大阪・関西万博「ミャクミャク」グッズ好調、近鉄百貨店が業績予想を上方修正

2025年9月26日、大阪・関西万博に関連する公式キャラクター「ミャクミャク」のグッズが人気を集めており、その販売好調を背景に近鉄百貨店が中間決算および通期業績予想を上方修正しました。近鉄百貨店はこれまでの予想から一転して増益を見込んでおり、注目が集まっています。

万博公式グッズの売上が業績をけん引

  • 万博会場内のオフィシャルストア「西ゲート店 KINTETSU」において、公式グッズ、とりわけミャクミャク関連商品の売上が大きく伸びています。
  • この売上拡大が、近鉄百貨店の売上高と営業利益の増加に寄与しました。
  • 2025年3~8月期(上期)の連結経常利益予想は、従来の18億円から26億円へ44.4%も上方修正されています。前年同期は18.2億円だったため、42.9%増益見通しとなります。

通期利益も増益予想に修正

  • 2026年2月期の連結経常利益予想は、従来の48億円から52億円へ8.3%上方修正されました(前期は51.4億円)。
  • これにより、通期で1.0%増益の見込みとなっており、今後も安定した収益基盤の維持が期待されています。
  • 売上高は1210億円で据え置きですが、営業利益や最終利益もそれぞれ前年並みを維持しつつ、利益率の改善が明確となっています。

「ミャクミャク」関連グッズとは

「ミャクミャク」は大阪・関西万博の公式キャラクターです。愛嬌のあるデザインで注目を集め、幅広い層の来場者やファンから高い人気を誇っています。

  • グッズの種類はぬいぐるみ、文房具、アパレル、雑貨など多岐にわたります。
  • 万博会場限定品のみならず、百貨店やオンラインショップでの一般販売も好調です。
  • キャラクターの魅力が、関連商品の購買欲を刺激し、コレクションやお土産需要もしっかり取り込んでいます。

百貨店各社への波及効果

今回の近鉄百貨店における業績上方修正は、万博需要の広がり、特にキャラクターグッズによる新たな収益モデル創出の一端を示しています。

  • 百貨店業界は、従来の衣料品や贈答品、食品中心の売上構成から、多様なキャラクター商品や体験型売場へと進化しています。
  • 近鉄百貨店のように、万博期間中のイベントや企画販売に注力することで、新しい顧客層の開拓に成功しています。
  • 大手百貨店の決算報告やIR情報を見ると、月次・四半期の売上も万博関連グッズがけん引する傾向が明らかです。

売上高・利益の推移とポイント

  • 2025年3~8月期(上期)売上高は62,500百万円、前年同期比4.3%増。
  • 上期営業利益は2,600百万円で前年同期比30%増など、複数指標で大幅な上方修正となっています。
  • 配当金予想は変更なく、安定配当も維持しています。
  • 大規模改装工事に伴う固定資産除去損など、特別損失も織り込み済みで、業績修正はグッズ需要をしっかり反映した合理的な内容となっています。

万博開催による地域・経済への影響

万博は関西エリアの活性化や観光需要の増大に直結しています。

  • 会期中は国内外から多くの来場者が訪れ、関連グッズの販売は地元経済の活性化にもつながっています。
  • ミャクミャクグッズは、記念品やSNS話題など消費者の購買行動に大きな影響を与えており、イベント終了後も継続需要が見込まれています。
  • 百貨店の売場展開や物流体制、マーケティングも柔軟に対応することで波及効果がエリア全体に広がっています。

今後の展望と課題

  • 万博需要は一過性となる懸念がある一方、キャラクターグッズの開発や販路拡大を通じて持続的な収益基盤構築が課題となります。
  • 近鉄百貨店は今後も会場ストア・ECサイトなどで多様な商品展開を予定しており、新規顧客獲得・リピーター増加への取り組みが続けられます。
  • 「ミャクミャク」グッズのヒットは、伝統的百貨店の新しい事業形態としても注目を集めており、他社の今後の戦略にも波及する可能性があります。

まとめ:ミャクミャク特需が近鉄百貨店の業績を押し上げ

2025年大阪・関西万博に関連した「ミャクミャク」グッズの販売好調により、近鉄百貨店が中間期および通期業績予想を大幅に上方修正しました。万博効果が地域経済はもちろん、百貨店業界全体の新たな収益機会となっており、今後も顧客ニーズの変化に合わせた柔軟な事業運営が求められます。

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