ダイハツの新型コンパクトSUV「TRAZ(トラズ)」、マレーシアでデビュー! 日本でも話題の“ちょうどいい”5人乗りSUVとは
ダイハツ工業のマレーシア現地合弁会社プロドゥアが、新型コンパクトSUV「TRAZ(トラズ)」を発売しました。マレーシアでの発表ながら、日本でも「ロッキーより少し大きいちょうどいいサイズのSUV」として大きな注目を集めています。
価格はマレーシアで約7万6100~8万2000リンギットに設定されており、日本円に換算するとおおよそ約250万~290万円前後のレンジとなる、非常にコストパフォーマンスに優れたモデルです。
マレーシア市場向けDNGA第4弾モデルとして登場
TRAZは、ダイハツが展開する新世代プラットフォーム「DNGA」を採用した、マレーシアにおける第4弾モデルとして位置づけられています。
- 2021年発売:コンパクトSUV「Ativa(アティバ)」
- 2022年発売:コンパクトMPV「ALZA(アルザ)」
- 2023年発売:小型乗用車「AXIA(アジア)」
- 2025年発売:新型コンパクトSUV「TRAZ(トラズ)」
このように、TRAZはマレーシア市場で着実に評価を高めてきたDNGAシリーズの流れをくむ、待望のBセグメント5人乗りSUVとして投入されています。プラットフォームはアルザと共通のDNGA Bセグメント用プラットフォームで、使い勝手と居住性、走行性能のバランスを重視した設計が特徴です。
ボディサイズは全長4.31m、日本でも扱いやすい“ちょうどいい”大きさ
TRAZのボディサイズは以下の通りです。
- 全長:4310mm
- 全幅:1770mm
- 全高:1655mm
- ホイールベース:2620mm
日本で販売されているダイハツ「ロッキー」(全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mm)と比較すると、TRAZは全長で約300mm長く、全幅で約75mmワイドな、ひとまわり大きなサイズとなります。
一方で、全長4.3m前後・全幅1.7m台というサイズ感は、ホンダ「WR-V」やトヨタ「ヤリスクロス」など、日本市場で人気のコンパクトSUVと近いクラスに属します。そのため、日本の道路事情を考慮しても「大きすぎず、小さすぎない」、いわゆる“ちょうどいい”サイズ感として受け止められています。
広々とした室内と大容量ラゲッジ 5人がゆったり座れる実用性
TRAZの大きな特徴のひとつが、同クラスとしては非常にゆとりある室内空間です。アルザと共通のプラットフォームを採用することで、室内長や足元空間をしっかり確保しており、大人5人が快適に過ごせるよう設計されています。
さらに、ラゲッジスペースは最大471Lもの荷室容量を持ち、多様な荷物を載せることができます。家族でのレジャーや長距離ドライブなど、日常から休日まで幅広い用途に対応できる、実用性の高いパッケージです。
ボディ剛性の高さとDNGAプラットフォームのメリットにより、室内の静粛性や乗り心地にも配慮されており、長時間の移動でも疲れにくい快適性を目指しています。
デザインコンセプトは「Energetic & Fusion」 スポーティで力強いスタイル
エクステリアとインテリアデザインは、ダイハツ独自のコンセプト「Energetic & Fusion」に基づいて開発されました。
- フロントマスク:張り出したフェンダーと鋭いヘッドライトで、タフなSUVらしさを表現
- 全体のプロポーション:コンパクトながら堂々としたシルエットで“車格感”を強調
- スタイル:都会的な洗練とアクティブさを併せ持つ、マレーシア独自のスポーティデザイン
視点の高さや見切りのよさにも配慮されており、運転時の見やすさ・扱いやすさも重視されています。都市部の運転から郊外のロングドライブまで、幅広いシーンで安心して取り回せるSUVとなっています。
1.5L自然吸気エンジン+D-CVT 力強さと燃費性能を両立
パワートレーンには、信頼性と燃費性能に定評のある1.5リッター直列4気筒「2NR-VE」エンジンが搭載されます。
- 最高出力:約106ps
- 最大トルク:約138Nm
- 駆動方式:FF(前輪駆動)のみの設定
