フジクラ、2026年3月期第1四半期決算を発表:経常利益が前年同期比60.1%増、通期予想も大幅上方修正

フジクラ株式会社(証券コード:5803)は2025年8月7日、2026年3月期第1四半期(4~6月)の決算を発表しました。連結経常利益は前年同期比60.1%増の417億円となり、大幅な増益を記録しました。これを受けて、通期の経常利益予想を従来の1260億円から1480億円へ17.5%上方修正し、7.8%の増益見込みに転じました。4期連続で過去最高益の更新を達成する見通しです。

第1四半期決算の概要

  • 売上高:2679億円(前年同期比22.7%増)
  • 営業利益:411億円(同68.0%増)
  • 経常利益:418億円(同60.1%増)
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益:313億円(同63.9%増)

売上高から利益まで、いずれも前年同期を大幅に上回る成績となりました。これは情報通信事業部門の好調を中心に、仕入債務の支払いに伴う資金の活用や事業活動の効率化が寄与したとみられます。

通期および中間期の利益予想の上方修正

通期の経常利益予想は1480億円に引き上げられ、前期比7.8%の増益を見込んでいます。一方、上半期の予想も590億円から790億円に33.9%上方修正され、前年同期比では51.3%増の大幅増益が期待されています。これにより、フジクラは2期連続の上期過去最高益を更新する見通しです。

配当政策も好転:配当金20円増額

フジクラは業績好調を背景に、配当も増額する方針を示しました。従来予想より20円の増額となる配当を決定しており、株主還元にも積極姿勢を見せています。

市場の反応と今後の注目点

フジクラの決算を受けて、東京株式市場では同社の株価が一時4万1000円台を回復。これはニューヨーク市場の株価上昇と連動し、日経平均も319円高の終値となりました。市場全体ではエムスリーの急伸もあり、関税問題に対する懸念が和らいだことが背景にあります。

アナリストの注目も高く、アイフィス株予報によればフジクラの26年3月期経常利益予想は前週比1.1%の上昇が見込まれています。今後も引き続き、半導体関連や通信インフラ需要の動向がフジクラの業績に影響すると予想されます。

決算の詳細情報

  • 資産状況:総資産は前年度末から342億円減少し7961億円
  • 負債状況:仕入債務の償還などで負債も441億円減少し3509億円に

これらの数値から、現金・預金残高の減少はあるものの、経営の健全性は引き続き高い水準にあることがうかがえます。

フジクラの事業成長の背景

フジクラは電線・ケーブルの大手企業として、通信網の高速化や電力インフラの整備といった分野で安定した需要を持っています。近年は光ファイバー関連事業が好調であり、次世代通信設備やデータセンター向け製品の需要増加が収益拡大に直結しています。

今回の決算で示された増益基調は、こうした市場環境の追い風とともに、同社の経営効率向上やコスト管理の成果が反映された結果と考えられます。

今後の展望と株主への期待

フジクラはこれからも研究開発投資や設備投資を積極的に行う方針を示しており、新製品・新技術の開発によってさらなる成長が期待されます。加えて、配当増額により株主還元も強化されており、投資家からの注目度は高まっています。

市場環境は依然としてグローバルな政治・経済リスクが存在するものの、フジクラの収益基盤の堅牢さが下支えとなり、今後の業績拡大が期待される状況です。

まとめ

2026年3月期第1四半期決算においてフジクラは売上高・利益ともに前年同期比で大幅増を達成し、通期の業績予想も大幅に上方修正しました。4期連続の最高益更新、配当の増額も好材料となり、株価は一時4万1000円台に回復。今後もデジタル化や通信インフラ需要の拡大を背景に、成長が期待される企業のひとつです。

(参照:株探ニュースPR TIMES

参考元