2025年8月28日 ニューヨークダウ市況詳報:エヌビディア急落で揺れる米株市場の一日
はじめに
2025年8月28日(米国時間)、ニューヨークダウ(NYダウ)を中心とした米国株式市場は、朝方の上昇から一転、主力株エヌビディア(NVIDIA)の急落により不安定な値動きが見られました。ただ全体では、主要3指数が続伸する場面もみられ、市場は様々な材料に揺れ動いた一日となりました。
NYダウ、朝高後に下げ 基本動向
この日、米国市場は取引開始から買いが先行し、NYダウは一時小幅高で推移しました。特に米国長期金利の低下や、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁による利下げ観測から、金融政策への期待が高まったことで、積極的な買い注文が入った形です。
8月27日のダウ平均株価は147.16ドル高(+0.32%)の45,565.23ドルで取引を終えており、前日の堅調な流れが朝方にも続いていたことが市場心理に好影響を与えていました。
エヌビディア決算後、一時3%安 売り優勢
しかし、市場の雰囲気を大きく変えたのが半導体大手エヌビディア(NVIDIA)の動向です。前日に発表された新たな決算が投資家の期待を若干下回ったことから、エヌビディア株は時間外取引で急落し、一時3%安となり売りが優勢となりました。
- エヌビディアは決算発表後、下落を余儀なくされ時間外市場で終値比3%安に。
- 主因は10月期売上高の見通しが市場期待に届かなかったこと。また、中国向け出荷の影響なども懸念材料として浮上。
- 600億ドル規模の自社株買いも発表されましたが、決算の慎重な内容が重しとなった。
エヌビディアの下落は、AI関連などハイテク・半導体銘柄全体に波及し、ナスダック指数の値動きをやや抑える材料となりました。
市場全体の雰囲気と主要指数の推移
- NYダウ平均は朝方の高値から売り優勢に転じつつも、午後には小幅高での推移が続きました。
- ナスダック総合指数もプラス圏を維持し、テクノロジー関連銘柄の回復力がうかがえます。
- 米国債利回りは全体に低下傾向となり、株式市場の下支え要因に。
- 欧州市場はやや軟調傾向が見られた一方、米国株は基本的に底堅い展開。
この流れの中で、ダウ平均はNY時間13時時点で45,566.17ドル(+0.94ドル、+0.00%)、ナスダックは21,672.32ポイント(+82.18、+0.38%)と推移し、全体として大きな崩れには至りませんでした。
個別株の動き
- セールスフォース(Salesforce):好調な動きでダウ株主導。
- 一方、ソフトウェア銘柄には、AI事業に押されてきた分野の買い戻しも入り、値動きに幅が広がりました。
- モゴDB(MongoDB):決算発表後急騰し、注目銘柄の一つとなりました。
市場の中では、AIおよび半導体関連銘柄に対する警戒感が継続しつつも、好決算を受けた銘柄および一部のソフトウェア株には積極的な買いが見られました。
米国経済指標・金融市場の動向
- 米国債利回りは10年債で4.205%と前日比でやや低下、債券市場が株式市場を下支え。
- インフレ率は2.420%と変動が少なく、金融政策の行方に注目が集まっています。
- 金先物は1オンス3,473.70ドル(+25.10、+0.73%)と堅調な値動き。
世界的な金融市場のリスク許容度や政策期待が、株式及び関連資産の値動きに強く影響する流れとなっています。
今後の市場見通しと投資家の注目ポイント
- 米FRB(連邦準備制度理事会)やFOMCの動向、追加利下げ予測が株価に大きな影響を与える可能性。
- エヌビディアなどAI・半導体関連企業の決算や業績見通しが、市場全体のトレンドを左右【次回決算内容にも注目】。
- グローバル経済・地政学リスクと米国消費動向、インフレ指標の変動が今後も投資家心理に作用。
- 金や暗号資産(ビットコイン)など代替資産への資金流入にも目が離せません。
市場参加者は、各種経済指標や金融政策の手綱さばき、それぞれの企業業績発表など細かくチェックしながら、今後も値動きが激しい展開を警戒しています。
まとめ
2025年8月28日のニューヨークダウを中心とした米国市場は、エヌビディア決算など注目材料を抱え、値動きの大きい一日となりました。朝方や午後には一時的な上昇が見られたものの、エヌビディアなどの主力株が売られたことで、警戒感が残っています。それでも全体では主要3指数が揃って上昇する展開となり、底堅い市場環境が維持されています。
今後も米国金融政策の方針と主要企業の決算発表が、市場の方向性を大きく左右する見通しです。投資家はリスク管理の徹底と情報収集を図りながら、ダイナミックな市場の変化に柔軟に対応していく必要があるでしょう。
本日の主なポイントまとめ
- NYダウは朝高後に売り優勢、一時小幅高での推移
- エヌビディアは決算後、一時3%安と大きく下落
- 主要3指数は終盤まで堅調、米金利低下も追い風
- 米金融政策、企業決算、AI分野が市場のトレンドを左右