- トランスミッション:D-CVT(ベルト+ギアを併用したCVT)
- MDCモード燃費:21.3km/L(マレーシア基準)
D-CVTは発進時にギアを併用することで力強い加速感を生み出し、高速巡航時にはベルト駆動を活かして燃費性能と静粛性を高める仕組みです。これにより、日常用途から高速道路まで、バランスの良い走りを実現しています。
駆動方式はFFのみですが、SUVらしい十分な最低地上高を確保しており、多少の悪路や冠水路でも安心感を持って走行できる点が、マレーシアのユーザーにとっても大きなメリットとされています。
安全性能も充実 ASEAN NCAPで最高ランク「5つ星」を獲得
TRAZは安全性能にも力を入れており、東南アジア地域の自動車安全評価プログラムであるASEAN NCAPにおいて、最高ランクの5つ星評価を獲得しています。
予防安全・運転支援装備としては、ダイハツの「スマートアシスト」に相当する先進安全システムが、現地では「Advanced Safety Assist」の名称で採用されています。これにより、衝突回避支援や運転支援機能が充実し、ユーザーの安全・安心へのニーズに応えています。
マレーシアで“国民車”価格を実現 約250万~290万円クラスの高いコスパ
TRAZの価格は、マレーシア半島で7万6100~8万2000リンギットに設定されています。為替レートによって変動はあるものの、日本円では概ね約250万円~290万円前後とされています。
この価格帯で、
- 全長4.3mクラスのゆとりあるボディサイズ
- 広い室内空間と471Lの大容量ラゲッジ
- 1.5Lエンジン+D-CVTによる力強い走りと優れた燃費
- ASEAN NCAP 5つ星の優れた安全性能
といった要素を兼ね備えていることから、マレーシアでは「国民車にふさわしい価格」として位置づけられています。ダイハツらしい高いコストパフォーマンスが際立つモデルと言えるでしょう。
日本でも関心高まる「ロッキーより少し大きいSUV」
TRAZは現時点でマレーシア専売モデルとして発表されており、日本市場への導入はアナウンスされていません。
しかし、日本のユーザーにとっても、
- ロッキーより全長・全幅が一回り大きい適度なサイズ
- WR-Vやヤリスクロスと競合するBセグメントSUVという立ち位置
- 5人がしっかり乗れる室内と大きな荷室
といった点から、「もし日本に導入されたら人気が出そうな1台」として話題になっています。過去には、海外専売モデルがのちに日本市場へ投入された例もあるだけに、将来的な展開に注目する声も少なくありません。
マレーシア市場でのプロドゥアの存在感
TRAZを販売するプロドゥアは、ダイハツが協業するマレーシアの自動車メーカーで、1993年の創業以来、小型車を中心に事業を展開してきました。
プロドゥアは、2006年から2024年まで19年連続でマレーシア国内販売シェアトップを維持しており、2024年には過去最高の35万8000台を販売するなど、現地で非常に高い支持を得ています。この強固なブランド基盤のもと、DNGAシリーズの第4弾としてTRAZが投入されたことは、マレーシア市場におけるダイハツグループの戦略上も大きな意味を持つモデルと言えます。
まとめ:マレーシア発の“実用派コンパクトSUV”TRAZに注目
ダイハツの新型コンパクトSUV「TRAZ(トラズ)」は、
- 全長4.31mの扱いやすいボディサイズ
- 広々した室内と471Lの荷室容量
- 1.5Lエンジン+D-CVTによる力強さと低燃費
- ASEAN NCAP 5つ星の高い安全性能
- 約250万~290万円相当という高いコストパフォーマンス
といった魅力を備えた、マレーシア市場向けの実用派コンパクトSUVです。マレーシアのユーザーにとっては、日常使いから週末のレジャーまで幅広くこなせる“国民車的SUV”として、今後の販売動向が注目されています。
日本への導入は未定ながら、日本のユーザーからも「ロッキーより少し大きく、WR-Vやヤリスクロスと張り合えるサイズのダイハツSUV」として関心を集めており、海外発のニュースでありながら、日本のクルマ好きにとっても見逃せない一台となっています。



