JCBと三井住友カードの大きな転換点 ― タイ国際航空提携カード申込終了と「J-POINT」新サービス始動
はじめに
2025年9月9日、国内外のクレジットカード利用者にとって注目すべきニュースが立て続けに報じられました。JCB(ジェーシービー)と三井住友カードは、タイ国際航空との提携カード「ロイヤルオーキッドプラスカード」の新規申込受付を終了。これと並行して、JCBは自社ポイントプログラムの刷新と新サービス「J-POINT」の開始を発表しています。
本稿では、この二つの大きなトピックについて、背景や詳細、影響、今後の展望を解説します。
タイ国際航空提携カードの”幕引き” ― 新規申込終了の背景
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提携カード終了の概要
2025年6月30日をもってロイヤルオーキッドプラスJCBカード、7月31日にはロイヤルオーキッドプラスVISAカードの新規申込受付がそれぞれ終了しました。これにより、タイ国際航空と日本の大手カード会社の長い提携関係に一区切りがついた形です。
提携カード各種の特徴とサービス内容
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ロイヤルオーキッドプラスJCB一般カード
提携先:タイ国際航空
年会費:5,500円
主な特典:100円利用ごとに1マイル付与。
申込資格:18歳以上(学生可)
付帯保険:海外旅行傷害保険(最高2,000万円)、お買物安心保険あり。 -
ロイヤルオーキッドプラスJCBゴールドカード
年会費:16,500円
申込資格:20歳以上(本人に安定した収入)
一般カード同様にショッピング枠・キャッシング枠・付帯保険サービスが充実しています。 -
ロイヤルオーキッドプラスVISAカード(三井住友カード)
年会費:5,500円(初年度無料)
家族カード:440円(初年度無料)
海外旅行傷害保険やお買物補償サービスが付帯。マイレージプログラム「ロイヤルオーキッドプラス」100円1マイル換算。
なぜ新規申込終了となったのか?背景を読み解く
カード会社・航空会社のコメントは現時点で公表されていませんが、金融業界では提携カードの見直しやラインナップ整理が進む傾向にあります。提携の再編、サービスの複雑化解消、または新サービス拡充のためのリソース集中が背景と考えられます。
既存カード保有者には大きな変更はなく、これまで通りのサービス利用が当面可能です。
「J-POINT」サービス開始 ― JCBのポイント戦略の転換
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新サービスの概要
JCBは2026年1月より「Oki Dokiポイント」のプログラムをリニューアルし、「J-POINT」サービスを導入します。長年親しまれてきたOki Dokiポイントからの大規模な転換であり、利用者がより便利に、価値あるポイント利用体験を得られることを目指しています。 -
J-POINTの特徴
- 統一されたポイント名称により、JCBカードユーザーがポイント交換などを直感的に行えるようになります。
- これまで積み上げたOki Dokiポイントは、J-POINTへと順次移行される見込みです。
- JCB加盟店や提携サービスでの利用拡大も期待されています。
Oki Dokiポイント刷新の理由 ― 顧客満足度向上と時代の変化
キャッシュレス社会の進展、ライフスタイルの多様化に合わせて、ポイントの使い勝手や付与率、交換サービスなどの競争が激化しています。Oki Dokiポイントは長らくJCB利用者に親しまれてきましたが、「J-POINT」への刷新で、ポイント運用の透明性や利便性が向上し、加盟店連携の拡充、顧客満足度向上が期待されています。
既存ユーザーへの影響と今後の対応
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ロイヤルオーキッドプラスカード既存会員
新規申込は終了していますが、保有カードの利用・サービスは継続されます。従来通りタイ国際航空のマイル獲得や、各種付帯サービスも利用可能です。 -
Oki Dokiポイント利用者
2026年1月以降、ポイントは「J-POINT」へ自動的に移行・統合される形となる見込みです。移行時期や仕組み等、JCBからの公式発表を待つことになります。
金融業界の提携カード再編 ~日本のカード会社は何を目指すのか ~
国際ブランドとしてのJCBの役割は、日本国内のみならずアジア・世界各国へと拡大。今回の提携カード申込終了やポイント事業の刷新は、カード会社全体が「選択と集中」を進め、顧客の利便性、サービスの質向上を目指している流れの一例といえます。
また、提携カードの新陳代謝は、利用者への多様な選択肢の提供にもつながります。一方、既存ユーザーには安心して使い続けられる体制の確保が重要です。
今後の見通しと主なポイント
- 提携カードの整理・再編は今後も継続する可能性
- ポイントサービスの進化により「使いやすさ」「価値」が今後ますます重視される
- 現ユーザーは変更点を随時公式情報で確認することが重要
まとめ
今回は「JCBと三井住友カードによるタイ国際航空提携カード新規申込終了」そして「JCBによる新サービス『J-POINT』」について、公式情報や業界の傾向をもとに解説しました。
カード業界は変革の時代を迎えつつあり、利用者にとっても一つ一つの変化を正しく理解し、賢く活用していくことがより重要になってきます。今後も公式発表や新サービス、各種制度改定の情報に注目し、安全・便利なキャッシュレスライフを送りましょう。