関西電力、2026年3月期第2四半期決算で業績予想を大きく上方修正
2025年10月30日、関西電力株式会社(東証プライム、証券コード9503)が2026年3月期第2四半期(中間期)決算および通期業績予想の上方修正を発表しました。あわせて、年間配当の増額も正式に開示され、株主や市場関係者の注目を集めています。
決算発表の概要
- 発表日:2025年10月30日(16時45分)
- 対象期間:2025年4月~2025年9月(第2四半期累計)
- 発表内容:連結経常利益および通期見通しの上方修正、年間配当予想の増額
第2四半期累計決算のポイント
第2四半期累計(2025年4月~9月)の連結経常利益は3149億円となり、前年同期比で1.3%の減少となりました。ただし、直近3ヵ月(7-9月)の経常利益は前年同期比20.0%増(1803億円)と大きく伸長し、営業利益率も13.5%まで向上しました。
- 第2四半期累計連結経常利益:3149億円(前年同期比 1.3%減)
- 直近3ヶ月(7-9月)経常利益:1803億円(前年同期比 20.0%増)
- 売上営業利益率:13.5%(前年同期 12.9%)
このような業績の背景には、電力需要の安定や燃料費調整などを通じたコストコントロール、そして事業構造改革の成果が反映されています。
通期業績予想の大幅上方修正
関西電力は2026年3月期通期の連結経常利益予想を、従来の4000億円から4900億円へ、22.5%上方修正しました。これにより、減益幅も当初想定の24.8%減から7.8%減へ大きく改善する見通しとなっています。
- 従来予想:4000億円(減益率 24.8%減)
- 修正後予想:4900億円(減益率 7.8%減)
- 前年実績:5316億円
- 直近下期(10-3月期)の経常利益見込み:1750億円(前年同期比 17.6%減)
これは、燃料コストの安定や販売戦略の強化、ならびに電力価格の適正転嫁など、幅広い経営施策が功を奏したものと分析されています。
年間配当も大幅増額、株主還元強化へ
業績好調を受けて、今期の年間配当予想も従来の1株あたり60円から75円へ増額されます(前期は60円)。これは、株主還元の強化を重視する姿勢が明確に表れたもので、市場関係者からも好意的に受け止められています。
- 前期配当:60円
- 従来予想:60円
- 修正後予想:75円(15円増額)
関西電力の経営戦略と今後への期待
関西電力は、コスト競争力の強化や再生可能エネルギーへの投資、低炭素社会実現への対応など、持続可能な発展に向けて多面的な経営戦略を推進しています。過去数年で経営の安定性も向上し、自己資本比率や純利益率が堅調に改善していることが確認されています。
特に、電力事業は世界的に再生可能エネルギーへの転換やDX(デジタルトランスフォーメーション)が求められるなか、関西電力はサービス品質強化や新事業開発にも積極的に取り組んでいます。今後も、電力インフラの安定供給と競争力維持、スマートグリッド導入や脱炭素推進などが経営上の柱となります。
株式市場の反応と投資家動向
発表翌日の関西電力株は、一時3%を超える上昇を記録し、市場からもポジティブに評価されています。過去一年間で安定した業績改善とともに、EPS(1株あたり利益)や自己資本比率も高まりつつあり、中長期的な投資魅力への期待も高まっています。
直近1週間の投資家心理では「強く買いたい」とする声が25%にのぼり、業績の改善傾向と配当増額による株主還元への評価が現れているとの分析も示されています。
関西電力の直近決算・配当情報まとめ
- 第2四半期累計連結経常利益:3149億円(前年同期比1.3%減)
- 7-9月期経常利益:1803億円(前年同期比20.0%増)
- 通期経常利益予想:4900億円へ(22.5%上方修正、減益率7.8%減に改善)
- 年間配当予想:75円へ(従来60円から増額、前期比15円増)
- 業績好調による配当増額や株主還元姿勢強化を打ち出す
おわりに
今回の決算発表と上方修正は、関西電力が事業構造改革や財務体質の強化を通じて持続的な成長基盤を築いている現れといえます。電力業界全体では競争環境が激化しているなか、脱炭素や再生可能エネルギー推進を含む中長期戦略が今後も注目されることでしょう。配当増額や株主への積極的な還元姿勢は、投資家からも大きな関心を集めています。業績のさらなる安定化・成長を期待したいところです。


