関連の成長事業「chocoZAP」などに経営資源を集中させる戦略を進めており、繊維卸の堀田丸正事業を切り離す方針を示してきました。6月には福岡の企業に同規模の株式売却を検討していましたが条件変更により破談となり、今回はBakktの提案を受け入れる形でクロージングに至りました。
今回の譲渡により約6億2,300万円の売却益を見込んでおり、RIZAPにとっては事業資源の再配分および経営効率化を目指す重要な局面となっています。
市場反応と今後の展望
この発表を受けて2025年8月5日の取引では、堀田丸正の株価が前日比56.6%の急騰となりストップ高の83円を記録しました。投資家の間では、Bakktの先進的な暗号資産事業との提携が企業価値の向上につながるとの期待感が強まっています。
Bakktは過去に7500万ドルの資金調達を行い、伝統的な忠誠事業を売却して暗号資産関連に経営資源を集中してきました。今回の堀田丸正の取得は、日本市場におけるビットコイン事業の拡大を狙った戦略の一環とみられます。
今後の課題とポイント
- 定款変更の可否:ビットコイン等のデジタル資産事業追加には株主の承認が必要であり、慎重な審議が求められる。
- 事業シナジー創出:Bakktのグローバルな暗号資産プラットフォームと堀田丸正の日本市場での存在感をどう融合させるかが鍵となる。
- 規制環境:暗号資産関連事業は各国の規制変化に影響を受けやすいため、今後の国内外のルール動向を注視する必要がある。
これまで繊維卸として知られた堀田丸正が、米Bakkt傘下としてビットコインを中心に据えたデジタル資産会社へと大きく舵を切ることで、日本の暗号資産市場全体にも影響を与える可能性があります。これからの動向に注目が集まります。