iFreeHOLD日本国債(JGB2056)登場:NISAで100円から国債投資が可能に
2025年8月、日本の投資界隈で大きなニュースが飛び込んできました。「iFreeHOLD 日本国債(JGB2056)」という新たな投資信託が誕生し、NISAの成長投資枠にも対応、さらに100円から国債に手軽に投資できる時代が到来しています。このニュースは、従来の「国債=大口・長期・堅実」イメージを変える、個人投資家にも開かれた新しい扉です。
なぜ今、30年国債が注目されるのか?
国債の期間は一般的に1年から10年が主流でしたが、30年という超長期の国債が投資対象になることで資産形成の選択肢が広がります。30年国債は、長期的な金利動向や経済・インフレ予想を反映しやすい特徴があり、金利の変動が株式以上に価格へ影響します。償還まで保有することで利回りが確定しやすく、安定的な資産形成を志向する人には魅力的な商品です。
- 今までの個人向け国債は5万円単位でした。一方、iFreeHOLD JGB2056は100円から1円単位で購入できるため、小額で分散投資が可能です。
- 国が発行・保証するため信用度が非常に高く、為替リスクもありません。将来の返済に不安を抱く必要がないことも国債ならではのメリットです。
- NISA成長投資枠での購入が可能となり、「非課税」で利子や譲渡益などのメリットを享受できます。
30年国債の価格変動とメリット・デメリット
超長期国債は、経済環境の変化や長期金利の動向に敏感です。例えば、金利が下がれば債券価格は上がるため、途中解約で値上がり益が得られる可能性もあります。一方で、金利が上昇すれば価格は下落しやすく、途中解約時の元本割れリスクもあるので、長期的な視野での運用が推奨されます。
- 価格変動幅が大きい(金利変動リスク)
- 償還まで保有すれば元本・利息確定
- 将来の経済やインフレ期待を反映しやすい
- 市場での評価により途中売却時の損益が出る
NISAで始める国債投資の仕組み
NISA(少額投資非課税制度)は、2024年から大きく制度改革され、成長投資枠で投資信託やETF・国債など多様な金融商品に非課税で投資できる仕組みとなりました。運用益や利子・譲渡益が非課税となるため、長期的な資産形成に非常に大きなメリットがあります。
- 投資信託(iFreeHOLD JGB2056)で国債に投資すると、購入単位は100円から(販売会社による)。
- 通常の特定口座経由では利子や譲渡益に20.315%の税金がかかるが、NISAでは全て非課税(将来税制変更の可能性あり)。
- 運用管理費用(信託報酬)は年率0.1265%とコストも低水準。
- 購入時手数料が無料の販売会社も多く、取り扱いはSBI証券・楽天証券・マネックス証券が主流。
長期金利1.6%突破―日本の金利環境の変化
2025年9月時点で、日本の長期金利(10年国債利回り)が1.64%と17年ぶりの高水準となり、金融市場で大きな話題になっています。これは、世界的なインフレ圧力や米国をはじめ各国の政策金利引き上げが影響し、日本でも金利上昇圧力が顕在化したためです。短期的には家計や企業の資金調達コストの上昇、住宅ローン金利アップなど、様々な波及があります。
- 日本10年国債利回り1.64%は、2008年以来最高水準。
- 世界的なインフレ、米国・欧州の金利上昇が背景で、日本にも「金利のある世界」が到来したといえるでしょう。
- しかし、政策金利の引き上げには慎重な意見が根強く、日銀は現段階で「追加利上げは不要」との見解も報じられています(ダイヤモンド・オンラインより)。
なぜ日本銀行は政策金利を引き上げないのか?
欧米ではインフレ抑制策として急速に政策金利が引き上げられています。それに比べ、日本銀行は慎重な姿勢を継続しています。日本国内の物価上昇は、諸外国ほど持続的とは言えず、雇用や景気回復の遅れも背景となっています。また、国債市場の安定や国債利回りの急騰抑制も政策判断に織り込まれているため、「政策金利は現状維持」が続く見通しです。
- 物価上昇はあるものの、賃金上昇や消費回復が伴っていない状況が続く。
- 急激な利上げは、住宅ローン・企業債務・財政負担を増加させるリスクもある。
- 日米欧の金融政策の違いが、今後の日本の長期金利や債券市場にも影響を与えます。
「金利のある世界」と分散投資のすすめ
新NISA開始以来、「オルカン」や「S&P500」といった株式ファンドが人気を集めましたが、2025年には分散投資への意識が高まっています。金利のある時代には、国債や債券ファンドの役割も大きくなり、リスク分散の観点からも国債投資が現実的な選択肢となります。
- 国債は「安全資産」として資産ポートフォリオの安定化に寄与します。
- 株式・不動産・債券のバランス運用で、リスクを抑えながら資産を増やす方法が注目されています。
- 金利上昇局面では追加投資のチャンスも生まれます。
- NISAの成長投資枠による非課税メリットを活用し、少額から長期的に積み立てるスタイルが推奨されます。
まとめ: 30年国債とNISAの新たな可能性
2025年、日本の資産運用環境は大きく変わっています。100円から始める国債投資、NISA成長投資枠の非課税メリット、「金利のある世界」へのシフト。これらは、将来に向けた安全で柔軟な資産形成の基盤となります。国債の価格変動や金利リスクを正しく理解しながら、NISAを活用した少額からの分散投資が、これからの40年、50年先の自分自身と家族の資産を守るスタートとなるでしょう。
- 国債は「安定・非課税・少額」で投資できる、生活者目線の最強商品です。
- 長期的な金利環境や政策の変化に備えつつ、初心者からベテランまで幅広い層が資産形成に組み込むべき選択肢となります。
- 今後の市場動向や政策変更にも注意しながら、安心で賢い資産運用を始めてみませんか?