日本初の「泊まれる植物園」が誕生!茨城県植物園が11月29日グランドオープン

茨城県那珂市に、日本初となる「泊まれる植物園」「THE BOTANICAL RESORT 林音(ザ ボタニカルリゾート リンネ)」が2025年11月29日(土)12時にグランドオープンします。これまで利用者数が減少していた茨城県植物園が、民間活力を導入して大規模にリニューアルされ、新しい観光拠点として生まれ変わります。

老朽化した施設から新しい体験型リゾートへ

茨城県植物園は1981年の開業以来、40年以上にわたって県民に親しまれてきました。しかし、施設の老朽化などにより利用者数が大きく減少。1995年度の約23万8000人をピークに、2023年度は約5万6000人にまで落ち込んでいました。この状況を打開するため、県は民間活力の導入を決定。既存の植物は極力残しながら、全く新しいコンセプトで施設全体を再整備してきたのです。

リニューアルにより、植物園は「泊まる」「癒される」「食べる」「遊ぶ」といった多彩な体験が一度に楽しめる新感覚の体験型リゾートへと生まれ変わりました。何より注目すべき点は、入園料が無料になったことです。これまで有料だった植物園エリアが無料開放となり、誰もが気軽に四季折々の約600種5万本の植物が華やぐ園内を回ることができるようになります。

充実した宿泊・温浴施設で自然に包まれる時間

新施設の中核となるのが、豊かな緑に囲まれたグランピング施設と、茨城県産木材を使った木造の温浴施設です。特に注目が集まるのが、茨城県初となるおふろcafe「おふろcafe りんねの湯」で、11月29日に同リゾート内にグランドオープンします。

「りんねの湯」では、自然温泉とハーブ湯を使用した贅沢なバスタイムが実現します。園内で栽培されたハーブを使用したハーブ湯は、エルダーフラワーなど効能に優れた4種のハーブがブレンドされており、リラックス効果や血行促進が期待できます。温浴施設には、レモングラスなどの香りを楽しむサウナやブックラウンジ、キッズルームも完備されており、家族連れでも快適に過ごせます。

宿泊者限定の特別な体験も用意されています。夜間には、熱帯植物館のライトアップショーが開催され、約240種2万3000本の植物が七色の光とスモークの美しい演出とともに観賞できます。平日は2回、土日祝日は4回開催される予定です。翌朝は、宿泊者だけの醍醐味である早朝散歩を楽しむことができ、朝日に照らされた園内の表情を独り占めできます。

地元食材にこだわったグルメ体験

施設内のレストランでは、地産地消にこだわった料理が楽しめます。つくば鶏のハーブローストや、ブランド豚「常陸の輝」のソテーなど、茨城県産の厳選された食材を使用した逸品ばかりです。ランチとディナーは日帰り客も利用可能で、宿泊しない方でも本格的なグルメを堪能できます。

朝食は、県産野菜の鮮やかなサラダバーが目を引くバイキング形式で、約50品が並びます。ドレッシング5種とトッピング12種の組み合わせで、自分好みのオリジナルサラダを作る楽しみもあります。さらに、宿泊者が園内や県産のハーブでオリジナルのハーブティーを作れるコーナーもフロント脇に設置されており、9種類の風味や効能を参考にしながら、自分だけのブレンドを楽しむことができます。

五感で緑に親しむ多彩なアクティビティ

新施設には、樹上アスレチックなど、五感で緑に親しむ体験メニューが豊富に用意されています。子どもから大人まで、自分のペースで自然と触れ合いながら、心身ともにリフレッシュできる環境が整っています。

グランドオープン当日の特別イベント

オープン当日には、日帰りで来園する方も宿泊する方も楽しめる特別な催しが用意されています。最初の先着200名様には、茨城県産木材で作られたオリジナルタンブラーがプレゼントされます。さらに、茨城県内の人気ご当地キャラクター4体が登場し、来園者を出迎えます。また、「りんねの湯」の利用者には100円引き券がプレゼントされる予定です。

地域への貢献と今後の目標

指定管理者となる特別目的会社「ボタラシアンリゾート」は、2029年度の目標として年間38万人の来場と売上高10億円以上を掲げています。担当者は「地元にいかに愛されるかがミッション。りんねの湯を中心に長時間の滞在を促したい」とコメントしており、施設が茨城県を代表する観光拠点へ成長することへの強い決意が感じられます。

アクセスも便利で、常磐自動車道那珂インターチェンジから車で北西に約15分の立地です。駐車場は周辺6カ所に計725台分が用意されており、多くの来園者を受け入れる体制が整えられています。

新しい観光の形を提案する施設として期待

「THE BOTANICAL RESORT 林音」は、単なる植物園から、「泊まる」「癒される」「食べる」「遊ぶ」といった複数の体験を組み合わせた、新しい観光スタイルを提案する施設へと進化します。自然に包まれながら、心身ともにリフレッシュできるこの施設は、茨城県の新しい観光拠点として、今後多くの注目を集めることが期待されています。

11月29日の11時30分からは事前に記念式典が開催されました。県知事をはじめとした関係者が、この新しい施設の誕生を祝いました。茨城県民はもちろんのこと、県外からの観光客も訪れたくなるような、新しい魅力を備えた施設として、「林音」は新しい時代を迎えることになります。

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