インテル株が2000年以来の高値を更新-AI関連需要とターンアラウンド戦略が株価を牽引

半導体大手のインテル(INTC)の株価が著しい上昇を見せています。2025年末の36.90ドルから4月15日現在で64.94ドルまで上昇し、年初来で76%の上昇を記録しました。この間の時価総額増加は1000億ドルを超え、S&P 500構成銘柄の中でも最も注目を集める銘柄となっています。

インテル株の上昇の背景には、複数の好材料があります。まず、4月初旬には同社がアイルランドの半導体工場の持ち分をApollo Global Managementから142億ドルで買い戻すと発表しました。この発表は、インテルの事業再生(ターンアラウンド)の進捗を示すものとして市場に好感され、株価は大きく上昇しました。

AI関連協業が次々と発表

インテルの上昇モメンタムは、AI関連の新しい協業発表によってさらに加速しています。アルファベット(Google)との提携では、データセンター向けプロセッサ「ジーオン」の供給契約を含む複数年の提携が合意されました。AI トレーニングや推論用途での活用が進む見通しです。

さらに、イーロン・マスク氏率いる半導体製造ベンチャー「テラファブ」との提携も発表されました。この提携は、インテルの18Aプロセス・ノードを中心に構築されるもので、株価は発表直後に約4%上昇し、翌セッションでさらに11%上昇しました。

連続騰場の記録も更新

インテル株は9営業日の連続騰場を記録しており、これは2023年9月以来2年7カ月ぶりの記録となります。この期間で株価は約56%上昇しています。同社の連騰記録の最長は2005年5月の13営業日連続であり、現在の9連騰はこれに次ぐ記録です。

複合的な好材料が作用

インテルの上昇を支える要因は、単なるニュース効果だけではありません。調査会社ベンチマーク・カンパニーがインテルの目標株価を引き上げたことも支援材料となっており、AI分野での競争力強化や製造事業の回復期待が評価されています

また、国家安全保障の観点からも注目が集まっています。米国防予算の急膨張を背景に、トランプ米政権と近い位置関係にあるインテルは、防衛産業の裾野を支える民需とのデュアルユース特需の恩恵を受ける立場にあります。

製造能力の強化と製品実績

インテルの上昇モメンタムは、CES 2026で発表された新しいCore Ultra 200S PlusプロセッサとCore Ultra Series 3プロセッサからの製品実績によっても支えられています。さらに、Intel 18Aプロセスによる国内ファウンドリ能力への新たな注目も、株価上昇の要因となっています。

注目すべき指標として、4月23日のインテルの第1四半期決算が控えています。特にインテル・ファウンドリーの外部顧客からの収益に注目が集まっており、2025年第4四半期は2億2200万ドルで、インテルが報告した四半期では最高の数字でした。今四半期の実績がターンアラウンド戦略の成功を示す重要な指標となるでしょう。

市場の期待と将来見通し

アナリストの見方は様々です。ストリート・ターゲット(平均)は約51ドルである一方、TIKR目標株価(中位)は約180ドルと、大きな乖離が見られます。トータルリターンの可能性は約177%と見積もられており、市場はインテルの今後の成長に高い期待を寄せています。

過去には2026年1月に17%の急落を記録するなど低迷が続いていたインテルですが、ここ数週間の好材料の相次ぐ発表により、市場心理は大きく好転しています。AI関連需要の拡大、製造事業の回復、そして複数の戦略的パートナーシップが、インテルのターンアラウンドを現実のものにしようとしています。

今後、インテルの実績が市場の期待に応えられるかどうかが、株価の持続的な上昇を左右する重要なポイントとなるでしょう。第1四半期決算の内容とファウンドリ事業の成長が、投資家の注目を集めることになりそうです。

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