グンゼ、国内インナーウエア生産の大幅再編を発表 4工場閉鎖と人員削減を実施
2025年8月6日、老舗アパレル企業グンゼは、国内のインナーウエアを中心としたアパレル生産体制の大幅見直しを発表しました。これにより、秋田県、山形県、兵庫県にある4つの国内工場が閉鎖され、生産拠点は京都府宮津市の1工場に集約されます。また、希望退職の募集も実施し、事業構造の効率化と収益力強化を目指します。
国内4工場の閉鎖と生産の集約
グンゼは2026年中に、秋田県にある東北グンゼ、山形県の矢島通商(非連結子会社)、兵庫県の養父アパレル(連結子会社)、そして梁瀬工場の4カ所の生産拠点を順次閉鎖します。具体的には養父アパレルと梁瀬工場は2026年3月末まで、東北グンゼと矢島通商は同年12月末をめどに操業を停止する予定です。
これにより、国内のインナーウエアの生産拠点は京都府宮津市の宮津工場のみとなります。閉鎖される各工場の生産機能は、宮津工場およびタイ、ベトナムの海外製造拠点に移管される計画です。この集約により生産効率の向上とコスト削減を図る狙いです。
希望退職の募集と人員削減
今回の再編に合わせ、グンゼはアパレルカンパニー所属の満40歳以上の社員を対象に希望退職プログラムを実施します。退職加算金の支給に加え、希望者には再就職支援などの優遇措置も提供されます。具体的な募集人数は明らかにされていませんが、事業のスリム化に向けた重要な一手として位置づけられています。
背景と今後の展望
この再編は、グンゼが2025年5月に公表した中期経営計画「VISION2030 stage2」の一環で、アパレル事業の構造改革を2025年から2026年にかけて完遂し、持続可能な利益体質への転換を図る目的があります。
国内の厳しい経済環境や市場環境の変化を踏まえ、効率化と選択と集中による競争力強化が急務となりました。グンゼは今後もコスト面の改善を進めつつ、海外拠点を活用したサプライチェーンの最適化を推し進めることで、さらなる事業の安定化と成長を目指しています。
物流拠点も集約・再編へ
生産工場の閉鎖に加え、連結子会社であるグンゼ物流の京都物流センター綾部事業所も2025年12月末に、福知山事業所は2026年12月末にそれぞれ操業を停止予定で、物流拠点の集約も同時に進められます。これにより、物流コストの削減と一層の効率化が期待されます。
まとめ
グンゼの今回の決定は、国内アパレル産業の変化とグローバル市場の競争環境の中で、生産体制の最適化と経営の効率化を目指す動きの一つです。国内4工場の閉鎖、希望退職の募集、物流拠点の再編を通じて、同社は持続的な成長を図ろうとしています。今後、宮津工場を中核とした生産体制の強化と海外生産拠点との連携に注目が集まります。