串カツ田中、7月の既存店売上高が9カ月連続前年超えで株価も急騰

串カツ田中ホールディングス(証券コード:3547)が、2025年7月度の月次売上高で直営店の既存店売上高が前年同月比15.8%増となり、これで9カ月連続で前年を上回る好調な業績を記録しました。この業績好調を背景に、同社の株価は6日連続で続伸し、2021年11月以来の高値を付けています。

7月の売上動向と背景

  • 直営店の既存店売上高は前年同月比で15.8%増加し、客数も18.7%増を記録しました。
  • 客単価は2.4%減少したものの、客数の大幅増が売上増に大きく寄与しました。
  • 7月は例年に比べて梅雨の影響が少なく、天候に恵まれたことも来店客の増加に繋がりました。
  • 今年4月に導入された低価格帯の新商品「無限ニンニクホルモン串」は約3ヶ月で累計500万本を販売するヒット商品となっています。

株価の好調推移

この好調な業績発表を受けて、2025年8月6日の終値は前日比172円高の2,220円となり、6日連続で続伸しました。これにより、同社株は2021年11月以来の高値水準に達しています。

今後の展望と経営戦略

串カツ田中は、主力ブランド「串カツ田中」の売上が企業収益の約90%を占める「一本足打法」体制が続いていますが、持続的な成長のために複数の戦略的取組みも進めています。

  • 店舗体験型企画「田中で養豚場」シリーズの好調によるブランド強化。
  • 出張ケータリングやイベント飲食、OEM冷凍商品の拡販により、新たな収益源の開拓。
  • 海外展開の再検討(ベトナム、ハワイ市場)を進めており、将来的な事業拡大を模索。

加えて、財務面では人件費削減や店舗統廃合による販管費の圧縮に成功し、営業キャッシュフローはプラスに転じています。有利子負債の大幅圧縮はしていないものの、自己資本比率は約54.8%を確保し、現金預金も十分であるため、経営の安定基盤は強固です。

まとめ

串カツ田中ホールディングスは、2025年7月も既存店売上が高い伸びを示し、9カ月連続の前年比プラスを達成しました。客数が大きく増えたことと、人気の新商品が顧客を引き付けたことが主な要因です。これにより株価も大きく上昇し、企業価値の向上が印象付けられました。

今後も「串カツ田中」ブランドの強みを活かしつつ、新たな収益源の開拓や海外展開に注力することで、安定した成長軌道の維持が期待されています。

参考元