川崎重工、最新型ヘリコプター「H145//BK117 D-3」1機受注

川崎重工業は、最新型中型双発ヘリコプター「H145//BK117 D-3」を合計1機受注したことが、2025年8月に話題となっています。このヘリコプターは、ドクターヘリや消防、防災用として多方面に活躍が期待されており、性能面でも最新技術を備えています。

受注の詳細と運用予定

今回の受注機は、消防用を中心に使用される予定で、2027年3月に神戸市へ納入される見込みです。この受注は同社における「H145//BK117 D-3」の消防・防災向けとして6機目にあたり、累計受注数は37機となりました。加えて、医療向けドクターヘリとしても別途受注が重なり、計35機以上の納入実績があります。

「H145//BK117 D-3」の特徴と性能

  • 優れた機動性:迅速に現場に到着でき、一刻を争う救急医療や救助活動に貢献します。
  • 広いキャビン容積:日本国内のドクターヘリで最大級のキャビンスペースを持ち、多数の医療器具の搭載が可能です。
  • 高いホバリング性能:特に山岳地帯など高高度での空中停止能力が向上し、安全な救助活動の遂行を実現します。
  • 最新型5枚ブレード・メインローター:低振動化と整備効率の向上をもたらし、運航コストの削減に貢献。
  • アビオニクスの装備強化:現代の電子制御機器が搭載され、パイロットの負担軽減と安全性が高まっています。
  • 観音開きカーゴドアとフルフラットフロア:ストレッチャー搬送がスムーズにでき、医療搬送の効率化を図っています。

川崎重工とエアバスの連携による多用途ヘリコプター生産強化

さらに、川崎重工はエアバス・ヘリコプターズとの協業により、多用途ヘリコプターの分担品を増産する計画を推進しています。これは世界で累計2,000機以上が納入されているBK117シリーズの技術継承と拡大を図るもので、国内外の多様なニーズに対応する狙いがあります。

BK117シリーズの歴史と実績

BK117は1982年に旧西ドイツのMBB(メッサーシュミット・ベルコウ・ブローム)と川崎重工が共同開発し、翌83年に初号機が納入されました。以来、日本を含め世界各地でドクターヘリ、消防、防災、警察、輸送など幅広い分野で利用されており、川崎重工の納入分は204機にのぼります。

まとめ

川崎重工の最新型「H145//BK117 D-3」は、従来モデルを大きく上回る性能向上を実現し、医療搬送や消防、防災活動の現場で高い評価を得ています。今後も同社は、エアバスとの協力を通じて多用途ヘリコプターの生産体制を強化し、日本の社会的インフラや安全保障に貢献していく姿勢を明確にしています。

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