ファーストリテイリング株価が最高値圏に接近 ユニクロ好調で通期予想を上方修正
衣料大手ファーストリテイリング(ファストリ、証券コード9983)の株価が、決算発表と業績予想の上方修正を受けて最高値圏に迫る動きとなっています。背景には、「ユニクロ」を中心とした海外事業の好調と、それに支えられた2026年8月期業績見通しの上方修正があります。
この記事では、最新決算のポイント、株価の動き、市場評価、そして今後の注目点を、投資初心者の方にもわかりやすいように整理してお伝えします。
ユニクロ海外事業が牽引 2026年8月期第1四半期は大幅増収増益
ファーストリテイリングは、2026年8月期第1四半期(9〜11月期)決算で、売上収益1兆277億円(前年同期比14.8%増)、営業利益2,109億円(同33.9%増)という力強い数字を発表しました。この数字は、単なる増収増益にとどまらず、「海外ユニクロ事業が全地域で増収増益」という点が大きな特徴です。
ユニクロは、これまでもアジアや欧米での出店を加速してきましたが、今回の決算では海外事業がグループ全体の成長エンジンとして明確に機能していることがあらためて示された形です。為替の影響だけでなく、現地でのブランド浸透や商品力の強化が寄与したとみられています。
また、四半期ベースで見ると、過去12四半期にわたって業績が改善傾向にある点も注目されます。純利益率やROE(自己資本利益率)などの重要な指標も高水準を維持しており、収益性の面でも安定した成長が確認されています。
通期業績と配当予想を上方修正 投資家の期待が高まる
こうした好調な業績を受けて、同社は2026年8月期の通期業績予想と配当予想を上方修正しました。具体的な最終的な純利益額などの詳細は開示資料に委ねられますが、市場では「サプライズを伴う上方修正」として受け止められています。
金融情報サイトの決算AI要約によれば、通期業績は売上・利益ともに前回予想を上回る見通しとなり、EPS(1株当たり利益)の会社予想も引き上げられています。これに伴い、配当予想も増額されており、株主還元の面でも前向きな姿勢が示されました。
配当利回り(会社予想)は、1月8日時点で0.92%とされていますが、成長企業としては無理のない水準でありながら、着実な増配傾向が意識されています。投資家にとっては、キャピタルゲイン(値上がり益)だけでなく、インカムゲイン(配当)への期待も持てる内容となっています。
株価は決算後に上昇 PTSでも買いが先行
決算発表は1月8日で、同日は東証の通常取引終了後に内容が公表されました。通常取引の終値は56,700円(前日比100円安、-0.18%)でしたが、決算発表後の時間外取引(PTS)では一時4%高まで買われる場面があり、投資家の評価の高さがうかがえました。
1月8日の東証での株価推移は、始値56,970円、高値57,290円、安値56,390円、終値56,700円となっており、場中はやや上値の重い展開でしたが、決算内容が明らかになった後は「サプライズ決算」として再評価される流れとなりました。
金融メディアでは、この決算を取り上げる形で「本日のサプライズ決算」として速報が流れ、ファーストリテイリングはその注目銘柄のひとつとして位置付けられています。投資情報サイトなどでも、「決算発表後の株価上昇を受け、投資家の間で期待感が高まっている」といったコメントが掲載されています。
最高値圏への接近と株価水準の特徴
ファーストリテイリングの株価は、2025年11月11日に年初来高値59,830円を付けており、今回の決算後の動きで再び6万円近辺の最高値圏に接近しつつある状況です。1月8日時点の終値ベースでは56,700円ですが、PTSや翌営業日以降の取引で高値更新をうかがう展開になるかが、市場の関心事となっています。
時価総額は約18兆円規模となっており、日本を代表する大型株として日経平均株価にも大きな影響を与える存在です。最低購入代金は1単元(100株)で約567万円と、個人投資家にとってはややハードルの高い水準ですが、それでも国内外の機関投資家や長期投資家からの人気は根強く、流動性も高い銘柄です。
