レアアース含む新鉱物4種が群馬で発見、山口大学が承認

山口大学大学院創成科学研究科の永嶌真理子若手先進教授と東京大学物性研究所の浜根大輔博士、アマチュア鉱物研究家らの研究グループが、群馬県の茂倉沢鉱山からレアアースを含む新鉱物4種を発見しました。これらの新鉱物は国際鉱物学連合(IMA)に承認された、日本産の重要な鉱物資源となる可能性を秘めた発見です。

発見された4種の新鉱物とは

今回発見された新鉱物は、以下の4種類です。

  • 「セリウムバナジン赤坂簾石」(IMA No.2024-044)
  • 「セリウム赤坂簾石」(IMA No.2025-001)
  • 「ランタン赤坂簾石」(IMA No.2025-002)
  • 「ランタンバナジン赤坂簾石」(IMA No.2025-003)

このうち1種は2024年10月3日付で新種として承認されました。その後、さらに3種の新鉱物が発見され、2025年5月3日付でIMA-CNMNCに承認されました。

これらの新鉱物はセリウムやランタンなどの軽希土類元素を含む赤坂簾石に分類される鉱物です。茂倉沢鉱山は層状マンガン鉱床として知られており、今回の新鉱物はバラ輝石に富む岩石に含まれる石英レンズ中に存在しています。肉眼では暗褐色の柱状結晶として観察され、4種類を区別するには化学分析と結晶構造解析が必要です。

レアアースとは何か

レアアースは、スマートフォンやEV(電気自動車)のモーター、永久磁石など、ハイテク製品の原料として重要な希少元素です。日本は現在、レアアースの多くを中国からの輸入に頼っており、資源の安全保障が課題となっています。

今回発見されたセリウムやランタンは軽希土類に分類される元素で、様々な産業で活用されています。これらの新鉱物がレアアースを含有していることは、科学的な価値だけでなく、日本の資源戦略においても注目される発見となっています。

科学的成果と学術的価値

本研究の詳細は、日本鉱物科学会が発行する学術雑誌「Journal of Mineralogical and Petrological Sciences」に掲載される論文で公開されています。この発見は、純粋な科学的進展として日本産鉱物の多様性を示すものであり、鉱物学的な価値が高く評価されています。

山口大学の「先端研究基盤共用推進事業」の支援を受けて実施された本研究は、国際的な基準に基づく承認を得た正式な学術成果です。新しい鉱物の発見と承認は、地球科学の分野における重要な貢献となります。

今後への期待と課題

今回の新鉱物発見は、日本国内でのレアアース資源の可能性を示す重要な事例となります。ただし、発見自体は新種の鉱物の確認であり、資源量の詳細はまだ発表されていません。商業レベルの採掘利用には、より詳細な地質調査と埋蔵量の把握が今後の課題となります。

茂倉沢鉱山は過去にマンガンなどの鉱物産出の歴史を持ちますが、レアアースに関しては「有望な鉱床」として言及されるのみで、確認埋蔵量は不明な状態です。今後の調査により、この発見がどの程度の資源量を示すのか、そして実際の利用が可能なのかが明らかになることが期待されています。

日本のレアアース戦略での位置づけ

日本は、南鳥島沖(EEZ内)に世界需要の数百年分に相当するレアアース泥の埋蔵量があると推定されており、2025年現在、試掘が進められています。今回の茂倉沢鉱山での発見は、国内の複数の地点でレアアース資源の存在を確認することで、より多角的な資源戦略の構築を可能にします。

山口大学と東京大学、そしてアマチュア鉱物研究家による協力体制で実現した本発見は、学術的な成果であると同時に、日本の資源セキュリティ強化への一歩となるものです。今後のさらなる調査研究が注目されます。

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