暗号資産取引所「Bullish(ブリッシュ)」が華々しいIPOデビュー――上場初日に約90%高騰、時価総額100億ドル超へ

はじめに――きょう話題の新規上場「Bullish」

2025年8月13日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で暗号資産取引所「Bullish(ブリッシュ)」が満を持して株式公開(IPO)を果たしました。上場初日で株価は一時90%の上昇を記録し、終値も$70(IPO価格の約1.9倍)という驚異的な数字を叩き出しました。この動きにより、Bullishの時価総額は100億ドル(約1.4兆円)を突破し、金融・テック業界のみならず広範な注目を集めています。

Bullishとはどんな企業なのか?

Bullishは2020年創業の新興暗号資産取引所です。特徴は、機関投資家向けの高性能暗号資産取引サービスを提供し、グローバルなビジネス展開を進めている点です。先進的な取引システムとセキュリティ、迅速な決済プロセスを強みとしており、創業からわずか数年で急成長を遂げてきました。

  • 拠点:アメリカ
  • 市場:ニューヨーク証券取引所(NYSE)
  • 設立年:2020年
  • 主なサービス:機関投資家向け暗号資産取引、資産管理、関連Fintechソリューション
  • 従業員:約400名(2025年3月時点)

IPOの詳細――「価格レンジ上限」を超える高い需要

Bullishは当初、1株あたり$28.00~$31.00を目安にIPO価格を提示していました。しかし実際の公募価格は$37と、すでに引き上げられていたレンジすら上回るものとなりました。この背景には、事前の強い投資家需要があったことが明らかです。

また今回のIPOで、Bullishは11億ドル超(日本円で約1,500億円強)という大型の資金調達にも成功しました。これは、直近のIPOマーケットでもトップクラス規模の調達金額となります。

上場初日の値動き――初値から上昇、最高値$118に到達

上場初日の値動きは非常にダイナミックでした。Bullish(ティッカー:BLSH)の株価は$37でスタートし、瞬間的には$118まで高騰。終値は少し調整されたものの、$70というIPO価格からおよそ90%高という結果で初日を終えています【1】。市場開始時にはおよそ54億ドル規模だった同社の時価総額は、ピーク時に130億ドル超まで膨らみました。

  • IPO価格:$37/株
  • 初値:$37(同値スタート)
  • 最高値:$118
  • 終値:$70(初値比+89.2%)
  • 初日出来高:約5,000万株(推定)

爆発的需要の背景――「暗号資産」新時代の幕開け

今回のBullish IPOは「待望の新規上場銘柄」として、特に2025年後半の上場ラッシュのなかでも突出した注目度を集めました。これは、近年の暗号資産市場の勢いと法整備の進展が大きく影響しています。

2025年には米国で複数の暗号資産関連企業(Circle、eToro、Galaxy Digitalなど)が上場あるいはIPO準備を進行。特にBullishは著名投資家ピーター・ティールの支援や、最先端の技術基盤などから「業界の本命」として期待されていました。

市場と投資家からの評価

Bullishの華々しいデビューを受け、市場関係者や投資家からは下記のような評価が寄せられています。

  • 新IPOへの飢餓感:
    コロナ禍や金融引き締めによるIPO減少局面を経て、投資家は「新しい成長企業」を強く求めている状況です。Bullishの上場はこの機運に完璧に合致しました。
  • 暗号資産業界への信頼感:
    市場の成長性や、米国における暗号通貨規制の前向きな進展を背景に、関連企業のIPOが相次いでいます。Bullishはその代表的事例となりました。
  • 有力投資家の存在:
    ピーター・ティールら著名な支援者の存在が心理的な後押しとなり、企業としての信頼度向上に寄与しました。

今後の展望――Bullishの課題と期待

爆発的な初日上昇を果たしたBullishですが、今後の市場動向は決して楽観視できません。以下のような点が注目ポイントとなります。

  • 収益構造の強化と安定化:価格変動や規制強化など、暗号資産業界特有のリスクへの対応が不可欠です。
  • グローバル展開の推進:米国以外の国や地域でもサービス拡充を進め、全球的な競争力を高める必要があります。
  • 新サービス開発:ステーブルコインの取引支援、資産管理ソリューションなど、関連サービスの多角化が期待されています。

他の暗号資産企業との比較

2025年は暗号資産業界における「IPO年」ともいわれ、多くの暗号資産関連企業が株式市場に参入。Bullishはその牽引役として機能しています。他銘柄(Circle、eToro、Galaxy Digital)も上場・移籍を果たし、それぞれが独自の成長ストーリーを描いています。

まとめ――暗号資産業界の節目となる一日

BullishのIPOは、多くの投資家や業界関係者にとって「暗号資産新時代の象徴」的な出来事となりました。市場での高い評価は、単なる一時的な熱狂ではなく、業界そのものの“構造的進化”を示唆しています。今後もBullishをはじめとする暗号資産企業の動向からは目が離せません。

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参考元