ダイハツの未来への挑戦――「コペン」生産終了と原点回帰の動き、その先にあるワクワクとは?
ダイハツ「コペン」――日本のオープンスポーツカーをけん引した名車の歴史と、その転機
ダイハツ工業が2025年9月29日に発表した内容は、日本のスポーツカー愛好家やクルマ好きにとって大きな節目となるものでした。2002年に初代モデルが誕生し、日常でも気軽に楽しめるオープンスポーツカーとして幅広い支持を受けてきた「コペン」が、ついに2026年8月末をもって現行モデルの生産が終了することが決定したのです。
発売開始時のコペンは、ほかの軽自動車にはなかった電動開閉式ルーフ「アクティブトップ」を採用し、気軽さと本格的な走行体験の両立を実現しました。2014年の2代目モデルでは、新骨格構造「D-Frame」を導入し、走行性能の向上と個性の表現がしやすいデザインや「着せ替え」機能で支持を集めてきました。
これまでの20年以上もの歴史の中で、コペンは「持つ悦び」と「操る楽しさ」という、クルマが本来持つ価値を多くの人々に届けてきました。また、他社のスポーツカーと比べて入手しやすい価格・維持費、さらに自分だけのカスタムを楽しむ「着せ替え」など、唯一無二のブランドとして確立してきました。
生産終了――コペンファンへの感謝と未来へのイベント
ダイハツは「コペン」の生産終了に際して、支えてくれた全国のオーナー・ファンへ感謝の気持ちを込めたスペシャルイベントを2026年4月以降に全国各地で開催することを発表しました。イベントはコペンゆかりの地での開催も検討されており、これまでの20年以上にわたり築き上げてきたファン同士の絆や、コペンブランドの誇りを未来につなげていきたい――そんなダイハツの姿勢がうかがえます。
イベントでは、コペンらしいオープンマインドでの交流や、貴重なヒストリーモデルの展示、さらには開発スタッフによるトークセッションなど、参加者が「コペン愛」を感じられる企画が予想されています。なお、イベントの詳細は今後ダイハツの特設サイトで随時発表されるとのことです。
次期型コペンのゆくえ――「原点回帰」と新たなモデルの兆し
現行モデルの生産終了を受け、ファンや業界関係者の間では次期型コペンはどうなるのか、その動向に大きな注目が集まっています。2025年開催のJMS(ジャパン・モビリティ・ショー)では、「原点回帰」をテーマにしたダイハツの展示が話題となりました。今回は3輪ではない新型「ミゼット」の再登場も注目されていますが、コペンについては「走る楽しさ」と「持つ喜び」に改めて焦点を当てる、ダイハツの強いこだわりが感じられます。
JMS2025のダイハツブースでは、未来を占うモデルとして「ビジョンコペン」が展示されました。開発スタッフが来場者に直接アンケート調査を行い、「どんなコペンを望むか」「どんな走りがしたいか」といったリアルな声を集めていたのが印象的です。これは、ダイハツが従来のコペンの根強い支持を重視しつつ、新しい価値や方向性も模索していることの表れといえるでしょう。
現行規格を踏まえ、今後は自動車の安全機能(衝突被害軽減ブレーキなど)の標準装備化が進むことから、コペンもこれらの要件を満たす新型車への移行が予想されています。ファンの間では「原点回帰」と「最新技術の融合」に期待が高まっており、コペンはこれからも「走る楽しさ」と「個性の表現」を追求し続けるブランドであり続けて欲しいという声が多数あがっています。
これまでのコペンの魅力――着せ替え、カスタム、そして自分らしい楽しみ方
コペンといえば着せ替え可能な樹脂外板「DRESSFORMATION」、アフターパーツメーカーのみならず一般ユーザーにも設計データやカスタム情報を開示するオープンな姿勢、3Dプリンタによるパーツ製作など、自分だけの一台を作る楽しさが特徴です。
また、コペンは首都高バトルのようなゲームで「改造マシマシ感」を楽しみ、リアルのコペンで本当に首都高速を運転しながら遊ぶ――そんな体験型のオーナーイベントやユーザーコンテンツも充実しています。これは、クルマを単なる「移動の道具」としてだけでなく、趣味・ワクワク・人とのつながりとして楽しむ文化を根付かせた点で、コペンが自動車市場に与えたインパクトの大きさを物語っています。
2019年にはトヨタ自動車との協力によりコペンGR SPORTというスポーツ志向モデルも登場し、走りの本格化がさらに進みました。さらにユーザーが自ら3Dプリンタでパーツを作る「Effect Skin」なども展開され、コペンは「自分らしさ」を追求できる唯一無二の存在となりました。
ダイハツ「ミゼット」の復活も示す、「原点回帰」への姿勢
JMS2025で注目された「ミゼット」は、かつて日本の街を支えた商用車として、そのユニークな存在感と「原点回帰」の象徴とされています。往年のファンだけでなく、新たな世代にもダイハツの創業以来の精神やものづくりへのこだわりを伝えるべく、新型ミゼットが開発されていると報道されています。
コペン同様に、ダイハツが原点に立ち返ろうとする姿勢は、単にノスタルジーにとどまらず、現代の技術やニーズに応えた新しい魅力を生み出そうという企業姿勢の表れです。自動車の未来を考える時、こうした「原点回帰」と「新しい挑戦」の両立こそが本物のイノベーションにつながるといえるでしょう。
今後の展望――コペンを軸に強まるファンコミュニティとダイハツの新たな一歩
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コペン生産終了後のスペシャルイベント
最後のコペンオーナーやファン同士の交流、ダイハツの開発陣との対話など、イベントを通じたコミュニティの更なる強化が期待されています。 -
次期型コペンの登場への期待
オープンスポーツカーとしての楽しさ、個性の追求、安全技術の進化など、「走り」と「持つ悦び」の融合。 -
伝統と革新の両立
ミゼットやコペンなど、ダイハツブランドが持つ独自の「原点回帰」と最先端技術への取り組みが、今後のモデル開発やブランド形成に活かされる可能性。
まとめ:ダイハツ「コペン」が語る日本の“自動車らしさ”と未来の楽しみ方
2026年8月、20年以上続いたダイハツ「コペン」は現行モデルの幕を閉じようとしています。しかし、ダイハツが見据える未来には、ファンとの絆をさらに深め、自動車本来のワクワクや独自の楽しみ方を大切にする姿勢があります。
スペシャルイベント、コミュニティの強化、原点回帰、そして次世代のコペン――これらが新しいダイハツの未来を紡いでゆくはずです。クルマに「持つ悦び」と「操る楽しさ」を求め続ける人々へ、これからもダイハツはその想いを届けてくれることでしょう。