シーテック2025現地レポート〜未来を変えるデジタル見本市の驚きと革新〜

はじめに:アジア最大級のデジタル見本市「シーテック2025」とは?

シーテック(CEATEC)2025は、2025年10月14日(火)から10月17日(金)まで、千葉県の幕張メッセで開催される日本最大級、そしてアジアでも有数のデジタル総合展示会です。今年のテーマは「Innovation for All」。経済発展だけでなく社会課題の解決にも貢献するべく、幅広い業界から革新的なテクノロジーとサービスが集結し、「Society 5.0」の実現に向けた未来像を共同で描いています。

今年注目の展示:AIで「ゴルフにじゃんけん?」の体験も!

会場には、来場者が思わず立ち止まるユニークな企画が数多く並びました。特に話題となったのは、AI技術を駆使したレジャー体験型展示です。例えば、ゴルフのスイング動作をリアルタイムで解析し、最適なアドバイスをAIが耳元のイヤホンからささやいてくれるコーナーや、手を使わずジェスチャーだけで「じゃんけん」をAIと楽しめるブースが会場の人気を集めていました。

こうした体験展示は、AIが日常生活や娯楽の中で「さりげなく」「楽しく」人間と共存できる未来を来場者に強く印象付けるものであり、会場の空気を一層盛り上げていました。

「この人誰だっけ?」がなくなる?AIイヤホンの新提案

もう一つ大きな話題となったのが、「この人誰だっけ?」問題解消を目指すAI搭載イヤホンです。名刺交換が多いビジネスパーソンや、初対面の多いイベント来場者にとって、「顔は見たことがあるけど名前が思い出せない」という経験は珍しくありません。今回のシーテックでは、会話中に相手の顔や声を認識し、こっそりイヤホンから名前や所属先などの情報を伝えてくれる画期的なIoT製品が登場し、テクノロジーによる人間関係の「ちょっとした困りごと」解消提案が注目を集めました。

モビリティ業界でのAI革命:CRI・ミドルウェアの挑戦

本展示会では、モビリティ分野へのAI活用にも新たな潮流が生まれています。特に「CRI・ミドルウェア」による「SDx」ソリューションは、従来の自動車や移動体産業における課題をAIとソフトウェア技術で一新するものとして注目されました。走行データ・ドライバー状態・交通インフラ状況など多彩なデータをリアルタイム分析し、安全かつ快適な移動体験を提供する次世代サービスが披露されました。これによりモビリティ業界の従来課題、例えば事故防止や渋滞緩和、高齢者向け支援などにも大きなインパクトが期待されています。

展示されている主な分野とトレンド

  • スマートシティ&社会インフラ:都市のインフラ管理から防災、交通制御システムなどが多数紹介。
  • デジタルヘルスケア:ウェアラブル端末や遠隔診療、ヘルスデータの活用など、健康分野のイノベーション。
  • 生活家電・IoT:家庭で使える最新のスマート家電やIoTセンサーが並び、日常生活の質向上を体感。
  • ロボット&AI:人協働ロボット、自律型ロボット、生成AIサービス、音声認識・画像認識技術など。
  • 自動運転・カーネクテッドサービス:自動運転実証車両や緊急支援システム、運転支援AIなど。
  • エッジコンピューティング&データマネジメント:分散データ処理や安全な情報管理の最前線。
  • エンターテインメント&レジャー:デジタルゲーム、音楽、スポーツ体験の新サービス。

展示会の開催概要と規模

シーテック2025は、10月14日(火)から17日(金)、午前10時~午後5時まで開催されており、入場料は無料です(事前のオンライン登録が必須)。会場の幕張メッセには、例年800社以上が出展し、約11万人超の来場者が集まる一大イベントとして年々規模を拡大しています。

展示分野は電子部品・ソフトウェア、産業機械、モビリティ・自動車機器、スマートファクトリー、IoT、AI、セキュリティ、フィットネス、パーソナルケア、出版・サービスと多岐にわたっています。

多様な産業連携と支援体制

主催は日本エレクトロニクス情報技術産業協会(JEITA)。共催は通信・情報ネットワーク産業協会、ソフトウェア協会などが担当。総務省・外務省・厚生労働省・経済産業省・国土交通省・デジタル庁はじめ、地方自治体や経済団体、大手メディアも連携し、日本の産業界をあげての全国的なイノベーション推進イベントとなっています。

現地レポート:「実際に行ってみた」人気ブースと来場者の声

会場に足を踏み入れると、まず圧倒されるのが各出展社のプレゼンテーションや体験型展示の多さです。「未来のスマートシティ」を可視化した都市模型ブースでは、交通管制や災害対策、24時間の生活管理が一元化された未来都市像に歓声が沸き上がります。AIロボットによる接客体験や、ウェアラブル端末を使った健康チェックコーナーには行列ができ、高齢化社会に向けたテクノロジーの進化に多くの来場者が関心を寄せていました。

特に若年層や家族連れには、ゲーム×AIや、AR(拡張現実)体験型展示が大人気。子どもと一緒に楽しめるコーナーも多数あり、来場者は「普段はテレビやネットでしか見られない最先端技術を実感できて、とても刺激になる」といった声を多く寄せています。

ビジネスパーソン向け:新規事業創出と国際連携への期待

シーテック2025は単なる展示会にとどまらず、「共創の場」としてビジネスマッチングや国際交流も盛んに行われています。国内外のスタートアップ起業家、大手企業のキーパーソン、研究者、自治体関係者など、幅広いネットワーク拡大と共創活動のきっかけ作りが促進されています。

また、グローバル企業による基調講演やパネルディスカッションも連日開催され、今後の日本の産業・社会をどう支えるかについて熱い意見交換が行われています。海外発の最新技術、特にアジア諸国のスマートファクトリー構想や欧米のデジタルトランスフォーメーション動向を体感できる点でも、国際的な情報発信基地としての役割が評価されています。

まとめ:テクノロジーが描く「みんなのための未来」とシーテックの存在意義

シーテック2025は、「イノベーションをすべての人へ」という主題のもと、テクノロジーと社会の多様な出会いの場を提供しています。AI、IoT、ロボット、スマートモビリティ…展示された数々の技術は、単に目新しいだけでなく、私たちの生活や暮らし方、人と人とのつながりにも、大きな変革をもたらす可能性を秘めています。

毎年この展示会を心待ちにする声は多く、子どもから高齢者、ビジネスパーソン、研究者まで、幅広い世代と職種が「テクノロジーを通じてよりよい未来を考える」貴重なきっかけとなっています。来年以降、ますます幅広い業界・分野との連携が進み、異なる背景や課題を持つ人同士が共創しあう新しい社会の実現が期待されています。

参考元