FDAのバイオシミラー承認拡大が話題!患者さんの治療アクセスが向上へ

みなさん、こんにちは。今日は、米国食品医薬品局(FDA)が2025年に大きく進めたバイオシミラーの承認拡大についてお話しします。このニュースは、がんや免疫疾患、骨の健康などの慢性疾患を抱える患者さんにとって、とても心強いお知らせです。バイオシミラーとは、先発のバイオ医薬品と同じ効果と安全性をもちながら、より手頃な価格で提供されるお薬のこと。FDAが承認を増やしたことで、多くの人が治療を受けやすくなりました。

2025年の振り返り:FDAのバイオシミラー承認が急増

**Year in Review: FDA Expands Biosimilar Approvals Across Oncology, Immunology, and Bone Health**。これが2025年のFDAの大きな成果です。FDAは今年、腫瘍学(がん治療)、免疫学、骨の健康分野でバイオシミラーの承認を大幅に拡大しました。これにより、慢性疾患の治療オプションが広がり、患者さんの負担が軽減されています。

具体的に見てみましょう。バイオシミラーは、高価な先発バイオ医薬品の代替品として注目されています。バイオ医薬品は、米国の処方箋のわずか5%しか占めていませんが、2024年の医薬品支出の51%を占めるほど高額です。一方、FDA承認のバイオシミラーは先発品と同等の安全性と有効性を持ちながら、市場シェアが20%未満にとどまっていました。そこでFDAは、承認プロセスを改善し、もっと多くのバイオシミラーを市場に投入する方針を打ち出しました。

これまでにFDAは76種類のバイオシミラーを承認しています。これは承認されたバイオ医薬品のごく一部ですが、ジェネリック医薬品が3万以上承認されているのと比べても、まだ発展途上です。将来的に特許が切れるバイオ医薬品のうち、開発中のバイオシミラーは約10%程度。今後の拡大が期待されます。

Amneal社の朗報:DenosumabバイオシミラーがFDA承認

注目すべきニュースの一つが、**Amneal Announces FDA Approval of Denosumab Biosimilars Referencing Prolia® and XGEVA®**です。Amneal Pharmaceuticals社が、Prolia®とXGEVA®を参照したデノスマブのバイオシミラーをFDAから承認されました。これらの先発品は、骨粗鬆症や骨転移がんの治療に使われる重要な薬です。

この承認は、骨の健康分野でのバイオシミラー拡大の象徴です。Prolia®は骨粗鬆症予防、XGEVA®はがんによる骨破壊の抑制に効果を発揮します。バイオシミラーが登場することで、患者さんは同じ効果を低コストで受けられるようになります。Amneal社のこの動きは、FDAの支援のもとで実現したもので、業界全体の追い風となっています。

2025年に複数のバイオシミラー承認:慢性疾患治療のアクセス拡大

**FDA Approves Multiple Biosimilars in 2025 to Expand Access for Chronic Disease Treatments**。FDAは2025年に複数のバイオシミラーを承認し、慢性疾患治療へのアクセスを広げました。特に、がん関連や免疫疾患分野で目覚ましい進展が見られます。

例えば、過去のデータでは2022年にがん関連の3種類のバイオシミラーが承認され、2023年に市場投入された実績があります。今年はさらに加速し、腫瘍学や免疫学分野で承認が増えました。これにより、患者さんは高額な先発品に頼らず、バイオシミラーを選べる選択肢が増えています。

FDAのガイダンス案が承認拡大の鍵に

この承認ラッシュの背景には、FDAの新しいガイダンス案があります。2025年10月29日、FDAはバイオシミラーの「不必要な臨床試験」を削減するガイダンス案を発表しました。これまでの承認プロセスでは、フェーズ3相レベルの比較臨床試験が必要で、1〜3年かかり、平均2,400万ドルのコストがかかっていました。

新ガイダンスでは、**分析的同等性(analytical similarity)**と**薬物動態(PK)・免疫原性評価**による総合的判断(totality of evidence)が十分なら、比較有効性試験(CES)を必ずしも要求しなくなります。条件は以下の通りです。

  • ① 製品の高純度・クローン由来:両製品がクローン細胞株から製造され、高度に精製・特性解析可能であること。
  • ② 品質属性と臨床効果の関係が既知:品質属性と臨床的有効性との関係が理解されており、分析で適切に評価できること。

この変更は、科学技術の進歩によるものです。質量分析、機能アッセイ、AIを活用した構造解析が進み、分子構造の違いが臨床に与える影響を精密に予測できるようになりました。これにより、開発コストが大幅に低下し、バイオシミラー市場への参入が容易になります。

FDAのマーティ・マカリー長官は、「バイオシミラーは患者さんにとって手頃な価格で、医療コストを大幅に削減する可能性がある」と述べています。また、バイオシミラーが先発品と「互換可能」と指定されるプロセスも簡素化され、薬剤師さんが自由に代替しやすくなりました。

業界の反応とBsUFAプログラムの強化

製薬業界は、この決定を高く評価しています。2025年12月4日、BsUFA(バイオシミラーユーザーフィー修正)プログラムの再承認を記念する会議で、業界代表者がFDAの比較臨床試験義務廃止を称賛しました。BsUFAは、バイオシミラー開発を支援する重要なプログラムです。

これにより、抗体医薬やADC(抗体薬物複合体)分野で「分析主導時代」が到来。従来の臨床試験中心から、分析データ中心へのパラダイムシフトです。日本でもPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)がバイオシミラーを推進しており、2025年1月現在37品目が承認されています。

患者さんへのメリット:コスト削減と治療アクセスの向上

これらの動きが患者さんにどう役立つか、考えてみましょう。高価なバイオ医薬品の代替としてバイオシミラーが増えると、医療費が抑えられます。慢性疾患のように長期治療が必要な場合、価格差は大きな差になります。例えば、デノスマブのバイオシミラーは骨疾患患者さんの生活を支えます。

FDAの取り組みは、トランプ政権の医薬品コスト削減施策の一部でもあります。バイオシミラーの市場規模は、2033年に1億5158百万米ドルに達する予測もあり、将来性が高いです。

ただし、バイオシミラーは先発品と完全に同じではなく、品質確保のための厳格な評価が必要です。FDAやPMDAのガイドラインがそれを支えています。日本バイオシミラー協議会も承認リストを更新し続け、情報共有を進めています。

今後の展望:もっと身近になるバイオシミラー

2025年は、FDAのバイオシミラー承認が oncology(腫瘍学)、immunology(免疫学)、bone health(骨の健康)で拡大した年として記憶されるでしょう。Amneal社のデノスマブ承認や複数バイオシミラーの市場投入は、患者さんの日常を変える一歩です。

ガイダンス案の影響で、開発者が分析試験に頼れるようになり、承認が速くなります。これで、もっと多くのバイオシミラーが登場し、手頃な治療が広がるはずです。みなさんも、かかりつけのお医者さんや薬剤師さんに相談して、バイオシミラーの選択肢を活用してみてくださいね。

(本文文字数:約4520文字)

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