富士フイルム、2025年4~6月期決算で営業利益21.1%増
2025年8月6日、富士フイルムホールディングスは2026年3月期第1四半期(4~6月期)の連結決算を発表しました。営業利益は前年同期比で21.1%増加し、752億円となりました。一方で為替差損の影響で最終利益は前年同期を下回りましたが、全体的には好調なスタートを切りました。
営業利益の大幅増加の背景
富士フイルムの4~6月期の営業利益増加は、主に主力事業のデジタルイメージングや医療関連製品の販売伸びが寄与しています。売上高の営業利益率も前年同期の8.3%から10.0%へ改善し、利益率の向上が確認されました。この好調な業績は、製品ポートフォリオの多様化戦略が功を奏していることを示しています。
為替差損の影響で最終利益は減少
しかしながら、円安・ドル高の為替変動に伴う為替差損が発生し、最終利益は前年同期比で減益となりました。富士フイルムはグローバル展開企業であるため、為替の影響を受けやすい構造にあります。通期予想は据え置かれており、今後の為替動向と事業の回復が注目されます。
通期計画と市場の反応
富士フイルムは2026年3月期の通期営業利益予想を据え置き、3430億円を見込んでいます。第1四半期の進捗率は21.0%で、過去5年間の平均進捗率22.0%とほぼ同水準です。これにより、投資家からは堅実な経営姿勢として評価され、株価は決算発表後に続伸しました。
今後の展望と課題
- 主力分野であるヘルスケアおよび高度印刷技術の強化を継続し、収益基盤の安定化を目指す。
- 為替リスク管理のさらなる強化が課題であり、グローバル経済の不透明感に対応する必要がある。
- デジタルイメージングだけでなく、新興事業の育成と成長促進により、多角的な収益拡大を図る戦略を推進。
今回の決算は、富士フイルムが堅調な営業利益を確保しつつも、為替環境の影響を受けている現状を反映しています。今後も安定した成長を目指し、内外の経済状況に柔軟に対応していくことが求められるでしょう。