KORAMCO LIFE INFRA REITによるガソリンスタンド売却と脱エネルギー型資産転換、そしてガソリン税暫定税率廃止がもたらす影響
はじめに
2025年11月、韓国の総合資産運用会社KORAMCO LIFE INFRA REIT(コラムコライフインフラリート)が、ガソリンスタンドを売却し、その敷地を活用して初めてホテル開発事業に着手する旨を発表しました。また、日本国内では、ガソリン税の暫定税率の廃止が来年1月から予定されており、大きなニュースとなっています。本記事では、ガソリンスタンドを巡る大胆な土地利用転換と、ガソリン価格および給油タイミングに関する市民生活への影響について、わかりやすく解説します。
KORAMCO LIFE INFRA REITとは
KORAMCO LIFE INFRA REITは、韓国の資産運用会社コラムコ資産信託が運用するリート(不動産投資信託)です。これまで社会インフラや収益性の高い不動産に投資してきた同リートですが、近年の脱炭素社会の流れを受け、ガソリンスタンドといったエネルギー系資産から、非エネルギー型資産への転換を加速しています。
ガソリンスタンドからホテルへ:大胆な転換の理由
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エネルギー転換の潮流
世界的にみてもガソリンスタンドの数は、電気自動車の普及や環境規制強化により徐々に減少傾向です。そのため、都心部の価値ある立地にあるガソリンスタンド跡地は、より収益性の高い土地利用方法への転換が進んでいます。
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初のホテル開発事業
KORAMCO LIFE INFRA REITは、ソウル市鍾路区斎洞のガソリンスタンド敷地の撤去に着手し、リートとして初となるホテル開発を進めることを発表しました。これは、収益の多様化と将来的な安定収入の確保を目指した戦略的判断です。
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都市再開発・街の価値向上
ガソリンスタンドは火気や危険物管理の観点から土地活用に制約が強い一方、撤去後は観光業振興・街のにぎわい創出に不可欠な新しい商業施設(ホテルやオフィスビル等)へと生まれ変わる例が増えています。
KORAMCOの土地活用転換が示すもの
- 社会・経済構造の変化
ガソリンスタンド自体が減少し、多様な事業用地に用途変更される中、都市の活性化や土地の有効活用、脱炭素化、観光産業拡大など、社会構造そのものが変化していることが浮き彫りになっています。
- 投資家・地域社会へのメリット
非エネルギー型資産への転換で、不動産の流動性・収益性が向上し、加えて、ITや観光、ビジネス支援など多様な分野との連携拡大が期待できます。
ガソリン税暫定税率の廃止、その影響は?
日本国内ではガソリン税の暫定税率が2026年1月1日付で廃止される見通しです。これにより、多くの市民はガソリン価格の大幅な値下げを期待しています。しかし、「年末に給油したら損するのか?」「年明け早々に安くなるのか?」という疑問も多く聞かれます。
ガソリン税・暫定税率とは?
ガソリン税は、自動車用の揮発油に課される国税で、1950年代から暫定的に上乗せされた「暫定税率」が適用されています。多くの年度で財政等の理由ですぐに廃止されず、実質的に恒久化されてきましたが、2026年1月からこれが廃止されることになりました。
年末・年始のガソリン価格はどうなる?
- 制度施行日は2026年1月1日
一般的に「改正の施行日」をまたぐ商品の価格・在庫については、施行日前、すなわち2025年12月末までに仕入れられたガソリンには旧税率が適用されます。
- 「給油したら損」になる?
1月1日以降、大手石油元売りやスタンドは新税率適用分のガソリンへの切り替えを順次進めます。しかし、年末に仕入れた在庫分には旧税率がかかっているため、その在庫がはけるまでは即座に値下げにならないケースもあります。
したがって「絶対に年末に給油するのが損」とは言い切れませんが、1月中旬以降には新税率反映の価格が主流になると予想されています。
- 供給・在庫事情で値下げタイミングは異なる
地域や店ごとに「在庫をどれだけ多く備蓄しておくか」が異なるため、一律に値下げ時期は断定できませんが、多くのガソリンスタンドでは1月1日以降徐々に値下げが進むと予想されます。また、初売りなどのタイミングも相まって混雑することが考えられますので、こまめな情報チェックがおすすめです。
ガソリンスタンド業界の今後
ガソリンスタンドは従来の給油サービスにとどまらず、カフェ併設・カーケア総合店舗・地域交流施設化など、多角的な業態転換を模索しています。一方、交通量減少やEV(電気自動車)普及、規制強化、人口減といった要因で、全国的に店舗数は減少傾向を示しています。都市部や主要幹線道路沿いの一部店舗は、新たな収益モデルを求めて土地の有効活用・用途転換を模索し始めています。
まとめ:市民生活と産業構造への広がる影響
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不動産投資・都市再開発の視点
KORAMCO LIFE INFRA REITの事例は、不動産、都市計画、観光、エネルギー政策といった複数分野の動向が交差する象徴的な未来像です。
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ガソリン税見直しで家計負担軽減
ガソリン税の暫定税率廃止は、多くの家庭や物流業界でコスト負担が軽減される期待があり、消費活動の活性化や景気下支えにもつながる政策です。
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今後必要とされる柔軟な対応
急速な社会・経済変化の中、ガソリンスタンド経営はもちろん、消費者も最新情報に目を向け、環境や家計・地域活性の観点からも賢い選択と準備が求められる時代となっています。
Q&A:よくある質問
- Q: ガソリン税の暫定税率廃止でどのぐらい安くなる?
暫定税率分は1リットルあたり約25円程度とされてきましたが、実際の店頭価格への反映は流通コストや地域事情なども影響します。
- Q: 今後もガソリンスタンドの減少は続く?
EV普及や人口動態、再開発機運などにより、しばらくは減少傾向が続くと見込まれています。主要都市や地方拠点の店舗は地域インフラとして多機能化する傾向が進みます。
- Q: 年末の給油は損?
年明け以降に理論上安く買える可能性は高まるものの、直ちに全てのガソリンスタンドで大幅値下げになるわけではありません。生活リズムや家計状況も考慮し、ご自身に合ったタイミングでの給油をおすすめします。
さいごに
今まさにガソリンスタンドは、「まちの燃料供給拠点」から、「未来型都市の新たなランドマーク」へと変わろうとしています。その大きなうねりの中、生活や経済・街づくりがどう変わるのか、今後も最新動向を見守っていきたいものです。



