福岡銀行と西日本シティ銀行が住宅ローン固定金利を引き上げ――地銀の対応が注目される
福岡県の地方銀行である福岡銀行と西日本シティ銀行が、住宅ローンの固定金利を引き上げることが明らかになりました。この動きは、大手銀行に続く形での金利引き上げとなり、住宅購入を検討している多くの県民に影響を与えることになります。
大手銀行に続く金利引き上げの背景
日本銀行の金融政策の転換に伴い、金利引き上げの波が金融機関全体に広がっています。大手の五大銀行(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、三井住友信託銀行)は、すでに4月から住宅ローン変動金利の基準金利を0.15%~0.25%の幅で引き上げていました。新規借入者には4月1日以降から、既存の契約者には6月~7月頃から適用される予定でした。
例えば三菱UFJ銀行では、新規借入者に対する変動金利の最優遇金利を3月の0.345%から0.595%に引き上げるなど、大幅な上昇が見られました。こうした大手銀行の動きに対応する形で、今回の地方銀行の金利引き上げが実施されるものと考えられます。
福岡県の地銀の独自対応――過去の事例から見る動向
興味深いことに、福岡銀行と西日本シティ銀行は過去の金利引き上げ局面では、異なる戦略を取っていました。昨年10月の金利引き上げの際には、大手銀行が変動金利の基準金利と適用金利の両方を引き上げたのに対し、この2行は基準金利は引き上げながらも、適用金利は据え置くという独自の対応を行っていたのです。
この時の対応は、新規借入者にとって朗報となりました。基準金利は引き上げられましたが、基準金利からの優遇幅を拡大することで、実際の適用金利を据え置いたためです。つまり、4月に新規で借入をした人は、大手銀行での借入よりも有利な条件で住宅ローンを組むことができたわけです。
しかし、この対応は一時的なものでした。昨年11月には、福岡銀行と西日本シティ銀行も大手銀行と同様に、新規借入者の適用金利を引き上げました。つまり、基準金利を引き上げてから1ヶ月間だけ適用金利を据え置いたということになります。
固定金利と変動金利の現状
11月現在の福岡銀行の住宅ローン基準金利を見ると、変動金利型で年3.475%、固定金利では2年固定が年3.500%、3年固定が年3.650%、5年固定が年3.800%、10年固定が年4.150%となっています。一方、西日本シティ銀行では、特別金利で年0.875%~というプランが提供されています。
全国展開するネット銀行や大手銀行と比べると、地方銀行の金利はやや高めの傾向にありますが、地域に密着したサービスや相談のしやすさなど、他の利点があります。
今後の金利動向の見通し
過去のパターンから考えると、福岡銀行と西日本シティ銀行が今回も同様の流れをたどる場合、基準金利の引き上げから1ヶ月程度で適用金利も引き上げられる可能性が考えられます。つまり、今月中に基準金利が引き上げられたのであれば、来月には適用金利も引き上げられる可能性があるということです。
住宅購入を検討している人、特に来月以降の新規借入を予定している人にとっては、5月以降の適用金利の動きに注視する必要があります。わずかな期間の違いでも、長期間にわたって返済する住宅ローンの金利は、総返済額に大きな影響を与えるからです。
賢い住宅ローン選びのポイント
金利が上昇局面にある現在、住宅ローンの選択はますます重要になっています。固定金利と変動金利の選択、借入期間の設定、返済額の計画など、複数の検討項目があります。
福岡銀行と西日本シティ銀行では、ZEH住宅やLCCM住宅といった環境配慮型の住宅に対する特別金利が用意されている場合もあります。このような優遇制度の活用も、総返済額を減らすための一つの選択肢となり得ます。
住宅ローンは人生で最も大きな買い物の一つです。金利引き上げが相次ぐ現在だからこそ、複数の金融機関から情報を集め、自分たちのライフプランに最も適した条件を選ぶことが重要です。福岡銀行や西日本シティ銀行の窓口では、詳しい相談に応じてくれますので、迷った際には遠慮なく相談することをお勧めします。
