インフォマートが進める業務DX――「BtoBプラットフォーム 規格書」新機能と社会への波及効果
2025年8月、インフォマート株式会社が提供する「BtoBプラットフォーム 規格書」に、食品大目付「そうけんくん」に対応した新たなデータ出力機能が搭載され、大きな注目を集めています。この取り組みは、フォーマット多様化による食品業界の“規格書作成負担”を抜本から解決する一歩として高く評価されています。また、同時期にミツカングループは、自社の規格書システムと「BtoBプラットフォーム 規格書」とのデータ連携を強化し、年間約8,000件にもおよぶ転記業務の自動化・効率化を実現しました。さらに、インフォマートは建設業向けにも「出来高査定」や「会計データマッピング」といった機能拡充を発表しており、その波及効果は多業種へと広がっています。
1万社超が活用、業界標準化を促進する「BtoBプラットフォーム 規格書」
食品流通に欠かせない「商品規格書」は、食品の名称、原材料、アレルギー、栄養成分、原産国など数多くの情報を網羅した重要な書類です。しかし、これら規格書のフォーマットが事業者ごと・取引先ごとに異なり、転記や調整、各社要望への個別対応が大きな負担となっていました。「BtoBプラットフォーム 規格書」は、データの一元管理と業界標準フォーマットの採用によって、こうした課題を根本から見直しました。2025年8月現在、1万社以上が本サービスを活用し、食品業界全体での利用拡大が着実に進行しています。
- 規格書情報はすべてデジタルデータとして統一管理可能
- 取引先ごとのフォーマット差異を吸収し、提出・管理・更新の一元化を実現
- 外食、卸、メーカー等、立場を超えた横断的な業務標準化を推進
「そうけんくん」連携による食品業界のDX推進
2025年8月の最新アップデートの目玉は、「そうけんくん標準規格書(Excel規格書)」へのデータ出力機能の提供です。これにより、食品関連事業者は「BtoBプラットフォーム 規格書」に一度入力した商品情報を「そうけんくん」用のフォーマットへ自動変換し、複数の取引先へ繰り返し提出する際の業務負荷やミスを大幅に減らすことが可能となりました。
- 作成済み商品情報をそのまま「そうけんくん」対応書式に変換・出力
- 二重入力、転記ミス防止による品質向上と時間短縮
- 外食・卸・メーカー間の迅速な情報共有を実現
加えて、インフォマートとFCG総合研究所は2023年から食品表示ラベル作成の効率化、データ相互連携を進めており、今後も食品業界ならびに「食の安心・安全」を追求した業務DX推進が期待されています。今秋には、新機能説明会を兼ねたセミナーも予定されています。
ミツカングループが示した「データ連携」の現場インパクト
ミツカングループでは、独自の規格書基幹システム「メルクリウス」と「BtoBプラットフォーム 規格書」とのデータ連携によって、これまで手作業で年間約8,000件にものぼった規格書転記業務を解消しました。業務現場では従業員1人あたりの作業時間が1品ごとに30分~1時間かかっていたものがわずか5分程度に大幅短縮され、品質・スピード・正確性の三拍子が格段に向上しています。
- 「メルクリウス」上の管理データを「BtoBプラットフォーム 規格書」へ自動移管
- 新規商品・仕様変更時も入力の二重化防止
- 規格書情報更新もタイムリーに通知、取引先が常に最新情報取得可能
- 個別連絡・更新業務から開放され、事故防止・顧客満足度向上にも貢献
この取り組みは、食品業界内だけでなく、今後同様の課題を抱える他業種でもデータ連携を基礎とする業務改革が波及していくための先行事例とも言えるでしょう。
建設業向け新機能「出来高査定」「会計データマッピング」もスタート
インフォマートは食品業界に留まらず、建設業向けにも「BtoBプラットフォーム」シリーズの機能拡張を開始しました。今回提供が開始された「出来高査定」「会計データマッピング」は、従来アナログで煩雑だった進捗管理や会計との連動を一元化し、現場から経理処理までの抜本的な効率化をサポートします。
- 建設現場の進捗(出来高)に応じた請求・支払処理の自動化
- 工事進捗データと会計ソフト間のデータマッピング(連携)機能
- ヒューマンエラーやダブル作業の削減により、管理精度と生産性が向上
日本社会では今後も人手不足や業務の複雑性が増すと予想されており、こうしたデータ駆動型の業務基盤強化は非常に重要なテーマとなっています。インフォマートのソリューションは、その波を真っ先にリードする存在と位置付けられています。
食品・建設業界DX推進の意義と、これからの展望
食品業界における「規格書」業務の改革は、消費者への安心安全な情報提供だけではなく、改正法令への迅速対応や企業間競争力強化にもつながっています。インフォマートは食品業界の基盤となる情報インフラの一元化を通じて、サプライチェーンの最適化や消費者利益の最大化を支えていくとともに、デジタル活用のエコシステムを構築し続けています。
- 業種・業態を問わずデジタル基盤の整備が急務
- 社内基幹システムと外部プラットフォームの連携事例が増加傾向
- 業務負担のある領域ほど導入効果が大きく、現場での浸透が拡大
また、食品大目付「そうけんくん」のような第三者機関/標準システムとのデータ互換性が強化されることは、他サービスや業界全体の連携も加速させる可能性が高いです。「BtoBプラットフォーム」シリーズは多様な領域への拡張を継続し、社会全体のDXを先導していくことでしょう。
さいごに
インフォマートは、単なるITベンダーとしてではなく、社会の業界標準インフラを担うプラットフォーマーとして、日本の商流・産業のさまざまな課題解決に取り組んでいます。今後も業界横断的なデジタル連携・業務DXの波は、食品・建設・流通など様々な領域へさらに広がっていくことが期待されます。
より良い社会インフラと、働く人々の負担軽減、新しい価値創出を目指し、その取り組みから目が離せません。