信用取引の状況を見ると、2025年末時点で信用買い残が減少し、信用倍率は0.38倍と低水準にあり、いわゆる「売り長」の状態となっています。こうした需給状況は、ポジティブな材料が出た際に株価が上昇しやすい土壌をつくることがあり、今回の決算後の動きにも一定の追い風となった可能性があります。
市場が評価するポイント:収益性と財務の強さ
投資家やアナリストが今回あらためて評価している点として、以下のような収益性と財務体質の強さが挙げられます。
- 純利益率の着実な上昇:前年同期比で純利益率が底上げされている
- 高いROE(自己資本利益率):一般的に望ましいとされる8〜10%を大きく上回る水準
- ROA(総資産利益率)も5%超と、資産効率も高い水準
- 自己資本比率は約58.9%と、財務の健全性も高い
これらの指標は、単に売上や利益が伸びているだけでなく、ビジネスモデルとしての収益性が高く、財務基盤も安定していることを示しています。とくに、ROE・ROAが長期にわたり高水準を維持している点は、株主価値の向上という観点からも重要な評価材料です。
フィスコなど投資情報サイトでも「注目銘柄」として取り上げ
今回の決算を受け、投資情報サイト各社は「今日の注目銘柄」としてファーストリテイリングをピックアップしています。ニュース見出しとしては、「ファーストリテ、トライアル◆今日のフィスコ注目銘柄◆」といった形で紹介され、短期的な値動きだけでなく、中長期の成長ストーリーにも光が当てられています。
とくに、
- ユニクロ海外事業のさらなる拡大余地
- グローバルSPA(製造小売)モデルの強み
- デジタル活用やサステナビリティへの取り組み
などが、中長期の投資テーマとして引き続き意識されています。短期の決算サプライズだけでなく、こうした構造的な成長要因があることが、株価を高い水準に押し上げている背景と言えるでしょう。
投資家のセンチメント:強気・弱気が交錯
株価水準が高値圏にある中で、投資家の見方も一様ではありません。掲示板などでの投資家の感情を集計したデータでは、「強く買いたい」が約6割、「強く売りたい」が約2〜3割という結果が出ており、全体としては強気優勢ながらも、利益確定やバリュエーション(株価水準の割高感)を意識した慎重な声も少なくないことがうかがえます。
PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などの指標は総じて高めの水準にあり、従来から「成長株プレミアム」を織り込んだ評価が続いています。そのため、今後も高成長を維持できるかどうかが、株価のさらなる上昇余地を判断するうえでのカギとなります。
今後の注目ポイント:海外成長と為替動向
今後の株価を考えるうえで、市場が特に注目しているポイントとしては、次のようなテーマが挙げられます。
- 海外ユニクロ事業の成長持続性:既存店売上の推移、新規出店のペース、各地域での利益率など
- 為替レートの影響:円安は海外利益には追い風となる一方、為替変動リスクも存在
- 商品戦略とトレンド対応:機能性素材やコラボ商品などのヒット継続
- コスト管理とサプライチェーン:原材料価格や物流コストの動向
とくに、ファーストリテイリングは海外売上比率が高まっているため、為替の影響をどうコントロールしていくかは重要な経営課題でもあります。その一方で、グローバル規模での生産・販売ネットワークを活かしたコスト競争力や、トレンドをとらえた商品開発力は、引き続き同社の大きな強みと見られています。
個人投資家にとってのポイント
最後に、個人投資家の方が今回のニュースから押さえておきたいポイントを整理します。
- 決算は「サプライズを伴う好決算」で、通期業績・配当予想も上方修正された
- ユニクロ海外事業が好調で、全地域で増収増益と、成長の裾野が広がっている
- 株価は最高値圏にあり、時価総額約18兆円の日本を代表する大型株となっている
- 収益性・財務ともに良好で、ROE・ROA・自己資本比率などの指標も高水準
- 一方で、株価水準は決して割安とは言えず、バリュエーションや今後の成長ペースをどう見るかが投資判断の分かれ目
ファーストリテイリングは、日々の生活でもなじみの深い「ユニクロ」を展開する企業でありながら、世界的にも注目される大型成長株です。株価が話題となっている今こそ、短期的な値動きだけでなく、事業の中身や長期的な成長ストーリーに目を向けることが大切と言えるでしょう。




