ローソンのクレーンゲームが大人気の理由と店舗拡大の背景
コンビニエンスストア大手のローソンが、2025年度中にクレーンゲーム機を全国で1000店舗に設置する計画を進めており、すでに2025年6月末時点で852店舗に導入されるまで急速に拡大しています。この記事では、なぜローソンのクレーンゲームが好調なのか、その背景や仕組み、今後の展望について詳しく説明します。
ローソンがクレーンゲームの設置を本格展開した経緯
ローソンは2022年10月に近畿エリアでクレーンゲーム機の設置を試験的に始めました。その後、2024年4月から全国に向けた本格展開に乗り出し、2025年7月時点で全国の623店舗に設置。6月末には既に852店舗に拡大し、来年度中に1000店舗体制を目指しています。これほどのスピードで広がったのは、コロナ禍以降の消費者の娯楽の多様化や「体験価値」の重視が背景にあります。
なぜローソンのクレーンゲームはここまで増えたのか?
- 新たな店舗収益源としての成功
当初は実験的な取り組みでしたが、一回100円の設定で気軽に遊べることから多くの利用客が集まり、売上が大幅に伸びています。実際、クレーンゲーム導入店舗の売上は目標比で150%に達しており、店舗運営側にとってもプラス効果が大きいのです。 - アミューズメント企業タイトーとの連携
ゲーム機の設置・運営はアミューズメント事業を手掛ける「タイトー」が委託で行っており、専門ノウハウを活かした効率的な運営が可能です。タイトーは景品の選定やメンテナンスも担い、クオリティの高いサービスを実現しています。 - 店舗スペースの有効活用
ローソン店舗のちょっとした空きスペースにゲーム機を置くことで、無駄なくスペースを活用。大型のアミューズメント施設のない地域でも気軽に楽しめることが評価されています。 - 世代を超えた幅広いユーザー層の支持
子どもから大人、さらにはインバウンド観光客など、多様な年代と目的の人々に人気を集めています。特に「推し活」や「コト消費」といった体験重視のトレンドに合っており、単なる買い物以上の楽しみとして定着しています。
クレーンゲーム導入による店舗へのメリット
- 利益配分と運営費用の仕組み
ゲーム機の設置費はローソン本部が負担し、店舗側は電気代のみ負担。ゲーム1回100円の売上はそのまま店舗収入になるため、オーナーにとって新たな収益源として魅力的です。 - 来店者数の増加効果
クレーンゲーム設置店舗は「遊べる」場所として注目され、来店客数の増加につながっています。客層が広がることで商品購入にも良い影響を与えています。
今後の展望と差別化戦略
ローソンは今後、設置店舗数の拡大だけでなく、ゲームセンターとの差別化を図るためにオリジナル景品の開発を検討しています。地域限定やローソンならではのキャラクターグッズなど、ここでしか手に入らない景品が登場すれば、さらに利用者の関心を引くでしょう。
また、千葉県内一部店舗での車中泊施設「RVパーク」導入など、新たな店舗活用の実証実験も開始。クレーンゲーム導入と連動して、多様な体験価値の提供で店舗の役割を拡張する動きも見られます。
まとめ
ローソンのクレーンゲーム設置は、手軽さと体験価値の提供により3年で852店舗まで広がり、2025年度中には1000店舗達成を目指す勢いです。タイトーとの協業や店舗スペースの有効活用、そして「推し活」「コト消費」といった時代の潮流にマッチしたサービス提供が支持を集めています。これにより、来店客の増加や店舗収益向上に寄与し、新しいコンビニの形として注目されています。